オルゴールは鳴るのです
昨日も今日も
夢見て叫び続けるのです

りんりんりりんと
ガラスのような音を鳴らすのです

透き通った音は
ドアをすり抜け
町へと下りていきます

黒がうごめく町に流れてきた
ただ一つの
透明な歌

色を忘れた人たちにとっては
甘い飴玉の唄

りんりんりりん
さようならの子守唄、だったもの
りんりんりりん
悲痛の叫び、となったもの

そのか細く悲しい音を聞くのは
年老いた椅子に
疲れ果てた時計
そして
白く、細く、ひび割れた
悲しい石たちです

りんりんりりん
りんりんりりん
晴れの日も
雨の日も
風の日も
オルゴールは鳴り続けます
ただただ自身を鳴らし続けます

りんりんりりん
静かに けれど人の様に
呟くように歌いあげ
客が来るのを待つのです

りんりんりりん
りんりんりりん

今日は嵐だ
風が急かすように窓を叩きます
負けじとオルゴールも声を張り上げます

早く来て
誰か来て
それだけで私は
永遠に歌い続けられるから

ぎぃ、という音がしました

あぁ あぁ やっと来た!

オルゴールは歓喜し
目一杯に音を響かせます

いらっしゃい いらっしゃい
中へどうぞ

客が一歩踏み出すたびに
椅子が揺れ
時計が鳴り
ただ黙っている石たちは
呼んでいる風でもあれば
警告しているようにも見えます

りんりんりりん
りんりんりりん

さぁ さぁ 聞いてよ
この歌を この声を
甘い媚薬の音色を

この嵐が止み
花が散り 雪が積もり
桜が踊り 向日葵が笑い
色めく世界を
貴方と私で飾りましょう
私は貴方のためにと
貴方は私のためにと
生きていきましょう

オルゴールは鳴り続けます
自分の音を永遠に聴き続ける人間が現れるまで
いつまでも自分と共にいてくれるものが

現れるまで

りんりんりりん



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ハーメルンの笛吹き

閲覧数:144

投稿日:2010/03/08 10:50:46

文字数:768文字

カテゴリ:歌詞

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