テト・ドール人形の、目玉が動く?

マスターの言葉に、テトさんと霧雨さんは思わず、人形をのぞき込んだ。

しかめ面をして、しばらく見続けていた霧雨さん。
しかし、人形に変化はなく、諦めたように顔を上げた。

「ぜーんぜん、動かないじゃない。ホントに動いたの?マスター」
そういって、疑わしそうに、彼を見つめる。

「あたしたちを、担ごうとしてるんじゃないのォ」
霧雨さんは、口を尖らせて言った。


●この前も、同じようなことを!

「いいえ。そんな。確かに動いたんですよ」
マスターの吉さんは、困ったように首をかしげた。

ふたたび、グラスを磨き始めながら言った。
「ボクが霧雨さんたちをダマしても、何の得にもなりませんヨ」

「そうかしら? テトさん、動きました?」
彼女は、テトさんの方を向いた。

すると、意外なことに、テトさんは真剣な顔をして、人形を見つめて黙っている。
その様子が、妙に真面目なので、マスターは気にして声をかけた。
「あれあれ、テトさん、そんなに気にしないで下さいよ。ボクの気のせいかも知れないし」

テトさんは2人の方を向いて言った。
「あ、平気平気。でも、やっぱり気になるの。実はね、この前も、同じようなこと言われたんだ」

「え?」
霧雨さんとマスターが同時に声を上げた。


●その人、変わった力が…

「うん、ニコビレでね、この人形の目が動いたって、言われたのよ。ルナさんに」
テトさんは、自分のテト・ドールをのぞき込んで言った。

「おや。ニコビレで?」
「うん。この間。たしか、“てんわ”の2人と、あと紙魚子さんっていう人と、話をしてた時かな」

それを聞くと、マスターはグラスを拭く手を止めて、また首をかしげた。
「紙魚子さん…ひょっとして、インテリアの仕事をしてる、兎論紙魚子さん?」
「ええ、そうよ。マスター、顔が広いわね」

言われて、彼は驚いたようにつぶやいた。

「その人、何か、不思議な噂がある人なんですよ。なんでも、“変わった力”を持ってるらしい、なんて」「(゜ペ)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

玩具屋カイくんの販売日誌(211) テト・ドール in つんでれ

マスターの情報。いったいどんなことなんでしょうか

閲覧数:75

投稿日:2013/09/29 12:21:38

文字数:862文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は♪

    にゃ、にゃんと! 紙魚子さんの不思議な力! なるほど! あのときのエンカウントで! これは楽しみです!

    しかし、テトさんも不思議な力、持ってますよね! そもそもエイプリルフールで作られた、3i……でキメラで…。でも、公式が認めたキャラになって、UTAUの筆頭だし。

    不思議な方です。ではでは~♪

    2013/10/16 22:36:48

    • tamaonion

      tamaonion

      enarinさん、感想をありがとうございます!

      >にゃ、にゃんと! 紙魚子さんの不思議な力! なるほど! あのときのエンカウントで! これは楽しみです!

      覚えててくれましたか!
      普通の日常にオカルトが日常的に?出てくる、ふしぎワールド。そんなのがあると楽しいですよね。

      >しかし、テトさんも不思議な力、持ってますよね! そもそもエイプリルフールで作られた、3i……でキメラで…。でも、公式が認めたキャラになって、UTAUの筆頭だし。

      考えてみると、すごい設定ですよね。確か、偶然性をもとに決めた、アヴァンギャルドな設定だと思います。
      3人娘というくくりがあって、2人のかたは割とノーマル?なんですが。
      不思議なキャラですよね。

      またぜひ、感想を聞かせてください!

      では、また。

      2013/10/17 21:59:13

オススメ作品

クリップボードにコピーしました