注意:オリジナルのマスター、実体化のカイトとメイコが出て来ます。
   カイメイです。そして短いです。
   苦手な方はご注意の程を。





「はい、メイコさん。これあげる」
 そんな言葉と共にカイトが差し出したのは淡い水色の封筒。
「って、同じ家に住んでるのに、何で手紙?」
「んー、書きたかったから、じゃダメかなあ?」
「ま、良いけど」
 いぶかしみながらもメイコはそれを受け取った。



「ったく、何よ、手紙なんて…」
 言いたいことがあるなら直接言えば良いのに、と思いながら、部屋に戻ったメイコは早速封を切る。
 淡い青の封筒の中から出てきたのは、淡い紅色の和紙製便箋。
 好きな色の取り合わせに、思わず口元を綻ばせながら、メイコは四つに畳まれていた便箋をゆっくりと開く。
 紅の上には、はっきりした墨痕で、丁寧に、シンプル極まりない言葉が書かれていた。
『メイコさん、だいすきだよ』
 ぶ、とメイコは吹き出してしまう。

 言葉とも歌とも違う。それは見えるカタチで残る思い。

「…莫迦」
 青い封筒に口付けて、便箋共々、…そっと胸に押し頂いた。



「本当にやったんだね…」
 呆れた口調でマスターに言われて、カイトは照れ笑いを浮かべながら答える。
「マスターが教えてくれたんじゃないですか」
「まあ、そうだけれどね」
「僕はただ実行しただけですよ」
 本当にやるとはね、と、マスターが苦笑いを浮かべて呟いた。




 書いた言葉は目に見えるだろう?
 お前たちの歌と同じで、墨で書いた文字は、千年の時を経ても、残り続けるんだよ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

残る言葉【カイメイ】

手紙を出したことを思い出していたら、思わず書いていました。

閲覧数:1,267

投稿日:2009/08/23 16:37:01

文字数:676文字

カテゴリ:その他

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  • wanita

    wanita

    ご意見・ご感想

    はじめまして。wanitaと申します。
    素敵ですね。和ませていただきました。
    たまにはアナログで文章を書いてみたくなりました☆

    2010/04/20 23:10:09

    • 西の風

      西の風

      >wanitaさん
      はじめまして、コメントありがとうございます!
      和んでいただけたなら幸いですよっ。
      たまにはペンや鉛筆で文を書くのも良いものですよね。そう思っていただけて嬉しいです。
      楽しんでいただきありがとうございました!

      2010/04/21 00:55:35

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