そんなミクを心配そうに見つめる目があった。リンとレンである。2人は、若いなりにも現状を認識しており、どう打開すべきか考えていた。2人はレンの部屋に集まり、話していた。
 「なあ、リン、今のミク姉、どう思う?」
 ココアを飲みながらレンが尋ねる。
 「今のミク姉は、安田さんとの問題がどうにかならないと、元に戻る事は難しいと思うな」
 同じくココアを飲みながら、リンが答える。
 「皆ミク姉と安田さんがくっつくのが難しいってみんな言うけどさ、俺には分かんねえんだよな。世の中に人間とアンドロイドがくっついちゃいけないって決まりでもあるのかな?」
 レンが疑問を呈する。
 「それはリンも気になってルカ姉に聞いてみたんだ。ルカ姉の話だと、人間とアンドロイドの関係は、ずっと昔のアンドロイドがロボットと呼ばれていた時代にまで遡るらしいの。その時からの人間とロボットの主従関係をずっと今まで引きずっているから、くっつけないんだって」
 「ふーん、…でもさ、アンドロイドだってご先祖様のロボット何かよりも見た目も中身も大分変わってるんじゃないかな。それに、アンドロイド自体も出来た時と比べると、大分作りは良くなって、見た目なんかは人間なんかと大して変わらないから、それに合わせて法律とかを変えれば良いだけの話だと思うんだけだから、そんなに難しい話じゃないと思うけど、何でくっついたらいけないのかな?」
 「それ、リンも疑問に思ってるの。それで前にルカ姉にそれを聞いたんだけど、ルカ姉曰く、多くの人間やアンドロイドはまだ私達みたいな考えに至っていないって言ってたな」
 「アンドロイドが変わっているのに、それに応じた変化が出来ないって、何かおかしいよな」
 「そうね」
 しばし言葉が切れる。
 「…ねえ、私達、ミク姉に出来る事って無いかしら?」
 「…そうだなあ。そうだ、良い事考えた。ミク姉に、俺達は味方だって伝えようか、きっとミク姉、今、誰にも自分達の考えを賛同してもらえなくて、精神的に追い込まれてると思うんだ」
 「そうだね、ミク姉きっと喜ぶよ」
 「俺も、安田さんにミク姉を慰めて欲しいって言われてるんだ。きっと今、俺達に求められている事だと思うぜ」
 そう言うと、2人はレンの部屋を出、ミクの部屋に向かった。
 「ミク姉、入るよ」
 「…どうぞ」
 2人は部屋に入る。どうやらミクは寝ていないらしく、いささかやつれていた。
 「リン、レン、どうしたの?」
 「あのさ…、ミク姉、俺達、ミク姉にどんな事が有っても味方だから。俺達が役に立てるか分からねえけど…」
 「安田さんとの事で、めー姉やカイ兄やルカ姉が皆反対しても、私達はミク姉の味方をするから」
 「2人共…」
 2人を抱き締めるミク。
 「2人に、こんな事言わせるなんて、私、姉さん失格ね」
 泣きそうな声でミクが言う。
 「そんな事無いよ、ミク姉。だから、頑張って」
 「ありがとう…」

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初音ミクとパラダイムシフト1 3章14節

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投稿日:2016/10/25 23:23:35

文字数:1,225文字

カテゴリ:小説

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