※諸注意
・カイト×マスター(女性)
・妄想による世界観
・オリキャラ満載
・カイトは『アプリケーションソフト・VOCALOID・KAITO』の販促用に開発されたキャンペーン・イメージロイド(?)機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任でスクロールして本編へどうぞ








☆☆☆☆☆






昨夜の、篠武さんとのやり取り。
不安定になった精神・感情値の影響で、システム障害が派生したにもかかわらず、すべての記憶が鮮明に残っている。

『カイトのことは大好きだよ。でも…マスターには、なれない、』

彼女は確かに、そう告げた。
理由も聞いた。
…理解は、した。
でも、納得はできなくて、葛藤で再びシステムが不安定になりかけたオレを、彼女は一晩中抱きしめて眠ってくれた。

なのに、この急展開は一体…?


シャングリラ・最終話~機転と歓喜と謀(ハカリゴト)~

SIED・KAITO


「…って、昨夜のオレたちのシリアスな話し合いは何だったんだ…、」
ソファでうな垂れる篠武さんの隣で、呆然としているオレ。
これは…本当に現実なんだろうか。
つい先ほど、目の前にいる所長さんが言った言葉を、脳内で反芻する。

『さぁ篠武さん!!今日からカイト君は、貴女のものよ!!』
今朝早く、部屋へとやってきた所長さんが、テンション同様高らかな声で宣言した。
満面の笑顔が、朝日に負けず眩しい。
『…はぁ?』
だが、それに応えたのは。
まだ覚醒しきれない寝惚け眼を擦る、篠武さんの不機嫌丸出しな掠れた声。
…ちなみに、AM5:34の出来事だったと脳内に記録されている。

「意味がわからない…、」
「急でごめんなさいね。貴女をカイト君のマスターに抜擢したのに断られたって、北澤君に泣きつかれちゃってね、」
「…なるほど、諸悪の根源は正隆さんか、」
「でも私自身、篠武さんとカイト君はとっても仲良しさんだから、…『あんな理由』で引き離しちゃ可哀想だと思って。私、徹夜で先方さんと話し合ったのよ、」
「『あんな理由』って、昴?加奈さん一体何を…ああ、徹夜明けもあって、このハイテンションだったのか…、勘弁してくれ、」
怪訝な顔でため息をつく彼女が、脱力してソファに沈む。
「貴女もカイト君も、絶対に昴なんかには関わらせないから。そこだけは誓って約束する、信用して頂戴?」
「…その台詞、オレに拒否権はないってワケね、」
どうやら、篠武さんの抱える問題を熟知している所長さんが、いろいろと取り計らってくれたらしい。
所長さんは、まだぼんやりしている篠武さんに苦笑いし、大きな封筒から書類を取り出すとオレに手渡した。
「はい、これ。…ところでカイト君、唇どうしたの?」
「あ、いえ…、」
指摘されて、反射的に口元を手で隠す。
(これは…言えるわけが、ないな、)
不思議そうに覗き込む視線から逃れたくて、目を落とした先にあったのは。
一通の『契約書』。
篠武さんが、この研究施設に所属する旨の内容と、正式にオレの『マスター』になるという説明文が記載されていた。
(本当に、篠武さんがマスター…オレの、マスター…、)
どうしよう。嬉しい。物凄く、嬉しい。
昨夜とはまた違った意味で、感情数値が乱れ始めている。
「あの、…何故ここまでしてくれるんですか?」
わざわざ相手会社との契約内容を変えてまで、この施設に…所長さんにメリットはあるのだろうか。
「言ったでしょ?貴方たちを裂きたくなかった。これはあくまで、私の個人的見解による契約変更なの。…カイト君、嬉しくない?」
「まさか!!嬉しいです!!!!!」
問われて、思わず大きな声が出た。…今のはちょっと、恥かしかったかも知れない。

「…で、オレどうすればいいの?」
「とりあえず、二人は引き続きこの部屋を使ってね。篠武さんは、今まで住んでいたマンションを早急に引き払うこと。…ふぅ、これでやっと篠武さんが私の元に帰ってきてくれたのね、」
『嬉しいわぁ、』と、うっとり呟く所長さん。
…あ、今の一言で、真意が読めた気がした。
「ちょっと待て、それが本音か!!??」
「うふふ、…さあ、どうかしら?」
「……、」
もしかして、オレをダシにして篠武さんをここに繋ぎ止め、手元に置いときたいだけ…だった、とか?
所長さん、相当彼女を可愛がっているようだったし、十分にありえる。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

シャングリラ・最終話~機転と歓喜と謀(ハカリゴト)~【カイマス】

最終話です。

閲覧数:235

投稿日:2011/09/16 00:36:11

文字数:1,879文字

カテゴリ:小説

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