「まるで他人みたいじゃないの…まるで、他人みたい、じゃないっ!」



せっかく、貴方好みの女になろうと頑張ったのよ?
貴方に近づいた女達から、着物とか帯とか簪とか拝借して…
もちろん、普通には貸していただけなかったけど、そこはちょっと、ねぇ?
ちょっと強引に、貸してもらったのよ?


それを私に合うように仕立て直して。
それで着てみたら、これならイケるって思ったのに。
これだったら、貴方は私の元に、帰ってきてくれると思ったのに…


それで、こちらから会いにきてあげたのに。
それなのに、やあねぇ貴方ったら。
私は貴方の妻なのよ?
妻の顔くらい分かるでしょう?


それとも、女遊びが酷くて、私のこと忘れた、なんて思わないわよねぇ?
「はじめまして、こんにちは」なんて…
ちょっと冗談で言ったつもりなんでしょう?って言ったら、
本当に分からないような顔をして…


そんなの…まるで、他人みたいじゃない。
マルデ他人ミタイジャナイ…



それでも、仕事は頑張らないと。
お母様の形見の裁縫鋏。これが私の仕事道具。
その鋏を片手に、一生懸命働く。
この、赤く染まった裁縫鋏は…研げば研ぐほど、よく切れる。


一瞬、鋏の刃が私の首筋を映し、怪しく、そして赤黒く光った。
どこからか滴り落ちる、赤い赤い水滴と共に…












<<【七つの大罪】カヨさんと楽しげな仲間達【二次創作】>>














「カヨ。危ないから鋏は向けないでって。聞いてます?」
「あなたはまたねぇまたあの人を思い出してたのねぇどうして私じゃないの」
「だからこの写真に写っているのは私の娘だってば。聞いてます?」
「本当にあなたは見境がないわねぇどうしてあの子ばっかり」


また、ある事がきっかけで私はガレリアンに鋏を向けた。
私と喧嘩するのならば、このよく切れる鋏をなんとかしないとねぇ?


「いいかげんにしないと君を有罪にするよ。聞いてます?」
「証拠なんてものは私が消しましたそうこの鋏で」
「おいカヨ。我を忘れているよ。もしもーし?」
「そうです有罪になるのは貴方です私は無実ですだってあの人が悪いのだから」


本当にガレリアン、貴方は浮気性のあの人にそっくりね。
貴方も浮気性なのかしら?


「はぁ。めんどくさいな…おーいバニカ、グミ。なんとかしてくれ」
「仕方ないわね」
「またやってんのー?」


ガレリアンが応援を呼んだ。
そんなことしても無駄よ。


「カヨ、アナタも食べられたい?」
「あなたの頭を撃ち抜くわよ?」


この二人にこう言われては、仕方ない。
大人しく降参しますか。


「はいはい分かったわよ。降参しますから」


仕方なく鋏をしまい、両手を上げた。
まったく、またこうなるのね。


「…またやってんの?あきないねー」


ヴェノマニアがそんなことを言ってきた。
好きで降参してるんじゃないわよ。


「ちょい待ち。なんで俺に鋏を向けるの?待て待て待てカヨ危ない!」
「貴方の場合、浮気性ではないわね!むしろ女タラシよね!」
「そうよ!貴方カスパルみたい!私のギフトをくれてやるわ!」


ヴェノマニアは逃げた。
逃がすわけにはいかないわ!


「またこのパターン!?俺は反省してるから一服盛ったり鋏でザシュはやめろ!」
「追え!アスモディンの悪魔を捕らえるのよ!」
「了解ですカヨさん!かならず一服盛ってみせます!」
「なぜこうなる!?俺は何もしてなーい!誰か助けくぁwせdrftgyふじこlp」
「捕らえました隊長!」
「よしギフトを飲ませなさい」
「誰か助けてこの人たち怖いから!」


マルガリータの協力により、ヴェノマニアを確保することに成功した。
よし、女の嫉妬の怖さを教えてやるわ!


「待ちなさい二人とも!ヴェノマニアを放すのよ!」
「くっ…また邪魔をするの!?」
「グミ待ってそのリボルバーって弾入ってないよねちょい待ち引き金引かないで!」
「くらいなさいスーパー弾丸クラーッシュ!」
「ネーミングださっ!…ぎいぃあああああああ!」
「くっ…次は必ずギフトを飲ませてみせくおおおおおおおおおおお!」
「…ナイス、グミ」
「ヴェノマニアは改心してるってば。あと、これ水鉄砲」


突如現れたグミの妨害により、ヴェノマニアを逃がしてしまった。
こ、このままでは終わらないわ!


