私たちはしばらく黙ったままだった。



「・・・そうだ。」



「どうしたんですか?」



がくぽ先輩は私の目に浮かぶ涙をぬぐいながら言った。



「カイトにバスケ部に入ってもらえばいいんじゃないか!?」



「へ?」



カイトがバスケ?



「カイトがバスケ部に入ったら僕と対等に戦えるじゃないか!!」



「えっ・・・でもカイトが何て言うか・・・」



「ミクちゃん、ケータイにカイトの番号登録してあるよね?」



「はい」



「ちょっと貸してくれる?」



「いいですけど、どうして先輩のからかけないんですか?」



「僕からじゃでないだろ、あいつ」



「そっか」



私がケータイを渡すと、がくぽ先輩はニヤリと笑った。



プルルル・・・  プルルル・・・



コール音が鳴ると、電話の向こうの相手はすぐ出た。



《ミク!?今どこにいんだ!!?》



「ああ、カイト?僕だけど」



《がくぽ先輩?どうしてあんたがミクと一緒にいんですか?》



「なんでもいいだろ。それよりミクちゃんから話聞いたよ」



《何のですか?》



「さっきの事」



《あっそうですか・・・!》




「で、お前、バスケ部に入れ!これ命令だから」



がくぽ先輩はニッコリ笑って言った。



・・・なんか楽しそうだぞ、がくぽ先輩・・・・;



《はあ!?何で俺がっつか何でバスケ部なんすか!?》




「僕、バスケ部員なんだよね」



《ええ!?そうだったんですか!?・・・つかレン!お前そんなこと一言も言ってなかったよな!?》



《別にカイトには関係ないと思って》



電話の向こうからレン君の声が聞こえる。




《関係あんだろ!・・・ったっく。・・・あ、俺入りませんから。レンいるし》



「・・・ふーん、自信ないんだ?」




《は?》





「だから、僕に勝つ自信がないんだろ?ミクちゃんに好きになってもらう自信がないんだろ?」




《~~~!!?ふっざけんな!!俺はミクに『隣にいたい』って言われたんだから自信ありまくりだ!!やってやろうじゃねえか、バスケ!!覚悟しとけよ!!このキザ野郎!!!》




ブッツン・・・!




勢い良く電話の切れる音がした。





「カイト、完全に怒ったね:」




「だ、大丈夫なんですか・・・?」




「大丈夫だよ。僕は負けない」




「がくぽ先輩・・・」




なぜか顔が赤くなる。




「・・・ミクちゃん、笑わないで聞いてね」



「はい」




「ミクちゃんと両想いになった日に見た夢の事なんだけど・・・」



「どんな夢見てたんですか?」




「どこかの国の姫とナイトの物語みたいなもの・・・かな?」




「そのお姫様は誰だったんですか?」



わかってるけど聞いてみた。



「ミクちゃん。で、僕がナイトってなわけだ」



「登場人物はそれだけだったんですか?」



「いや、隣の国の王子がいたよ。姫を攫おうとしてた。その王子から姫を守ってたんだけど、ついに攫われちゃってね;」




「今の私たちとそっくりですね」



「うん。だからカイトと出会って思ったんだ。夢と現実があまりにもそっくりだったから、僕はミクちゃんを守るために生まれてきたんじゃないかって」




「先輩・・・。じゃあ、私を全力で守ってください」



「言われなくてもそのつもり」



がくぽ先輩は優しく笑って言った。




「さ、帰ろうか。送るよ」



「あ、じゃあ家でごはん食べていきませんか?お母さんがぜひ連れて来いって!」



「・・・いいの?自慢じゃないけど僕、マダムキラーなんだよ?」




「家のお母さんはマダムって感じの人じゃないから大丈夫ですよ♪でも、作るごはんはそこらへんのコックさんよりおいしいですよ!」



「へ~、そりゃ楽しみだ」




そう言うとがくぽ先輩は手を差しのべてきた。



「手、繋ご?」



「うん・・・!」



私たちは一本一本指を絡めて手を繋いだ。



私は心臓の音が聞こえていないか心配しつつ歩いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

未来への道 第13話 「カイトの部活」

今回はミクとがくぽが甘甘です♪

閲覧数:371

投稿日:2009/07/13 23:54:36

文字数:1,764文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • ばかぷりんす。

    ありがとうございます!
    がくぽ先輩かっこいいですか?かっこいいですよね!だってかっこよく書いt(黙
    私もがくぽが一番好きですよ^^ぶっちゃけた話、GACKT様好きだから☆(←キモイ

    続きは今執筆中なので、もう少しおまちください。
    メッセの嵐なんて全然気にしてませんよ!
    1話ごとに毎回コメントありがとうございました^^

    2009/07/26 11:38:53

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ヘルフィヨトルです。
    なんかもう最高です。
    がくぽ先輩かっこいい!
    ああ、私にもあんな人がいたらな~
    続き、楽しみにしています。
    メッセージの嵐、すみません^^;

    2009/07/26 07:05:18

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