2
「おはようございます、カイト先輩」
学校の校門で出会った彼は、カイトに挨拶したあと、私にも向き直り
「メイコ先輩も、おはようございます。カイト先輩に付き合って朝早く、大変ですね」
「おはよ、レン」
「おはよう。別に大変じゃないわよ?慣れだし」
彼は鏡音レン。高校一年生で、カイトの後輩に当たる。一応の進学校である我が高校では高二の終わりに部活を引退してしまうので、私とは入れ替わりに入った形だ。バイオリンが大層上手いらしく、彼が入部したときは「凄い高一が入ってきた!」と興奮気味にカイトに報告されたのを覚えている。
自然上手い者同士集まる機会が多いらしく、カイトと良く一緒にいる私とも顔なじみとなった次第だ。彼にはリンという双子の妹がいるのだが、今はその姿はみえない。
それにカイトも気付いたらしく、
「あれ、リンちゃんは?」
と問いかける。
「アイツならなかなか起きないんで置いてきました」
「でも、彼女にも朝練あるんだろ?起こしてあげればいいのに」
リンは合唱部に所属している。天使のような歌声だと評判だが、いかんせん朝に弱い。
「ですけど、別に朝練に遅刻するのはアイツの責任であってオレじゃないですし。それに何度か起こしましたよ?起きないアイツが悪いんです」
「そっか……結構放任なんだね」
「当たり前です。アイツがオレに頼り切りになったら困りますしね」
あはは、とカイトが相槌を打つ。
「ていうか、こんなとこで喋ってると遅れますよ?」
「あ、そうだった。じゃあね、めーちゃん。また帰りに」
「失礼します」
「うん、朝練頑張って」
私は二人を見送って、教室へ向かった。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
めーいっぱい!
一緒に紅葉を見るのも
これで何回目?
まるでわたしみたいと笑う
あなたの声や顔を
もう何回もメモリーに刻んでいるよ
最初の記憶のころよりも
あなたは大人になって
わたしはマイクや服とかを
あたらしくしたりした...めーいっぱい!
紅 瞬華
1、
あたたかな今日だった
ぎゅっと走ってきたけど
かさねた0にうかぶ
なかまたちはいいえがお
あれからうまれた
きみと過ごした季節が
みてよ!さくらのき
かがやいてるよっ
どうにも思い出せないような日もあるね...0のうた
りりきち
ドレッシング
いつのまに
期待されなくなったの?
憧れの目をうけた日を
覚えている
飾られている私の歌声
上辺だけの賞賛あびて
気が付けば
「おとな」の姿をして
理想の大人に恋焦がれてる...ドレッシング
食パン丼
アラビアの夜
骨董屋の女主であるルカは口元に人差し指を立てて静かに語った。
「……ここだけの話よ。このコーヒーカップにはイワクがあって―――」
客は彼女一人、寒風が窓を揺らす中でルカは物騒な話を始めた。
メイコにしてみればこれから話す内容次第で目の前にある年代物のコーヒーカップを買うかどうかを吟...メイコちゃんカフェ 『アラビアの夜』
kanpyo
*3/27 名古屋ボカストにて頒布する小説合同誌のサンプルです
*前のバージョン(ver.) クリックで続きます
1. 陽葵ちず 幸せだけが在る夜に
2.ゆるりー 君に捧ぐワンシーンを
3.茶猫 秘密のおやつは蜜の味
4.すぅ スイ...【カイメイ中心合同誌】36枚目の楽譜に階名を【サンプル】
ayumin
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
幕が上がると同時に、観客達の【目】は彼女たちに...Crazy ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想