■恋人が不治の病にかかり、彼女を病の苦しみから解放するため手に掛けたレンさん。
 殺人罪で流罪となるも、其処に後悔は残っていません。
 愛しい彼女がそれを望んだのですから、彼が後悔する事などある筈もないのです。
 けれど何故でしょう。彼の瞳からは涙だけが流れてくるのでした。

■「草」は彼女の比喩です。
 心を忍ぼうとも、君の事を忘れようとも、どっちも無理だぜチクショー的な冒頭です。(台無し
 ――此の俗世を偉業とするならば 自身は異形
            正しさ等とうに尽きている――
 彼女を救う事が「正義」でなかったとしたら、この世の正義とは一体何なんだろう?と考えてみたり、
 ぽっかり心に穴が空いてしまったように、顔こそ笑えるけれど、涙が止まらない。
 そして、あぁ、最後に、会いに来てくれたんだね!君は!と、自分で作り出した幻の彼女に「笑っておくれ」とせがみます。
 どうしようもなく彼女を愛して、救った、罪人のおはなし。


■イメージは森鴎外の『高瀬舟』だったりします。
 元々は兄弟ですけどね!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

島流し

島流し

作詞:泡の人


移ろう時には 忘れ草
虚ろいて待つ 忍び草
「無くす前に摘んでしまえ」
ぽつぽつと 独り嘆く
今は未だ 草は枯れぬと云うのに

揺れる風を魔とせん
此の俗世を偉業とするならば 自身は異形
正しさ等とうに尽きている
否する浮き船 没する事なく滑り続け
向かうは何処

一縷の奇跡偲ぶれど
流れ遠ざかるいとしき夢

移ろう世界は 唯の無情
虚ろな眼に 求めた哀
「無くした後は亡くしてしまえ」
さらさらと 独り笑う
今も未だ 涙は涸れぬと云うのに

迷い深き霧吹雪
景色変わらぬ其の水面
雪の如き冷たさは身を貫けど
あの草更に あはれと見ん

移ろう時には 忘れ草
虚ろいて待つ 忍び草
「無くなる前に笑っておくれ」
しとしとと 一人泣く
今は未だ 草は枯れぬと云ったから

閲覧数:150

投稿日:2008/07/18 08:25:57

文字数:460文字

カテゴリ:歌詞

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