[S]
月が冴え 虎落笛(もがりぶえ)の響く夜 夢結ぶこの浮世
星の入東風(いりごち)従えて
現れたるは紺碧 人ならざる者
[A]
追儺(ついな)で追われた 鬼思わせるそのお方
欄干から見たその姿 嘘に塗れた女は なに思う
[B]
笑み浮かべた鬼 ふうわり浮いて 目の前に降り出でん
笑面夜叉(しょうめんやしゃ)を貼り付けて 薫るは六花(りっか) 雪華(ゆきはな)か
[S']
刹那一夜(ひとよ)の逢瀬 交わした言葉も数えるほど
碧鬼に魅入られた籠の蝶 『また見えよう』(まみえよう)
甘言に捕われた立羽蝶
今宵も艶やかに翅広げる
[A]
花魁道中 蝶思わせるこの姿
道行く男を虜にし 瞳揺らす女は なに思う
[B]
池魚籠蝶(ちぎょろうちょう)の身 じわり滲むは 春の雨と言い聞かせ
二人静を見て一人 薫るは残花 雪華か
[S]
月朧 雪溶けが響く夜 夢結ぶこの浮世
春の星星従えて
現れたるは紺碧 人ならざる者
[S']
刹那一夜(ひとよ)の逢瀬 交わした言葉も数えるほど
碧鬼に魅入られた籠の蝶 『共に行こうか』
甘言に捕われた立羽蝶
今宵艶やかに翅羽ばたかす
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