みやこの投稿作品一覧
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夢に見るほど あなたを想っていた
愛と呼べるほど あなたを愛していた
愛したいものほど 壊してしまった
壊してしまう度 僕は壊れた
いたいと 泣かせてほしい
きらいと 告げてほしい
君を殺して 僕も死にたい
夢は覚めるなら 君も忘れたい
愛したい人ほど 失ってしまうなら
失うのが怖くて 手にしたくな...あいない
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明日世界が終わるというのに静かなもんだ
誰も彼も皆最期の時を過ごしている
店もやっていないし電車も走っていない
車で出かける彼らはどこに行くのだろうか
月の降る夜に僕は君を夢見る
今頃同じ空を見上げてはいないだろうか
君が隣にいればこの大きすぎる月も
一生で一番綺麗に見えるんだろうけどな
月の降る夜
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選択肢なんていくつあっても
選べるのは一つだけ
芽が出るかもわからないまま
未来をいくつも殺して一つを掴んだ
戻ろうと思っても昨日もない
答え合わせのしようもない
間違いなんてなかった
そう言いたかった
正解とは何か
後悔の果てに問い続けた...模範解答
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電車で座ってごめんなさい
ため息をついてごめんなさい
雨男でごめんなさい
下ばかり見ていてごめんなさい
前を歩いてごめんなさい
日陰にいてごめんなさい
不安げな顔をしていてごめんなさい
才能がなくてごめんなさい
熱を持っててごめんなさい
心臓の音が煩くてごめんなさい...懺悔ばかりの僕らへ
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ハズレくじを引いたような悪天候
雨と涙は混じり合う
雨雲が空を灰一色にするなら
そこに溶け込んで消えてしまいたい
本で読んだ世界とこの世界大違い
期待も夢も飛んでいない
希望なんて風船のよう
膨らむだけ膨らんで最後には割れる
もういいかい まだだよ
隠した本音探さないで...まだだよ
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床にお弁当 突き飛ばされた階段
転がっていた机 底でしか息ができない
日ごとに痣が増えていることを 母は知りえもしない
ほとんど帰ってこないくせに メモでだけ親のフリして
私が悪いのか 誰かが悪いのか
もう分からなくて とにかく死にたくて
今日も日々は続いて 今日も独り浮いて
走り出して逃げたくて ...落としもの
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どうやら眠ってしまっていたようだ
夢を見ていた気がするが思い出せない
少し季節外れのセミの声が
妙に頭に残っている
傾き始めた太陽に
肌寒さを目で見るように
リビングに落ちる君の影
僕が僕であるのは君のおかげで
君の視線は遠い宙
まるでここにない何かを想うように...0
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青空を憧れた少女 仰げば風になびく
あとに咲く種もなく 遊ぶ草木の音色
赤い夕日眺めるだけで 開かない扉の前
明るい未来ってやつが 頭を離れないな
黄色の花が君を浮かばせ 気にしすぎな意味の果てに
聞き入れば軋ませる 秘密基地ももうないや
灰色の雲が吐き出しそうな 心溜まりに愛を重ねて
排他的に解を...彩て散る
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永遠の愛 永遠の幸せ 永遠の命
口約束交わして 描いてみるけど
ずっと一緒に ずっと信じる ずっとこんな時間を
望んでやまないものほど 儚く散るのです
また明日 昨日と同じセリフ
また明日 きっと明日も言う
また明日 それを重ねれば
それがきっと 永遠なんです
いつか声が出なくなる日が来る
いつか君...永遠とずっと
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歩き方より先に
僕らは言葉を覚えた
二人じゃなかった一人と一人の
言葉が距離を埋めた
自分のことすら知らないから
他人のことなんてわかるはずもなくて
言葉という言葉だけじゃ
言葉を語ることすらできないんだ
誰かの考えがわかるほど
器用に生きられない僕らが...言葉に
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電池切れで 音が鳴らない変身ベルト
一回も開かずじまいの 卒業アルバム
どれだけ大きくたって ろうでできた翼じゃ
太陽の高さまでを 辿ることはできなかった
歳を重ねても 大人にはなれない
遠く離れたつもりでも あの日からの地続きだ
義務教育に殺された 鏡の中のヒーロー
飛ぶために必要なのは きっと翼...自分以内
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自分のことを 許せない僕らは
