優しい傷跡-魔法の音楽時計- 第09話「クローバーのアリス」

投稿日:2009/02/01 10:47:30 | 文字数:2,901文字 | 閲覧数:775 | カテゴリ:小説

ライセンス:

【登場人物】
増田雪子
 帯人のマスター
 《黄色いハートのアリス》

帯人
 雪子のボーカロイド

灰猫
 「僕は灰猫」に登場する灰猫さん
 この世界を案内してくれる人

クレイヂィ・クラウン
 青いほうが、クラウン
 赤いほうが、ピエロ
 楽しいことが大好きな道化師

初音ミク
 現実世界では意識不明の状態
 この世界に巻き込まれて、狂気に落ちてしまった子
 ひとりぼっちのお城の中で暮らしている
 《緑のクローバーのアリス》

鏡音リン
 現実世界では意識不明
 この世界に一番最初に迷い込み、世界を作り上げていった
 自分自身も狂気に落ちてしまい人に襲いかかる

鏡音レン
 意識不明のリンの看病をしている
 発狂した彼女をひとりぼっちにさせないように、
 いつも付き添っている
 発狂したリンは決してレンを殺そうとはしない

【コメント】
〆切に間に合ったぁ……正直、疲れました^^;
まだやらなきゃいけないことがあるので、更新遅れたらごめんなさい。
書けるときに書きだめしておきます。

あ、どうでもいい話ですが。
○○日記を読みましたー♪
由乃ちゃん怖い!!(( ̄皿 ̄;)))ガクブル
ヤンデレの真髄を直視した気がしますww
その影響もあり、これから帯人君は「極ヤンデレ」傾向に走るかも
しれません^^
まあ、グロくならないようにがんばります!!

【曲紹介】
クレイヂィ・クラウン
 ニコニコ動画↓
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5016116
 ピアプロ↓
 http://piapro.jp/content/ca25xcjw2326dgnv

人柱アリス
 ニコニコ動画(本家)↓
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm3143714
 ニコニコ動画(参考にしているPV)↓
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm5483070

 歪Pは密かにピアプロにもいるそうです。

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TEXT
 

あー、どうしよう。
いきなり道は二つに分かれてしまった。
困った。
地図なんてもっていない。
片方は真っ赤な道。
もう一方は普通の砂利道。
腕を組んで突っ立っていると、頭上から声がした。
それは木の上からだった。

「きゃvvきゃvv」
「わー、わー」

なんだあれ?
見上げた先にいたのは、二人の道化師だった。
一人は真っ青。もう一人は真っ赤な色をしている。
仮面をつけてはいるが、青は男性で、赤は女性のようだ。
二人はひょいっと木から飛び降りる。
軽々と地面に着地すると、右手を左の胸に当てて丁寧に頭を下げた。

「お初にお目にかかります、ハートの初々しきアリス。
 我らが名はクレイヂィ・クラウン。
 青はクラウン。赤はピエロとお呼びくださいましッシッシ」

はーと? ありす? なんのこと??
動揺している私たちを無視して、二人の道化師は話を続ける。

「その様子、迷っているもよう。お教えしましょう。そうしましょう。
 真っ赤な道は、とらわれ奇人の牢獄へ。
 荒れた砂利道は、朽ちゆく姫のお城へ。
 さあ、さあ、お行きなさい。姫はお待ちだ。姫はお待ちだ」

「砂利道へ行けばいいんですよね?」

「はい、そうですとも。ですとも」

「どうして私たちにそんなことを教えてくれるんですか?」

「それは貴女がアリスだからですよ♪
 先日のアリスはひどかった。あの子憎たらしい小娘め。
 先々日のアリスもひどかった。あの狂いきった変質者め。
 先々せん日のアリスもひどかった。あの酔い潰れた奇人め。
 今度はもっと楽しめるはず。もっともっとおもしろいはず」

二人の道化師は、真反対の動きをしながら、再び木の上に飛び乗った。
その動きからすぐにわかる。彼らは人間じゃない。
無機質な仮面は「ニシシ」と笑いながら、お辞儀をした。

「それでは失礼♪しつれい♪」

二つの影は暗い森の闇へと消えていってしまった。
その様子はまるで子どもだ。
おもしろいことを見つけたときのように、無邪気にはしゃいでいる。
そんなイメージしか浮かばない。



私たちは言われたとおり、砂利道を選んだ。
すると、すぐに城が見えた。城門へ着くと、勝手に門が開く。
まるで誰かに見られているみたいだ。
けれど、使用人らしい人影は一人も見あたらなかった。
それどころか、城には人の気配さえしない。
階段を上り、上へ上へ向かうと、突き当たりに大きな部屋を見つけた。
重い扉を開けて中に入ると、そこには緑色のツインテールをした子がいた。
それ以外、誰も見あたらない。

「ようこそ」

落ち着いた声の子だった。

「貴女がハートのアリスね。私はクローバーのアリスなんだよ♪」

「ねぇ、教えて欲しいの。アリスってなに? ハートってなに?」

目を丸くする彼女。突然笑い出すし、もうなんのことだか…さっぱり。

「あはは、もう、びっくりした! じゃあ、教えてあげなきゃね♪
 アリスっていうのは、この世界に迷い込んじゃった子のことを言うの。
 ハートっていうのは、アリスのシンボルマークみたいなものでね、
 私はクローバー。その前の人はダイヤ。その前の前の人はスペード。
 そんな感じで、順番につけられていくの」

