今日も、空は綺麗だ。

こんにちわ、私の名前はめぐっぽいど。知ってる人は知ってると思うけど、お天気キャスターのお仕事をしています。それで今、青い空を見上げながら、VCL放送局に向かっているところなんだー♪
「あ、なんか見たことある顔でござるな」
「・・・相変わらず、侍というよりは忍者のような気がする。がくっぽいどくん、おはよー」
「おはよーではなく、おはようでござるよ。それに拙者は忍者ではなく、れっきとした侍でござる!!」
「・・・やっぱり忍者だよ、がくっぽいどくん」
VCL放送局がある道の途中で、私の同期のがくっぽいどくんと出会った。がくっぽいどくんは、口調が怪しくてさらに格好も怪しすぎる、ほんとに怪しい人なんだけど、結構律儀に声をかけてきてくれる優しい人・・・である。多分。
「がくっぽいどくんも、収録?」
「いや、拙者はもう収録終わったでござる。グミは・・・お天気番組でござるか」
がくっぽいどくんは、なんか知らないけど私のことをグミって呼ぶ。・・・別に名前はいいんだけど、私を見つめる視線が怪しすぎるのは、私の気のせいなのだろうか・・・。
「そうだよ。・・・といっても、まだ30分ぐらい時間はあるけど」
私が担当する『朝のぐっさんお天気』というお天気番組は、午前6時から。今は、まだ5時30分だ。
「そうでござるか。もしよかったら、拙者の家にk「丁重に、お断りしまーす」・・・」
私が口を挟んで断ったので、何やら傷ついたような目でこっちを見てくるがくっぽいどくん。
「・・・だって、1回行ったから・・・ね?」
「・・・そんなに、拙者がきらいでござるか・・・」
「いや、きらいじゃないけど・・・」
う、なんか気まずい空気。がくっぽいどくんは、全てが怪しい人だから、・・・なんだかなぁ。
「・・・じゃ、好きでござるk「あ、もうこんな時間! がくっぽいどくん、またねー!!」
言葉を続けようとしたがくっぽいどくんを、思いっきり遮った私は、手首につけてた腕時計を見て走り出した。・・・ほんと、こういう時は、逃げるが勝ちってね♪
後ろから、がくっぽいどくんが何か言ってるのが聞こえたけど、無視してそのままVCL放送局の中へと駆け込む。
「はぁー・・・。・・・全く、朝から疲れるぅ・・・」
入口付近でうめく私に、
「はれー? めぐちゃんじゃないかー」
「ん・・・? ・・・あ、ガチャガチャくん!」
近づく小さな怪獣の姿を見て、私は一瞬首を傾げた後、すぐに思い出し、笑顔で手を振った。
「どうしたー? なんか疲れてる気がするけどー」
「ええっとね、さっき、がくっぽいどくんに会って「あー、あの怪しい人だねー、食べたいー。けど、子供の方がおいしそうー」・・・」
ちなみに、私はガチャガチャくんと呼んでいるが、本名はガチャッポイドという。彼は、幼い容姿をしている可愛らしい男の子だが、中身はちゃーんとした怪獣で、なんでも赤い毛むくじゃらな相棒と・・・言えない。人間食べてたなんて言えn・・・って、言っちゃってたね。
「どうしたー? ずいぶん黙りこくってたけどー? ・・・もしかして、僕に食べてほしいだなんて思ってたの?」
ガチャッポイドもといガチャガチャくんが、私の顔を覗き込んでくる。可愛らしい瞳と目が合って、少し心が揺れ動・・・かないもん! 絶対!!
「そんなこと、思ってても、口には出さないよ」
「・・・んー? 僕、冗談のつもりで言ったんだけどー?」
「え? ・・・って、あああっ!?? 私、私・・・」
「何ー? え、もう覚悟決めたー? じゃあ、ボクの胸においでー」
「キャスター同士の仲は、普通だよ!」
なんかこの場に居たたまれなくなった私は叫んで、エレベーターへと走り出す。後ろで、
「・・・ボクに食べてほしい時は、いつでもおいでよー」
と、聞こえた気がするのは、多分気のせいだ。絶対の絶対。
運よく開いていたエレベーターに、なりふり構わず駆け込み、冷静になったのは3秒後。
「あっ・・・」
エレベーターのボタン近くにいた青い人を見て、思わず声をあげた私。
だって、この青い人は・・・、
「マスターラブで、そして玉砕した青い人ー!」
「・・・失礼ですね、お天気キャスターさん」
・・・ありゃ、なんか傷つけちゃったかな? まぁ、いっか。ほんとのことだし。
「あの、そのマスターさんとは、どこまでいったんですか?」
せっかく本人と会ったのだから普段、噂の種になっていることは聞きたいものだ。というわけで、早速、たずねる。
「・・・それは、聞かないでくれますか?」
うわ、すっごく切なそうな表情で微笑んでる。なんか、こっちが悪いような気になってきた。
「・・・すみません。だって、気になっちゃって・・・」
「別に、いいですけど」
「・・・あのぉ、何で、青い人の方が年上なのに、私に敬語使うんですか?」
最後に気になっていることを聞いてみる。
「・・・・・・それは、マスターが向こうの世界で敬語を使ってるからですよ」
そう答える青い人の表情が、ほんの少し、ほんの少しだけ、嬉しそうに見えた。・・・私の気のせいだろうか。
「・・・・・・」
なんとなく、私は言葉が出てこなかった。その時、心の中で、これまたほんの少しだけ何かが変化したことに、私は気づかなかった。気づいてなかった。
「それじゃあ、僕はここで。・・・頑張って下さいね、お天気キャスターさん」
そう言い残して、ドアが開いたエレベーターから青い人は立ち去ろうとする。
「あ・・・」
「どうしました?」
「あ、いえ・・・」
何で、青い人の腕を掴んでしまったんだろう。それで、何で、青い人の腕を・・・離せないんだろう・・・。
「・・・すみません」
腕をやっとの思いで離して、私は謝った。
「・・・今度、僕のマスターに会っていただけますか?」
「・・・・・・え?」
「いいですよね?」
「あ、・・・分かりました」
驚いた表情で頷く私。・・・だって、そんな笑顔で言われたら・・・断りづらいもんなぁ。
「じゃあ、今日の夜7時ぐらいにVCL放送局の1階のロビーでお待ちしてて下さい。僕が迎えに行きますので」
「えええ・・・? 何ですか、もしや家におじゃまするってわけじゃ・・・」
「その通りですけど、それが何か?」
それが何かって、そんなの、そんなの・・・
「私、こんな青いのに、恋心も何も無いですから!」
「・・・とにかく、来て下さいね。それじゃ」
ツッコミどころ満載な私の言葉に何も言わず、ただそれだけ言って、今度こそはエレベーターから青い人は立ち去っていった。
エレベーターが閉じて、上へと向かう。

今日の収録は、全く集中できなかった。

これって、誰のせい?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

日常的環和 23話 キャスター同士の仲は普通だよ! 

こんばんは、もごもご犬ですこんにちは!
今日は、作品ばっかり書いてました←

今回はめぐっぽいどちゃん中心です!
次回も、お楽しみに!^^

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投稿日:2010/12/12 17:23:09

文字数:2,758文字

カテゴリ:小説

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