他人からの悪口なんて とっくにしていた自己嫌悪
せめて道化のように おどけることができたなら
嫌われることに 怯える必要もなかったのかな
空は遠い 夢ほど遠い
きっと翼があっても 届かないんだろうな
人に笑われるくらいがちょうどいい 僕らの人生は
生きる理由とか意味とか...翼もない
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芯の詰まったシャープペンシル
切れる前になくしたミサンガ
幼い頃の不器用な粘土細工
反骨心が生んだ贋作
才能があると信じていた駄作の歌詞
この世界作り物みたい
だから壊れてしまうんだね
ビリビリに破いたチケット
使われることのないマグカップ
いつまでも減らないシャボン液...青
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心臓は君の内側で脈を打って
血液は君の内側を流れて
思考は君の内側を走るけど
心は君の思いをすべて
溜め込むには小さすぎるから
思いは君の内側に留めないで
外に飛ばさないと
その思いの名は
愛でも恋でも死にたいでも
夢でも情熱でも詭弁でも...内側
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昨日と代わり映えのない昼下がり
公園から無邪気な子供の声
僕はといえばエナジードリンクと
カップ麺入りの袋を下げ歩く
公園から逃げ出すボール
後を追う白いTシャツの男の子
その先の未来が見えた
トラックが迫っていたから
助けなきゃって心では思ったはずなんだ
思ったはずだったんだ...無題
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大量生産の工場 大気汚染
誰かの溜息を吸った
満員電車に圧迫された人生
世界は機械より無機質
夜空の星は見上げるくせに
誰も名前までは知らないから
有象無象と名付けられた
空は深藍にベタ塗り
心臓が止まっても歯車は止まらず
僕がいる意味はなんだろうか...代わる代わる
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人を殺そうと思った
別に誰でもいいから
もう何もかも嫌になって
とにかく何かを傷つけたかった
適当な民家を選んだ
小奇麗な少し大きめの家
3足の揃えられた靴
テレビの音と笑い声
明かりのついたリビング
高そうなスーツの男...人を殺そうと思った
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夕焼けも見えず灰色の空だ
雲のように浮かんだ言葉が
儚く消えて何年が経ったろう
小説なら心理描写だったろうけど
死にたくはないけど死にたいが口癖で
傘はあっても現実の雨に打ち伏せて
代わりにてるてる坊主が逆さに首吊った
無理すんなと嗤っていた
窓の中に雨が見える
閉じ込められた水槽のよう...雨は好きだった
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例えば明日死んだとして
家族や友達が泣いたとして
時が経てば日常に戻って
時々忘れられるんだろうな
欠けたネジは誰かが代わって
元通りに回してくれる
誰かの代わりはいくらでもいて
それは当たり前のことなんだ
これが宝探しだったら必要なのは
宝があるかないかじゃない...いらない人
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保育園の友達の名前
いっぱい遊んだはずなのにな
迎えに来てくれた兄の
おんぶの背の大きさや熱
上か下かで喧嘩した
二段ベッドの寝心地
優しかったおじいちゃんの声
写真とともに色あせる
初恋のあの子の顔
すれ違ってもきっと気づかない...霞む
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幸せなんて知らなければ 誰かを傷つけることはないのに
優しさなんて知らなければ 傷つくこともないのに
ぬくもりなんて知らなければ 誰かを求めることはないのに
愛なんて知らなければ 一人で生きていけるのに
どうして知ってしまうの
なら誰かに愛されるように
なら誰かを愛せるように
なら誰かを傷つけないよ...知の垢
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体育館裏叩かれた頬は腫れていた
教科書は破り捨てられていた
教室には席がなかった
叩かれてない内側が痛かった
ゴミ箱に弁当次の日は画鋲入り
母には美味しかったって笑ってる
好きも嫌いも隠さないから
刺さるむき出しの感情
痛い痛いって泣いていた
ここにいたくない...カタヌキ
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折り畳み傘を盗まれた
大きな黒いやつ
次の日雨が降りそうな曇り空で
傘は持たずに家を出て
結果雨に降られ
惨めに雨に濡れる中
せめて盗んだ奴を恨みながら歩いて
結局誰かを責めたかっただけなんだ
周りが嫌い世界が嫌い
なんて口走るのは...傘下の戦い