#80「急転」
「ル、ルカさん!?」
なんと、森の方から走って来た人物はルカさんだった
「ど、どうしてここに?」
「う、うるさい、わよ。はぁ…はぁ…、それより、リンは?リンはどこ!?」
ルカさんは息を整えながら、僕に掴みかかって来た
「リンちゃんですか……そ、それが……昨日の朝から行方不明で……」
「っ!!」
次の瞬間、僕の体が痛みと共に後ろに飛ばされた
「あんた!リンを守るんじゃなかったの!」
ルカさんの言葉は、僕に反論の余地を与えなかった
そして、ツカツカと近付いてくるルカさん
「やめてください!」
僕とルカさんの間に割って入るミク
「誰よ、あんた……ん?あぁ、あの時の人間か……どきなさい!」
威圧的な冷たい目で、ミクを睨むルカさん
「嫌です!あなたが誰か知りませんけど、カイト兄を傷つける人の言うことなんて聞きません!」
ミクは断固として、そこをどこうとはしなかった
「ミク……いいんだ。どいてくれ。この人は、薬でミクの命を助けてくれた人だ」
「え?」
僕はミクの前に出た
「ルカさん、リンちゃんのことは、本当にすみませんでした。絶対に探しだしますから!」
「いえ。その必要はないわ。」
ルカさんの鋭い眼差しが、背筋を凍らせる
「どうしてですか!もしかして、僕には荷が重過ぎたとか……」
「居場所はわかっているからよ」
僕の言葉を遮って、ルカさんがそういった
「え?ど、どこですか!もしかして、よう……そっちにいってるんですか?!」
危なかった……ミクの前で「妖精」と言いそうになった
「ええ。ここにいないなら、そうなのでしょうね……」
「そ、そうですか…………でも、よかった、無事で……」
リンちゃんを守れなかったことは残念だが、無事ということがわかって一安心した
「…………残念ながら無事ではないと思うわ。これを見なさい。今朝、女王の名で送られてきたものよ」
そういって、ルカさんから手渡されたのは、手紙だった
『
残虐なる魔女様へ
あなた方は私の大事なものを奪ったものと同じ血が流れている……
私はあなた方に復讐するためだけに、今日まで生きてきた……
あなた方が憎い……
手始めに、あなたの実の姉に裁きを下してやろう……
そして、あなた方が可愛がる姫も、私の手の中にある……
さて……あなたはどうする?
ここにのこのこやってきて、私に亡きものにされるか……
それとも、姉や姫を見殺しにして逃げるのか……
お好きな方をお選びください……
場所は、あなた方の幼馴染みの家……どこか……わかりますよね……
タイムリミットは、あなたにこの手紙が届いた日の日付が変わるまで……
それと、これが脅しじゃないことを証明するために【これら】を同封いたします
では、ごゆっくりお考えください…… 』
「こ、これって……」
僕は本当の差出人の名前もない、謎の手紙にただ言葉を失った
「私たちの幼馴染みっていうと……ネルの住んでいた家しかないわ。あと、その手紙にこれが一緒に入ってたのよ」
そう言って、ルカさんが取り出したのは、【妖精の指輪】と【白いリボンのついたカチューシャ】だった
そして、そのカチューシャには、少しだけ赤黒いものがついていた……
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ブクマつながり
もっと見る#88「昔話」
「あなたの話が無駄話となった時、あなたの命の終わりです」
フードの女性の言葉に偽りはないだろう
でも、僕はまだ終われない
「これはある一人の女の子のお話です」
「何言っているの?早く、私の動機とやらを説明しなさい!」
僕の話を遮ってフードの女性が怒鳴った
「これには順序が必要なんです...妖精の毒#88
しるる
#90「本音」
先代とリンちゃんに恨みをもっていた人物
メイコさんに睡眠薬を飲ませることができる人物
あのルカさんを投げ飛ばすことが出来るのは訓練された人物
僕が人間だとあらかじめわかっていた人物
そう、初めからこの人しかありえなかった
「やはり……あなたでしたか…………ハクさん」
「お見事です。ま...妖精の毒#90
しるる
#79「勘違」
翌日、天気がいい
ただ、孤児院の中が心なしかどんよりとしている
義弟や義妹たちは、いつも通り、元気なのだが、ミクがややぼんやりとしている
完全に僕のせいなのだが……
レンもリンちゃんが心配なのか、どこかイライラしている
そして、僕もミクへの罪悪感と、リンちゃんが森に帰っていたらどうし...妖精の毒#79
しるる
#82「再び」
僕とルカさんは妖精の世界への入り口に向かう
「ルカさん、メイコさんとリンちゃんを助ける方法って、考えてあるんですか?」
ただ単に相手方に乗り込んでいっても、駄目なのは目に見えている
「正直、何も考えてないわ。」
僕の横を歩くルカさんは、しれっとそう言った
「手紙の相手が誰かもわからな...妖精の毒#82
しるる
#84「戦闘」
「ええ。二階で生きてますよ。まぁ、今は……ですけど。ふふ……」
不敵に笑う手紙の差出人
「ふざけるな!いますぐ、2人を返してもらう!」
ルカさんが相手に向かって走っていく
ルカさんが相手をとらえれば、あとは力で吹き飛ばせるはずだ
しかし、相手は向かってくるルカさんの胸ぐらをつかんで、...妖精の毒#84
しるる
#96「名前」
僕とリンちゃんは、孤児院に帰って来た
僕らが玄関に入ると、雪崩のようにながれてくる義弟妹たち
「おいしゃのおにいちゃん!おかえり!」
「まいおねえちゃん、どこにいってたの?」
「かいと、おみやげは?」
群がってくる子供たちに、僕もリンちゃんも、もみくちゃにされ、立ち往生してしまった
...妖精の毒#96
しるる
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ご意見・ご感想
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
なんてこと…何者だ俺のリンty…(ゲフン)カイトやルカさんたちの大切なリンちゃんをさらったんは――――!!!!
あなた方!妖精全部を憎むとな!
グミちゃんの家族の子孫…なわけがないよな、人間だし…
んーでも魔女と罵るとは人間ぐらいしか…悩むなぁ(その前にお前は勉強で悩めよ
え?しるるさんなんか言った?
『もうゴールしてもいいよね?』
そう言われたらcosmo@暴走Pファンの私にはもう一つしか言えないじゃないですかぁ♪
『まだまだ行きまーす』www
2012/11/13 20:38:48
しるる
そうですね?
大事なポイントは「あなた方」というのもありますね?ww
さすが、私の作品をずっと見ているだけあって、ポイントがばれてますww
しかし、ゆえにいろいろ考えすぎる&難しくなるということもあるのですよww←
「まだまだ行きまーす!」
「えっ?(・A・;)」
2012/11/15 01:19:07
イズミ草
ご意見・ご感想
ぅな…………ッ!?
誰なんだ!
どうして、もうちょっとでミクとリンちゃんも仲直りできてたかもしれないのに……っ
そ、そんな!?
もう、最終章デスカ!
寂しいですが、ラスト突っ走ってください!!
2012/11/13 17:16:32
しるる
いや?
これの犯人を当てられる気がしませんww←
もうってwww
現在でも5カ月半という長期連載ww
もうゴールしてもいいよね?w←
2012/11/13 17:21:09