わたしは三毛猫 名前はまだない
夜が明ける時間 ご飯にさそわれ
甘える声さえも 出せないままに
青い箱のなかに 閉じ込められた
わたしはトラ猫 名前はまだない
まどろみの時間 おもちゃに誘われ
毛づくろいさえも 終わらないままに
赤い箱の中に 閉じ込められた
生きているのか 死んでいるのかすらも
開けてもらわなきゃ 何にもわからない
愛しい鳴き声も 透き通るような骨も
そのどちらさえも 証明に要るのです
ぶちの猫 屋根の上 屋根の上 歩く
さびの猫 塀の上 塀の上 歩く
灰色猫 生け垣の隙間 くぐり抜けて
黒い猫 闇の中 瞳赤く ひかる
はちわれ猫 屋根の上 屋根の上 歩く
くつした猫 塀の上 塀の上 歩く
ぶちの猫 生け垣の隙間 くぐり抜けて
黒い猫 闇の中 瞳赤く ひかる
わたしは白猫 名前はまだない
集会の時間 首根をつかまれ
お別れの言葉も 言えないままに
銀の檻の中に 閉じ込められた
わたしは黒猫 名前はまだない
日の落ちる時間に 追い立てられて
文句のひとつも 言えないままに
黄金の箱の中に 閉じ込められた
ここのつの命の これは何番目なのか
王様でもなきゃ 誰にもわからない
抜け落ちたヒゲも 先から欠けた爪も
わたしが生きたという 証明に要るのです
白い猫 屋根の上 屋根の上 歩く
かの人の 影を追って すべて飛び越えて
白い猫 塀の上 塀の上 歩く
かの人の 影を探し すべて見渡して
黒い猫 屋根の上 屋根の上 歩く
愛しい人の 影を追って すべて飛び越えて
次の命で どんな毛皮 まとうとしても
だいすきなひとの姿 探してるよ いつも
並行して進む 世界の中のひとつ
重なる次元を 右から左へ
すべての空間を 渡り歩くわたしは
あなたの研究の 証明に要るのです
(ニャーオ)
ぶちの猫 屋根の上 屋根の上 歩く
さびの猫 塀の上 塀の上 歩く
灰色猫 生け垣の隙間 くぐり抜けて
黒い猫 闇の中 瞳赤く ひかる
はちわれ猫 屋根の上 屋根の上 歩く
くつした猫 塀の上 塀の上 歩く
ぶちの猫 生け垣の隙間 くぐり抜けて
黒い猫 闇の中 瞳赤く ひかる
黒い猫 屋根の上 屋根の上 歩く
愛しい人の 影を追って すべて飛び越えて
次の命で どんな毛皮 まとうとしても
だいすきなひとの姿 探してるよ いまも
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