「え、出ちゃった？って、何が？」
テトさんに続いて、レイムさんも目を丸くして、尋ねた。

ぱみゅちゃん、りりィさんも、そろって紙魚子さんの顔を見る。

2×4=8。八つの目に見つめられて、さしもの紙魚子さんも、ちょっとタジタジとなった。

「ニコビレ」の一室には、早くも不思議な雰囲気が漂いはじめたようだ。

●魔の会社なんです…！

「あ、ごめんなさい。あくまでもアタシの感想です、出ちゃったというのは」
ちょっと引き気味に、彼女は笑いながら言う。

そう言って、彼女は肩にかけていたカバンから、iPadを取り出した。
「ほら、皆さん、こんなところ、ご存知ですか？」
彼女が開いた画面のサイトには、大きくこう書かれていた。

『ここは“月光企画”のページ』

のぞきこんだレイムさんが、不思議そうに声を上げる。
「げっこう・きかく？…何ですか、これ」

紙魚子さんは、意味ありげに笑って答えた。
「はい、ここが、“魔の会社”なんです」…

●ベーリー・グーですネ！

さて、その頃。

冬の風が寒い、幕張メッセのイベント会場。
折しも、大きなイベント「ワンダーランド・ショー」が開催中だ。

手作りのフィギュアや、“ガレージキット”を販売する、サブカルチャー系の人気イベント。
会場にはアマチュア、プロ、いろんなブースが軒を連ねていた。

その中に、なかばうずもれるように設置されたブースがあった。
知らない人なら、通り過ぎてしまいそうな小さな小間の出展。
でも、そこにちょっとした人だかりが出来ていた。

「かわいいね」「いいじゃん」「いいね、これ」
口々に、つぶやくようにして商品を買っているお客たち。

「はいはい、ありがとうございます」「いらっしゃいませ」
ブースの売り子さんは、てんてこ舞いだ。
その横で、ニヤニヤと笑いを噛み殺す、ちょっと場違いな1人のオジサンの姿があった。

それは、ハミングスの、れおんさんだった。

彼はつぶやいた。
「イーデスネ。ヲタクさんたちの反応、ボーノ！　ベーリー・グーですネ！」ъ( ゜ー^)

ライセンス

玩具屋カイくんの販売日誌（221)　ドール、販売合戦開始！

tamaonion

今年１回目の「カイくん」です。本年も、よろしくお願いいたします！

投稿日：2014/01/13 20:42:32

文字数：871文字

カテゴリ：小説

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ご意見・ご感想

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enarin
ご意見・ご感想
こんにちは！

とりあえず、

> 月光企画

もう、なんというか、怪しさ１００００００％位の会社です～?

いい方向なら、占い系、悪いのなら・・・・・

> イベント”ワンダー～”

いわゆる、リアル世界の”ワ○フェス”ですね！　エスカレーター事故以降、ビックなんちゃらから幕張に移っちゃって、とても自宅から朝一でいけないので、ここ数年、サイトやSNSからの情報だけになってます。でも、３Ｄプリンターが安価になっている関係で、実はフィギュアやガレキの原型を作るのが、だいぶ簡単になっている関係で、ちょっと盛り返してます。

昔は、グラインダーで削って、原型を作っていかないとならなかったのですが、いまや、ＰＣで３Ｄデータを作り、それを３Ｄプリンターで出力するだけで完成にもできる（よりよい商品用の原型を作るためには、やっぱり業者に３Ｄデータを送って、業者のマシンで出力しないと話にならないんだけどね）。

> れおんさん

この方、イキイキしてますね～。リンちゃんは、確かにヲタク系の方には特に人気があるのかも…。

ではでは～?
2014/01/30 15:03:31
- tamaonion
  enarinさん、感想をありがとうございます。
  
  > 月光企画
  
  >もう、なんというか、怪しさ１００００００％位の会社です??
  
  >いい方向なら、占い系、悪いのなら・・・・・
  
  雑貨の業界では、ヒットしたあとに、裏話を聞くと、あ、あそこが関わってたの？みたいのが、たまにあります。
  狭い世界なんですけど、たまに、訳わからない事もあったり。
  
  そんな感じを出してみたいと思いました。
  それって、ゲームや、アニメ・漫画の世界でも、きっと同じなんでしょうね。
  
  ＞エスカレーター事故以降、ビックなんちゃらから幕張に移っちゃって、とても自宅から朝一でいけないので、ここ数年、サイトやSNSからの情報だけになってます。
  
  そうですね。あのエスカレーターの事故は、記憶に新しいですね。
  それまでは朝一で行かれてましたか？さすがですね。
  ○○ダッシュ、なんて言葉もありますよね。
  幕張では、ちょっと遠いですもんね。
  
  また感想を聞かせてください。
  では、また。
  2014/02/02 20:24:42