「知ってる、また出たんだって!」
「知ってる、怪盗R!」
 学校はその話題で持ちきりである。
 その怪盗Rが自分たちの目と鼻の先にいるなどとは考えず、雑誌を開いて笑い合っている少女たちは、リンのクラスメイトだった。と、言っても、特別リンと仲がよいわけではない。可愛らしく歌も上手い、不器用ながらも一生懸命なリンの姿は男子からこそ人気があったが、同性からは点で人気が無かった。友人もそう多くない。
 双子のかたわれとは年度初めのクラス替えで別のクラスになってしまったし、このクラスでリンは半ば孤立していた。
 学校の成績はズタズタ、運動神経だけなら誰にも負けないでいられるのに、どうして勉強などしなければいけないのかと、リンは授業中に考えている。それ以外は、主に予告状の下書きをしている。先ほども書いたように勉強は苦手なので、よし、盗もうとおもってから慌てて書いては、おかしな漢字で書いて拍子抜けするようなことで、盗む前から間が抜けてしまっては格好がつかない。
 だからといって、頭のいい片割れに見せてしまっては自分が回答R打と言うことがばれてしまうので、ここは盗みの師匠である姉にちゃんと確認をしてもらう。
 ふぅ、とため息をついた。
「面倒くさいなぁ…」

「おい、また出たんだろ、怪盗R!」
「らしいね」
 他人事のようにレンは目線を本からはずそうとしないで、静かに答えた。
「また捕まえられなかったのかよ?」
「まあ、怪盗Rが予想以上に素早くて」
 言い訳ではないが、少なくとも自分の力がただの怪盗に劣るからではない、と言う主張を心の中で繰り返した。
 二年ほど前に現れた少女怪盗R。それまでは怪盗Mと名乗るものがいたが、その関係者であろう事はネーミングからしてもよくわかる。つまり、怪盗Rを捕まえられれば、関係者を芋づる式に引っ張り出すことが出来るのだ。
 いつかは捕まえてやりたいものだが、その犯行スタイルは全くといっていいほど隙がなく、怪盗Rの招待を特定できるような証拠は何一つ残しては行かない。そのへんもやはり、怪盗M直伝と言う奴だろうか。
 そんな頼れる師匠がいたならば、自分も既に怪盗Rを捕まえることが出来ているだろうに…。頼れない師匠を持った弟子の気持ちは誰にも分からないのだ。あとは自分を鍛えてどうにかしなければ、とレンは意気込んで授業に臨んだ。
 よく似た容姿の双子であるのに、授業態度も考えも、真逆になっていた。

 トタトタと二階からリビングに降りてきて、カイトは言った。
「めーちゃん、昨日も大活躍だったねぇ、怪盗R」
「そうね、ま、私がしつけたんだもの、失敗は許さないわ」
 アハハと笑ってメイコは真顔になった。
「でも、そのうちあの子も捕まっちゃうわよ」
「あの時のめーちゃんみたいに?」
「嫌なこと思い出させんじゃないの」
 軽く弟をにらみ、テレビへと視線を戻す。テレビでは前日に現れた怪盗Rについての特集をやっていた。今までに怪盗Rが盗みに入った場所の確認、今回盗まれたダイヤモンドについて、宝石を盗まれた家の主へのインタビュー等等。
 よくもまあ開きもせず、いつまでも同じ話を延々長々と続けられるな、とメイコは呆れの混じったため息をついた。何時の間にか横にはカイトがちょこんと座っている。
「…何よ」
「何が?」
「近いわよ。ちょっと離れなさい」
「いいじゃない、たまには。…んー、めーちゃん、いいにおいーっ」
 ぎゅうっと抱きついてくるカイトは、可愛らしい猫と言うよりか無邪気な子犬のようで、尻尾をしぱしぱとふっているように見えると、これがまた愛らしい。くんくん、ひくひく、鼻を動かしながら匂いをかがれていると、おかしな気分になってしまう。
 そのうち頬をぺろぺろとなめだすのではないだろうか。そうなる前に首輪でもつけて外の犬小屋に縛り付けておこうか、などと考えて、流石にかわいそうだ、と思い直してやめた。
 可愛いのも度を過ぎると鬱陶しいだけだ。…まだ、鬱陶しくはないけれど。
 勢いあまったときには押し倒してもくっついてくるし、いつでもめーちゃんと呼ぶし、料理は上手いし裁縫も上手だし、非力だし、男性的とは到底いえないようなカイトである。
「…カイト」
「なぁに、めーちゃん」
「…今日のアイス抜き」
「何でっ!?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

怪盗探偵 2

こんばんは、リオンです。
遅くなりましたが、今日の分です。
塾が合って遅くなりました、すみません。
カイトは猫より犬だとおもうんですよね。ものすごく気弱な犬。
ちなみに、双子は猫。犬をおちょくる猫。
めーちゃんは違うタイプの猫。強がってるけど、実は女の子らしい猫。
ルカは狼です。紳士的な狼。いつもは紳士的だけど、いざとなると狼に豹変。

