「・・・・・・」
「・・・・・・」
「何で・・・こんな事になってるのかな、レン君よ・・・」
「そんなの俺が知りてーよ・・・」
・・・・・・・・・・・・
再び二人の間に静寂が訪れる。今はもう授業の始まっている時間の筈だ。なのに、二人が現在いる場所と言えば、
「何でよりによって先に案内する場所が屋上なのよ」
「・・・・・・」
屋上、だった。
話は今から数分前に遡る。一時間目の授業は国語(現代文の方)で、入ってきたのはこのクラスの担任の先生だった。先生は入ってくるなり、レンとリンの方を見て、ただ呆気なく
「そう言えば鏡音さん、まだこの学校の事、慣れてないのよね。よし、鏡音君、君、案内してきてよ。幼馴染だったみたいだし、親しい仲の人と一緒に行く方が鏡音さんもい良いだろうし、幸いもうすぐ夏休みだからそんなに授業やらなくても大丈夫だしね。うん、よし、決定。私が許す。つか、行って来て、つーか行け!」
・・・とまあ、そのままリンとレンは教室を投げ出される形でレンはリンの案内役を勝手に買わされたのだ。・・・憐れ。
「・・・何、あの先生・・・。良くあんなんで教師やってられるね・・・」
「言うな、リン。それは皆、暗黙の了解なんだから。意外とあの人、この学校での権力、あるぞ」
「マジ?」
「本気と書いて、マジ」
「・・・」
「・・・」
「じゃ・・・行こっか・・・」
「そうだな・・・。んじゃまずは・・・」
そして、上記に戻る。
「・・・で、何でよりによって先に案内する場所が屋上なのよ」
「・・・ノリ?」
「殴られたいか」
「冗談だよ、冗談」
フゥ、と肩を竦め、リンは空を仰ぎ見た。綺麗な青空が広がっている。手を伸ばしても、届かない、掴めない、遠く、遠くにその空はある。
「こんな日、だったよな」
「え?」
不意にレンが口を開く。リンはレンの方を見る。昔と違う、もう男の人、と言っても良いかも知れない、けれど何処か幼さを感じる横顔を、リンは見つめた。
「リンが引っ越してった日さ、こんな風に晴れ晴れしてて、空は綺麗で、俺には残酷な位に、綺麗に見えた」
「残酷・・・?」
そのレンの物言いにリンは首を傾げる。確かにリンが引っ越す日、空は今の様に晴れていた。けれど、その時のリンは残酷だとは思わなかった。ただ、引っ越す時にその空が、切なくなる位晴れていて、泣きたくなったのを覚えている。
「リンが、いなくなるなんて、考えても見なかったからな」
「・・・っ!?」
思わず、カァ、と顔が熱くなる。レンは狙ってなどいないのに、恐らくは、リンの事を唯の幼馴染だと考えているだろうに、其れでも、その言葉に、リンは思わず顔を赤くした。勿論、その事をレンが知る筈も無い。何故、リンが赤くなっているのか、その理由さえ、彼には分からない。
「ずっと一緒にいて、ずっと傍にいて、ずっと一緒に遊んでいて、大切な、友達―幼馴染がだよ?急にいなくなる、なんてさ。その時の俺には途轍もなく大きなモノだったんだよな」
「そ・・・か」
フ、と視線をレンから外し、再び空を見る。やっぱりな、分かってたのに、君の言葉で一喜一憂してしまう自分が、ちょっと嫌いだ。
「でも、」
クルリ、と向きをリンの方に向け、レンは微笑んだ。昔の様な、満面の笑みではないけれど、柔らかく微笑んだ、その顔を。
「帰ってきて、嬉しいよ。リンが帰って来てくれて、俺は嬉しい」
「・・・っ。・・・で、でも別にあたしはレンの為に帰って来た訳じゃないんだからねっ!お、お父さんの転勤の都合で帰ってきただけなんだからっ!」
少し慌てた様なリンの反応を今更不思議がる訳でもなく、レンはクスリ、と笑うと、「ハイハイ」とその場は流した。
「・・・で、次は何処行くの?」
「ん・・・そうだな・・・」
コメント1
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ご意見・ご感想
流華
ご意見・ご感想
リン………。もう、ツンデレでいいじゃないですか。
学校探検………。一年生の時やりましたよ。部活中に………。
どうでもいいですね。無視してくださって結構です。
レンの言葉が一番残酷だと思う。(黙れ。恋愛感情知らない奴が
だって、好きな人にあんな中途半端なセリフ言われたら(>_<)
リン、ふぁいとーっ!!!
次も楽しみにしてます!
2010/05/18 19:26:12
lunar
こんにちは。お返事遅くなって申し訳御座いません!
リン、ツンデレで良いですよね。書けないけど(←
学校探索・・・中学も高校もちょっとやったっきりですね。屋上行けないのが悔しい・・・。自殺防止だそうですけど。
まあ、やっぱレンの言葉は残酷ですよね。しょうがないんだ、レン鈍感だもの(←
でもリンの事気にしてはいるんですよ?幼馴染とかじゃなくて。
次も楽しみにしてて下さい!頑張ります!
2010/05/21 14:42:13