アイスを目の前にする時よりももっともっと甘い、蕩ける様な顔で言う。

そのたびに私の中の何所かが音を立ててひび割れていく。
あるいは、真綿に包まる様な優しい夢から唐突に覚めてしまうような錯覚。

それは怖い夢を見るよりよほど酷いと思う。
例えるならそれくらいの衝撃。


「めーちゃん」
「っもー、カイトくんったら!お姉さん愛されて困っちゃうじゃないのよ。」

やーね、なんて。
ビール缶片手に、見た目ほど薄くない肩をばしばし叩く。
その指先が震えて止まらないなんて、絶対に知って欲しくないし、知られてはいけない。



だって、

(怖い、なんて)
それじゃあまるで、何かに脅えて縮こまる弱い人みたいじゃない。





****
私はそんなんじゃない。
(だから何度も言わないで、)

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  • 非営利目的に限ります

少年ブライオニーの戯言

カイメイ。
CP要素含、苦手な方はご注意。

溶けてしまいそうな低音アルトで、崩れて落ちる私の何か。

閲覧数:360

投稿日:2008/09/18 23:34:37

文字数:347文字

カテゴリ:その他

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