満月だった。
砂漠の夜空に、無数に瞬く星々。
暗い。だが、柔らかに降り注ぐ月明かりが辺りを照らしていた。その光は泉の水面にも届いていた。わずかに水面が揺れるたびに、無数の瞬きを生み出している。
まるで、地面にも夜空が現れたようだった。
綺麗だな……。オレの、このわけのわからん感情を抱えてくすぶっている気持ちも、少しは救われたような気分になった。
オレ達は街の中央にある広場に集まっていた。そう、周りをビルで囲まれたあの泉があった広場だ。
ミクは、あれからせわしなくガウルと動き回っていた。オレが「何か手伝おうか?」と申し出ても、彼女は「あなたは座って待って」と言ったきり、全く取り合ってくれなかった。
面白くない……。
そう思ったのはミライも同じようだった。奴も、ミクの肩に飛び乗ったりしてアピールしてみたのだが、「ごめんね。今忙しいから大人しくしてて」と言われていた。ミクに適当にあしらわれたのが相当ショックだったのか、珍しくオレの肩に乗ってきてションボリしていた。
オレが何とも言葉にできないモヤモヤした感情を、ガウルを睨みつける事で発散させていたら、肩の上に乗っていたこの小動物もオレと同じように歯ぎしりをさせながら、器用にミクについて回る巨躯を睨みつけていた。
初めてオレ達の意見が一致したな。
そんなこんなで、小動物と一緒に1日中モヤモヤした時間を過ごしていたら、ミクから声が掛かった。
「夕食を食べ終わったら、広場に来て」
上機嫌でそれだけを告げると、オレ達の前から去っていった。
何だよ……オレが食べるとこ、見なくてもいいのかよ……。
なんだか、胸が痛むような……とても寂しい気持ちになった。
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