minahitoha

宇宙(そら)の雪 宇宙に雪
宇宙の時 光る時
アンドロイドはみつけた
小さな星の灯台
千年前に届いた
光る信号
千年雪をこいで 近づくその場所
万年雪を分けて 開(ひら)いた扉に
幾億年の中で 生まれた光が
記憶と変わらない 強さで溢れ出した...

長い睫毛がいま 憂(うれ)いに揺れる
洗いたかったのは グラスと 濁った過去
切り捨て 瞼閉じて 駆け抜けた日々 指に残る
掴み続けることさえも 誓ったけれど
あの人の声が耳に残る
柔らかすぎて 掴み取れない
胸元の白い真珠だけが
手の中にある 光りながら
青い海の色が 紅(くれない)になる
...

眠そうな香りだって コーヒーを飲み込んで
目の前でニヤけている 君の顔を見上げた
まだまだ始まったばかりだから二人は
たまたまみたいに待ち合わせたりしてね
夕暮れはいつもよりも深くて
明日もここでねって
背伸びした気持ちだって 制服に折り込んで
友達とふざけている 君のことを見つめた
まだまだ高鳴っ...

拾った貝殻を ズボンに詰めて
かけ寄れば君が 砂のお城に招く
無限の広さ やがて海鳴りに
晴れた日が暮れる
胸のざわめきはお城が崩れてくから
浜辺で遊ぶこともだけど
君といることが楽しいから
おいでよって誘う子供だけの
知っていること「今がミライ」
放課後の机 座った君は...

Call me now
タワゴトに 頭ごと 突っ込んだら もう
カタコトの おままごとしかできない
テストの 見せあい 息子の 溺愛
仕事に 賭け事 誰かの マネゴト
海の 中に 忘れてた あの瓶(びん)
沈む 前に 取り出して 開けて！
ミセモノに 億にもの つぎ込んだら もう
ニセモノの 贈り物...

哭(な)け孤独な者よ 哭け孤高の者よ
飢えた腹で
彼を見つけたのは 切り立った崖の上から
駆け下りて其処(そこ)に立てば
群れを追われたのが すぐに分かるその
傷ついた誇りで睨んだ
腹から流れる血に濡れ
愛に破(やぶ)れ 代わりに彼は得た
孤独という名を
哭け孤独な者よ 哭け孤高の者よ 空へと...

魔法少女の☆キラキラ☆な心意気
ヒキガエルもネズミだってここにおいで
木の股から生まれたってそんなまさか
赤ちゃんならコウモリが運ぶじゃない？
でもあの子の前だと☆キラキラ☆が
なぜかかすんじゃうの
あの子はカガクシャ 分厚いメガネの
ゆーずーきかない 堅物なメガネ(二回目)
でも魔法のこと 教えて...

この雨ん中 時計塔へ行くのかい
言葉なら 余計そうだって飲み込めても
胸ん中 凍えそうなの隠せない
折れた傘 替えようったって ないんだけど
「ゼンマイを巻かないと錆びつくの」
人も錆びるだろう？
痺れた頭に 電流はながれ
『時計を守れ』と 奴隷たちを呼ぶ
ちぎれた体を 献(けん)ずるのは誰
『奴隷...

『罪なき者のみ境界を越えよ』
『優れた者のみ境界を越えよ』
『不吉な者らは境界で止めよ』
『越えてゆけ 混じりゆけ それが自然の摂理』と
撃ち落とす白鳥の最後の歌
遠くの湖に響く
やがて切る知恵の輪に手を繋いでいた
発熱の眠りを眠っていたね
『冬鳥も夏鳥になるならばきっと
僕たちの羽毛も生える』と言...

戦(いくさ)はみるまに 街じゅうを焼いた
祈りの乙女は 遠い森にいた
乙女を捕らえに 軍隊は去った
少年は後にした 傷跡となった街を
吹く風に なびく髪 小麦の色
彼方(かなた)を少年は目指す
昨日なら 言えたのに
『ここにいるから』と
草の海を歩く 見えない果て
繰り返す後悔を 朝露に消して...

混ざって ワサッて溶けていく
二段重ねの アイスみたいに
君って カブッてるんだよね
あたしのいる場所に アトからさ
『努力家』だか知らないけど
ゆーほど たいした場所じゃない
『頑張っ』てこの程度なら
いーからさ ママんとこでおやすみ
って、抱きつくな！
邪魔だっていうのに「だっているのに」...

サムは帽子を売った
ステッキさえも売った
絵の具と筆が欲しくて
みんな売った
『これで終わりが描ける』
サムは絵の具を買った
『まっすぐ歩けないけど』
筆も買った
屋根裏の部屋に戻ったとき
かつて殺した人が...

まだだめ？だめ？ まだこれ？どれ？
螺旋の指すインフェルノ
『まだいけない』『まだゆけない』
楽園出られないの
無垢すぎると あたしたちは
無垢のままで歪んで
胸の上の二重螺旋
ねじれて目が回る
神様なら 鳩 蛇さえも
方舟(はこぶね)に乗せて行った...