ふと、手の甲を見ると、いつの間にかハートのマークが描かれていた。
こすっても掻いても、とれそうにない。

「じゃあ、あなたも、書き手なの?」

「うん」

きれいなドレスに王冠をつけた彼女は、
スキップしながら雪子の目の前まで駆け寄る。
ドレスをたくし上げて、頭を下げて笑った。

「私の名前は初音ミク。この世界で「女王」をしているの」

「…どうして?」

「え?」

「書き手なら、どうしてこんなことをしているの?
 悲劇を書き換えて、みんなを助けてあげようとしないの!?
 なんで、こんな…夢の住人みたいに……」

「――《人柱アリス》」

ミクの笑顔が黒くなる。
その目はあざけるように、私を見下す。

「貴女も知ってるよね? この曲のこと」

知っている。すごく人気のある曲だ。
パズルのピースがはまるように、足りていないものが全てはめ込まれた。
そんな感覚が、私を包み込む。
……どうして今まで思い出せなかったんだろう。

「先輩として、いいヒントを教えてあげるね。
 この世界の悲劇はね、――この曲の運命なんだよ。
 知ってるよね? 歌詞」

覚えている。
スペードのアリスは、森の奥に閉じこめられる。
ダイヤのアリスは、撃ち殺される。
クローバーのアリスは、国の頂点に君臨する。
ハートのアリスは――、

「目が、さめ、ない、の…?」

「そういうことだよ。貴女に回避できるかな? あははは!」

私はミクの手を掴んだ。
ミクは目を丸くして、こちらを凝視する。

「早く逃げよう! 体が朽ちる前に、この夢から!」

ミクは笑った。可憐な笑みだった。

「どうして? 私は望んでここにいるんだよ?
 この世界なら、私は自由なんだよ? どうせ、現実に戻ったって同じ。
 ベッドの中で意識不明のまま眠り続けるだけ!!
 それなら、どうせ朽ちるなら、私はここに居続ける。
 私の夢の邪魔はさせないッ!!!!」

ドンッ。
ミクは雪子を突き飛ばした。

そのとき、ハッキリと見えた。
髪で隠れていてわからなかったけれど、そこには真っ黒な入れ墨があった。
イバラの入れ墨が、ミクの顔を浸食していた。

「ねえ、どうしてスペードのアリスは閉じこめられてるか知ってる?」

彼女の笑みは、可憐なのに怖い。
もうその目は正気を保ってはいなかった。

「私が閉じこめたんだよ♪ねえ、勘違いしちゃ駄目だよ?
 クローバーのアリスちゃん。私は貴女の敵だよ?」

灰猫が雪子とミクの間に立つ。
スッと手を出し、私をかばいながら言った。

「もうとっくに狂ってたんだ。行きましょう、雪子さん。
 残っているアリスだけでも、助けに」

その言葉を発した瞬間、ミクは顔を覆って泣き叫んだ。
身を裂くような断末魔。どうして泣き叫んだのか?
その意味が理解できなくて、パニックになってしまった私は
飛ぶようにして来た道へ走った。
灰猫もそれに続いた。



帯人も、同じように雪子の背を追おうとしたとき、

「ねえ、貴方」

あれだけ泣き叫んでいたミクは、意外にも冷静な口調で言う。
帯人は振り返ってうずくまる彼女を見た。
指の隙間から、爛々と輝く眼孔が覗く。
口元が歪んだ。

「―――You like her. (貴方は彼女のことが好き)
    However, does she like you?(しかし、彼女はどうかしら?)」

帯人の肩がビクッと震えた。

「あらあらどうしたの? 顔が真っ青よ?」

ミクは高らかに声を上げて笑う。
愉快な生き物を見て満足しているようだ。
帯人はすぐに雪子の背を追った。



種は、浅く。
根は、深く。
最後には、真っ赤な薔薇を咲かしてくれる。
きっとそんな花になる。

ミクは笑った。

【お休み中】

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「優しい傷跡」は三部作ですが、三部の途中で書けなくなりました。
続きは書けませんが、そこまでのお話は残しておくつもりです。
二次創作やら派生やらは、一言いただければ基本okです。
これからは何となく書いた歌詞を載っけていくつもりです。
よろしくお願いします。

帯人・がくぽ・ミクオ・欲音ルコが大好きです。

下から飛べますよ♪

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優しい傷跡
http://piapro.jp/content/7q5hqtkfhff7gpll

優しい傷跡 番外編
http://piapro.jp/content/prenayotf2qetyrj

優しい傷跡-魔法の音楽時計-
http://piapro.jp/content/p6xkwgja3thb4jvs

優しい傷跡-君のために僕がいる- (中断)
http://piapro.jp/content/3itb7ja54w5dp7y1

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作品へのコメント1

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    ご意見・感想

    こんばんは~!!
    待ってました!アイクルさんの作品!
    それにしてもどんどん曲が出てきますね(゜д゜)
    どれも素敵な(中毒になりそうなw)曲が多くて大好きになりました♪
    それに、物語と合いすぎですねwwう~む。。
    あ、あとヤンデレ帯人を楽しみにしてます★前よりグレードアップですかね?wえへ))黙れ
    でゎ。ゆっくりの更新でも、待ってるので!!また会いましょ~。

    2009/02/01 19:26:59 From  まにょ

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