「ナァンダ…マダタベルモノ、アルジャナイノ」


私は、目に映った‘誰か’の右手を見て、呟いた。
あぁ、私ったらうっかりしてたわ…
みんな食べてしまったと思ったんだけど…
よく探したら、こんなところにあるじゃないの…


私は領主の娘に生まれたから、料理なんてしたことがない。
ていうか、しようと思ったら怒られた。

『世の中には、おなかがすいてもご飯が食べられない子もいる』
『だから…』
『残さず食べなさい』
私は出されたものは、すべて食べた。
それで、『この世の美食を極めた』って言われたんだっけ。
どうでもいいや。
私は、ただ全てを食べただけ。
だって、残したら怒られちゃうもの。



それにしても、どうして私の右手は痛いのかしら？
どうして血が出ているの？

あぁお父様
ほら、私は残さず食べたよ？
私を褒めてください

『バニカ…なんてことを…』

耳元で聞こえた…ような気がした、誰かの声。



「どうして？残すことは、悪いことなんでしょ？」
私がそう言おうとしたときには、
すでに私は




いなくなってたんだ















<<【七つの大罪】悪食娘と始まる戦争【二次創作】>>


















「………」
今、私は非常に不機嫌である。


私の朝は、一㍑のコーヒーから始まる。
そして出された朝食を残さず食べるのだ。

彼の朝は、一缶のレッド○ルから始まる。
そして朝の当番と共に朝食を作るのだ。


朝食を食べないと、朝だと感じることができない。
私は、食べることが全てなのだ。

そう。
私は今、朝だと感じていない。
朝食ができていないのだ。


「ちょっとおおぉ!!朝食マダー!?」


確か朝の当番は交代制で、グミかマルガリータがアレンと共に朝食を作る。
だが、今日はグミもマルガリータもいない。
仕方ないので、ポストに入っていた手紙を読まずに食べた。


「ていうか!!誰もいないの!?」


お腹すいた
お腹すいたお腹すいた
お腹すいたお腹すいたお腹すいた
お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいた
お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいた


「空腹じゃ――――――――!!!」


空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹
空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹
空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹空腹
…とにかく、空腹だ。


「ああもう、うるさいなぁ!!バニカ、お前は人の話を聞いていたのか!?」


私が叫んでいると、サテリアジスが怒り状態に。
しまったなぁ。
小タル爆弾をいくつかしかけとかないとなぁ。


「アレンは今買出しに、グミはサーカスに弟子入りに、マルガリータは武者修行に行ったんだよ。
　聞いてなかったのか!?」
「あ、そうか」


そういえばそうだった。
でもアレンはともかく、いろいろおかしくね？
グミは何故サーカスに弟子入りに…
マルガリータは武者修行してなんの得があるの。


「バニカさん!!」
「リリアンヌ」


リリアンヌが私に向かって走ってくる。
リリアンヌの表情からは、不安が見てとれた。


「どうしたの？」
「アレンとグミさんが帰って来たんですけど…様子がおかしいんです」
「え？」


リリアンヌに連れられて、私はサテリアジスと共に入り口へと向かった。
そして入り口に、異様な光景。


「うおらぁアレン!!かかってこいやアァ!!」
「上等だアァグミさアアアァん!!」


何？
決闘でも始めるの？
二人共ヤケにテンション高いわよ!?


「それでは両者前へ!!」
「ておい！マルガリータ何してんだ!!」


武者修行に行ったはずのマルガリータがいた。
いつのまに帰って来たのかよ!!
さっきまでいなかったよね!?


「おいマルガリータ。聞きたいことがある」
「何？まんじゅう」
「まんじゅうじゃねぇ!!何気に酷い!!」
「で？何よ」


サテリアジスとマルガリータが漫才をしている。
いつもの光景だね。


「今から何を始めるんだ？」
「あぁ、それね。見てればわかるわよ」


本当に何を始めるのかしら。


「第六十七回大根ぶっかけ大会、開☆催!!」
「「何気に大会名が意味わからねぇ!!!」」


あ、サテリアジスとハモっちゃった。


「しかも第六十七回っておま、そんなにやってんのかよ!!」
「それでは両者前へ!!」
「無視かよ!!しかもさっきもそれ言ったよ!!」


サテリアジスのツッコミが炸裂。
忙しいね。


「まずはwhfoチーム代表者、アレン!!」
「whfoって何語!?」
「ショタ国の紳士語で『召使』という意味よ」
「嘘つけ!!
　そんな国と言葉ねぇよ!!
　あとチームっつったって一人だけだろ!?」


さすがマルガリータ。
ボケが素晴らしいわね。
サテリアジスが凄いツッコミに忙しそうね。
たまには私にもツッコミを譲ってもらいたいわ。


「対してlqhwfチーム代表者、グミ!!」
「だｋ」
「だから実在しない言葉をチーム名にするな!!」
「こちらはリボルバー国のマシンガン語で『半殺し』だそうです」
「だーかーら!!
　そんな国と言語と意味はねぇってーの!!!
　あと意味が何気に怖いよ!!!」


私の…ツッコミ…
私は元々、ツッコミキャラのはずじゃあ…


「さて本日の的はこちら!!」
「はい仕立屋でーす!!ご注文の品お持ちしましたー」
「はい、的は今日も今日とて悪徳裁判長でーす」
「人を的にするなー!!」


カヨがガレリアンを捕まえて持ってきてたが、今はそれどころじゃない。
私のセリフどうするの。
ツッコミをする暇がないじゃんか。


「ルールは簡単!!大根を調理するだけです!!」
「的の意味ねぇ!!」
「というか私を的にしようとするな!!
　っておいおいおい待て待て待て!!
　鋏を向けるな毒を用意するなフォークを投げるなロードローラーをいじるなスタンガンを構えるなマシンガンを装備するなあぁ!!」
「「「「「「お前は黙ってろ」」」」」」


カヨは鋏を構え(砥石はどこへ)、
マルガリータはギフトを用意し(致死性)、
私はフォークとナイフとスプーンを構え(あ、投げちゃった)、
リリアンヌはロードローラーに乗り込み(黄色い)、
アレンはスタンガンを構え(百万ボルト)、
グミはマシンガンを構えた(百連発)。


「助けて!!あ、一人だけ暢気にお茶してる!!おい助けろ!!」
「はぁーツッコミ疲れた…」
「疲れてるんじゃねぇ!!ってぐわあああああああ!!!」


ガレリアンは皆の攻撃を一度に受け、気絶。
自分で言うのもなんだけど…ご愁傷様。


「覚悟おおおお!!」


あれ？
マルガリータが何故か第一の毒を振りまいた。

ほほう…裏切るというのね…!!


「おもしろいじゃない…!!」


私はナイフを構える。


「人参の仇!!」


カヨは意味のわからないことを叫び、鋏を沢山取り出す。


「皆敵よ!!くらいなさい、チーフスペシャルの威力を!!」


グミはチーフスペシャルやマシンガンやリボルバーやウージー９ミリ・サブマシンガンやルガーＰ８５やコルト・ガバメント８ミリ口径や回転六口径１０２８式の拳銃やカジュアル２０００・オートマチックなど…
とにかく、凄くたくさんの銃を取り出した。
どっからでてきたの、それ。


「「そら行くぞ!!下剋上!!」」


アレンとリリアンヌは他のＰの曲を叫び、ロードローラーで応戦。



「ヴェノマニア、あんたも参加しなさい!!」
「俺は興味ないし、武器ないけど」
「あんたはマシンガントークでいいや」
「丸腰じゃねぇか!!!」



そう、これから始まるのは大根ぶっかけ大会などではない…
戦争だ。