とある国の王女と召使の物語は終わりを告げた。



    王女の死によって。





――――  そして  … ――――





              ――――  『 リグレットメッセージ 』









そこには、少女がいた。
金髪の、少女。


目の前には夜だからか、真っ暗な海。


少女は、小瓶を手にしていた。



「……… レン ………」


呟きは、風に乗って消えていく。

取り出した手紙を、手に握った。



「私はようやく気付いたのよ。」


ずっと気づくことができなかったけど、




「私が幸せだったのは―――― あなたがいたからだ、って。」


ずっと傍にいてくれてたのに―――― 私は気づくことができなかった。



悲しい時も、嬉しい時も、怒ったときも、

―――― … いっしょにいてくれたのは、あなた。


どうしていままで気づかなかったのだろう?

気づかない私はワガママばかり言って、あなたを困らせていた。




「ごめんね ――――」



手に持った手紙を小瓶に入れて、海へと流す。



――― この国に昔から伝わる言い伝え。

願いを書いた手紙を小瓶に入れて流せば、願いがかなう。



「ねぇ、レン。 ――― 次生まれ変わるのならば ――― 」



その先は、波の音で聞こえなかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

『リグレットメッセージ』

王女目線でリグレットメッセージ。

閲覧数:331

投稿日:2010/06/15 20:13:46

文字数:647文字

カテゴリ:小説

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