INTERMISSION1 L-mix
「はぁ……」
なんとか寝たままのカイトをソファに横たえて、ルカはため息をついた。
(私、いったいカイトの何なんだろ)
カイトが好きだったのは、ミクだった。ならばルカは、一体カイトにとってどんな存在だったというのだろうか。
自分よりもミクの方が好きだったというのなら、なぜカイトはルカの告白を受けることにしたのか。今まで過ごしてきた日々は何だったというのか。カイトの「好きだ」という言葉は、あの口づけは、あの抱擁は本心ではなかったというのか。
写真立てを掴むと、ルカは素足のままでベランダに出る。
まだ雨の降り続く夜空は、どんよりとしたルカの心境を表しているかのようだった。
部屋の電気をつけていないせいか、階下に街灯や店舗の看板が見える外の方が明るく感じられる。ルカは雨の降り続く夜空を振り仰いで、写真立てを握りしめた。
カイトとルカ、そしてミクが写っている写真。カイトとミクもこの写真を持っている筈だ。まさか無くしてはいないだろう。二人はこの写真を見て、どう思うだろう?
あの頃、カイトと付き合うようになる以前の方が、ルカはここまで精神的に追い詰められてはいなかった。カイトの言葉を疑うようなこともなかった。カイトの態度に不安になるようなこともなかった。ついさっきのカイトの言葉も、あの頃のルカならば、酔ったカイトの戯れ言だと分かった上で、彼を振り向かせるために意地悪な文句を告げることさえ出来ただろう。
だが、今はもう。
(私達は、あの頃に戻ることは出来ないのだろうか?)
答えは返ってこない。
小降りになってしとしとと降り続く雨が、ルカの長い髪を、漆黒のドレスを濡らし、体温を奪っていく。写真立てを握りしめていた手から、次第に力が抜けていく。
ルカの手からこぼれ落ちた写真立てが、軽い音を立てて床に落ちる。
写真に写るカイトの微笑みが。自分のぎこちない表情が。ミクの屈託のない笑顔が。そのどれもが、今のルカを責めているように感じられた。
「私、は――」
ルカは自らの顔を両手で覆うと、声もなく、涙もなく、それでも雨に打たれながら静かに泣いた。
ACUTE 8 ※2次創作
第八話
ラスト前、間奏部をお届けします。
視点の関係上、間奏は2話に分けることにしました。
一応、この間奏部2話とラストのサビが2話で完結の予定です。
最期までおつきあい頂ければ幸いです。
「AROUND THUNDER」
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