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閲覧数:354

投稿日:2010/04/14 23:46:08

文字数:1,782文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

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  • lunar

    lunar

    ご意見・ご感想

    こんばんは。

    あれ?レンはリンが怪盗だって知ら・・・ない・・・?え、あれ?・・・・・・・・・あっるぇ?(しつこい
    えと、じゃあ、リンはレンが自分を追ってるって言うのは知ってるんですか?
    ・・・ん~、ややこしい・・・(失礼
    私は授業は割りとちゃんと聞いてますね。寝たりはしないけど、たまに頬杖ついて俯いてるから勘違いはされてるかも・・・知れないです。はい。

    これからどんな風に話が進んでいくのか、楽しみにしてますね。頑張って下さい!

    2010/04/15 20:01:45

    • リオン

      リオン

      こんばんは、lunarさん。

      レンはリンが怪盗だって言うのを知らないんです。はい。
      リンは知ってるとおもいます、多分。
      …ややこしいですね(お前が言うな
      すごいですね、ちゃんと授業気いてるなんて…。
      寝はしないですけど、何度か意識が跳んだことなら。先生曰く、「そういうのを寝ているというんだ」。

      これからも頑張りますよーっ!!

      2010/04/15 21:10:20

  • 紗央

    紗央

    ご意見・ご感想

    どーも!!
    読ませていただいてます☆
    めーちゃんは一度捕まった事があるのかな・・?
    それにしてもめーちゃん。アイス抜きにしたら
    カイトが死んじまうがな。

    授業真面目にうけるってww
    レンえらい・・
    やっぱ、リンちゃんみたいなのが普通なんだよ←
    自分は喋ってるか落書きしてるかです(聞いてねぇ。

    続き楽しみにしてますよー!!

    誤字?だと思います↓

    「怪盗Rだと」「回答R打と」
    上から14行目の所です(*_*;
    もしかしてのわざとですか・・??

    2010/04/15 17:42:45

    • リオン

      リオン

      どうも!紗央さん!
      めーちゃんは…捕まった!(言うなって
      め「しにゃあしないわよ。一日や二日で」
      レ「めーこ姉ー。カイト兄の部屋から腐臭が漂ってくるー」
      め「…」

      確かにレン君すごく偉いですね(笑
      私は漫画かいてますよ。先生に見つかって苦笑いしておきました。

      続きも頑張ります!!

      あ、誤字脱字は心の目で修正しておいてください。
      多分、一回の投稿に着き一回はあるとおもうので。すみません(汗

      2010/04/15 19:43:03

  • 華龍

    華龍

    ご意見・ご感想

    こんばんは!!
    双子って普通の学校なんですか~!!!
    なんか、怪盗や探偵の養成学校みたいなのに通ってるかと思っちゃいました!!!(そんなとこあるか!!
    あ!!2人ってお互いのこと知らないんですね?!!だから普通の家族として接せられるんですか~。
    しかし、自分の姉達や自分の弟が敵って知っちゃったらどうするんでしょうね~??
    それ以前に、双子達の両親はどうやって出会ってどうやって素性を隠して?子供達に受け継がせたんだろうか…??
    ダメだ!!今回も、謎が多いです!!気になる~><
    過去のめーちゃんに何があったんだろう?!!
    カイトに首輪…それ、いいね!!!ww(゜∀゜)b
    私なら首輪がギリギリ伸びる距離+カイトの手の長さより遠い所にアイス置いときますね!ww

    確かにカイトは弱い犬ですよね~。双子も猫っぽいですね^^
    めーちゃんも猫っぽいです。気品がありかなりしなやかな大人っぽい感じ!!
    ルカ!!私もオオカミだと思います!!本当冷静で内にかなり熱く強いモノを持ってる感じです!!

    明日も続き楽しみにしてますね!!それでわ!!

    2010/04/15 03:32:04

    • リオン

      リオン

      華龍さん、こんばんは。
      普通の学校ですね。
      探偵と怪盗が通う学校…、正体ばれちゃうじゃないですか(汗
      そうですね、案外ケロッとしてるかも知れません。
      レンはリンに騙されてたって言うのが悲しくて落ち込むかもしれませんが…。
      両親は知ってるんですね、きっと。…両親誰なんだろう。
      めーちゃんは…捕まった!(言うな
      カイトに首輪…。ちょっと鼻血が止まらなくなってきました(変態が
      私ならつるしておきますけど。寧ろアイスしか与えません。…腹壊せばいいのに(待て

      いっつも尻尾が下がって情けない犬ですよね、きっと。
      案外気分やなカンジもありそうだなぁとおもいまして!
      ルカさんは酔うとめーちゃんを押し倒してでもセクハラするくらい壊れるとおもうんです(ぇ

      今日も頑張りますね!

      2010/04/15 19:38:44

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