ハミングスから発売される、新商品の「リンリン・はっちゅーね」。
その商品宣伝の「プロモーション・ビデオ」の撮影を、スタジオにこもって続けさせられている、リンちゃん。
ついに3日目の夜。「きょうもここに泊まろうか」と、相棒と話しているところへ…
泊まっている部屋の内線電話が鳴った。
「はい。ええ、リンです。あ、ベニスズメさん?」
電話は、ビデオの撮影をしている月光企画の担当者、ベニスズメさんのようだ。
「ええ。……は?……はい?……え?」
なんだか、リンちゃんの受け答えの様子が変だ。横で見ている相棒のサナギちゃんは、首をかしげた。
●様子がおかしいんだよ…
不審そうな顔で電話を置くリンちゃん。
「どうしたの?」
「うん。なんだか様子がおかしいんだ、ベニスズメさん」
「様子が?」
「なんかさ、急にブッキラボウになって。いつもはあんなに優しいのに。いってることも、ちょっとヘンだし」
サナギちゃんは、不安そうな顔になって尋ねる。
「なんて言ってるの?」
「うん。それが、今日はここに泊まっていいけど…。これから部屋に夕食を届けるから、それを食べて欲しいって」
「え?夕食を? これからリンと2人でさ、すぐそばのファミレスで夕飯食べようと思っていたのにね」
相棒の言葉に、リンちゃんもうなずいて、眉をひそめる。
「うん。昨日もおとといも、そうしたのにね。急に、今日だけ変だよね」
●おびえるベニスズメさん
「じゃ、それ、ビデオの撮影が終わったから…その、“ご褒美”なんじゃないの?」
サナギちゃんは、無邪気そうに言う。
「うん。それがさ、何か…。おびえてるみたいな口調なんだ。ベニスズメさんが」
「おびえて?何に?」
「わかんないよ」
2人は、黙って顔を見合わせた。
その時、リンちゃんのスマホの着信音が鳴った。
「あ……!ミクさんだ」
驚いたように、リンちゃんは目を走らせる。
「なになに…? “リンちゃん、仕事が終わったら、早く家に帰ったほうがいいわよ”って」
リンちゃんの読み上げた内容を聞いて、サナギちゃんは、目を丸くする。
「え、ミクさんが? いま、私たちが撮影してること、知ってるの?」
2人は、不思議そうに、また顔を見合わせた。
リンちゃんはつぶやいた。
「なぜ、知ってるんだろう。アタシ、誰にもこの事はまだ、教えてないのに」(-_-;
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