大好きに包まれたくて
大好きを抱きしめたくて
正攻法も知らないけど
おとぎ話にはしたくない


そばにいて私を見てる
いつか見た叶わぬ夢は
今か今かって首傾げてる
見ないふりが苦しくて

手に入れることしか無かった
何が必要かで悩んでいた
足りないことが多すぎて
距離は遠のく一方だった

私から離れた欠片
軽くなった足取り
本当に大切なのは
捨てることなの？

走れるようになったよ
笑えるようになったよ
いつまでもこうしてたいくらい
私は何も手にしてないのに


すぐそこで私を眺める
抱いていた幼き望みは
今は？今は？って座り込んでる
知らんふりが歯がゆくて

求めることしかできなかった
何を手にするかで迷っていた
持てないものが多すぎて
道は長くなる一方だった

私から消えゆくジンクス
広がっていく視界
本当に大事にしたいのは
私自身だったの？

飛べるようになったよ
跳ねることもできるよ
最初からこうだったみたい
私は何も残してないのに


たくさんの道具を集めても
いっぱいのテキスト揃えても
キレイなものはできあがらない
身も心も重たくなるだけ

意を決して思い切って
何もかも捨ててみる
大切な想いに気付くため
私の在処を探すため

何もない部屋に私だけ
何を置こう何を飾ろう
空っぽが背中を押した
私だけが彩る世界


歌えるようになったよ
奏でることも覚えたよ
ありがとうじゃ足りなくて
私は誰にもなれないのに


すっきりした部屋の中
泣きながら眠ってしまう
今までの私の寂しさと
これからの私の嬉しさで

床には水たまりがふたつ
私が出来るのはそれっぽち
乾いてもシミが消えても
いつだって抱きしめられる


走れるようになったよ
笑えるようになったよ
いつまでもこうしてたいくらい
私は何も手にしてないのに

あの時こぼした雫だけが
たったひとつの私の在処