「そんなリボルバーなど、このよく切れる鋏で!」
「スタンガンに切り替え。くらいなさーい!」
「きゃあああ攻撃できないでもギフトさえ飲めば!」


鋏が封じられた。
でも鋏のストックはまだあるのよ!


「くらいなさい鋏スラーッ」
「待て!マルガリータ・カヨ両名を訴える。被告側、反論は!」
「ひ…卑怯よガレリアンそんなことされたら反論なんてっ!」
「判決!カヨ・スドウ、マルガリータ・ブランケンハイム両名を――」
「か、勝ち目がない!降参します!」
「も、もう攻撃しないから!」
「おおお助かった俺」


ガレリアンまで邪魔をしてきた。
次こそは絶対攻撃してみせるわ!

そんな中。


「…みんな、またやってるんですか?毎日楽しそうですね」
「僕もこれ見てたらなんか和むよ」


リリアンヌとアレンが、おやつを食べながらこっちを見ていた。
この双子はなんて暢気な…


「…二人とも、何を食べてるんですか?」
「ブリオッシュです。アレンの手作りですよ。カヨさんも一口いかがです?」
「あ、美味しいです。なんて美味しさ」
「そう言われると照れますね…でもリリアンヌが作ったブリオッシュも美味しいよ」
「やだアレンったら。私のなんか、まだまだよ」
「でもリリアンヌが頑張って作ったじゃんか」
「アレンのほうが作るの上手いって!」
「いやいやリリアンヌも」


…この双子もなんて仲がいい。
お互いをこれでもかと言わんばかりに褒めている。
あんなんで喧嘩にならないのかしら…


「はいはい二人共、そこまで。私にもくれる?」
「あ、バニカ。どぞー」
「うん、これは中々…素晴らしいブリオッシュね。甘みのバランスが絶妙ね」
「バニカさんって、かつて美食を極めたんですよね。そのバニカさんに褒めていただけて、嬉しいです」
「おもしろいことを言ってくれるじゃないのー少年」


バニカも太鼓判を押す出来のブリオッシュ。
凄いわね、アレンって。


…というか、地獄ってこんな和やかでいいのかしら?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【七つの大罪】カヨさんと楽しげな仲間達【二次創作】

円尾坂の仕立屋・本家様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9032932

閲覧数:3,766

投稿日:2011/10/24 21:39:38

文字数:2,668文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • るのら

    るのら

    ご意見・ご感想

    おもしろいw吹かせてもらいました。

    2011/11/30 15:56:10

    • ゆるりー

      ゆるりー

      ゆのらさん、メッセージありがとうございます。

      おもしろいですか、ありがとうございます。
      吹きましたかw

      それと、ゆのらさんの小説を少しですが読ませていただきました。
      どれも内容が素敵でした。がんばってください!

      読んでくださってありがとうございました。

      2011/11/30 17:13:13

  • アリサ

    アリサ

    ご意見・ご感想

    ちょwお腹痛いですww

    こんばんは
    アリサです


    最初、カヨさんとガレリアンが一緒に居る? と思いましたが……
    なるほど
    地獄かw

    皆さん勢ぞろいで読んでて物凄く楽しかったです!
    元ネタ全部知っててこその楽しみ方を満喫させてもらいましたw

    個人的にはコンチータの「カヨ、アナタも食べられたい?」がツボでした
    久しぶりに文章読んで笑わせて頂きましたw



    ブクマ頂きたいと思います
    それでは失礼しました~

    2011/11/26 00:32:45

    • ゆるりー

      ゆるりー

      あれ?メッセきてる…誰だろう…と思ってたら…
      まさかアリサさんからメッセをいただけるとは…!!
      読んでくださってありがとうございます!!!

      えwお腹痛くなるほどおもしろいですかこれwww

      地獄じゃないと皆さん会えませんもんね☆((時代的な意味で

      グミちゃんはほぼ無理矢理ですがw
      元ネタ全部知ってましたかww

      そ…そこで笑っていただけるとは思ってませんでしたw
      自分のこんな文章で笑っていただけるとは…ありがとうございます!

      ブクマ!?ありがとうございます!!

      あと、今気づいたんですが…
      まさかのユーザーフォローありがとうございます!!
      憧れの方にユーザーフォローしていただけるとは…

      えっと、なんかいろんなジャンルの小説を書きまくってる奴ですが宜しくお願いします!!

      2011/11/26 11:43:05

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