「リン」
「どうしたの、レン?」
「ミク姉、大丈夫かな?」
「分からねえ。マサ兄のことがあったから、絶対万全の状態じゃ無えと思うけど…」
昼食を食べ終え、ミクがライブの練習に出かけたあと、リンの部屋で二人が話していた。ミクがライブの練習に出かけたということは、恐らく3月のライブを中止するつもりがないということだろう。しかし、ミクの心中が穏やかで無いのは、状況を考えれば誰が推測しても分かる。
「…ミク姉、辛いんだろうね」
「だな」
二人とも、自分の大切な人が雅彦の様な事態に遭ったことは無い。きっとミクは、今すぐにでも雅彦の元へ行って、そばに付き添って看病したいだろう。しかし、今のミクの立場は、そうすることを許された立場ではない。
「ねえ、レン」
「どうした、リン?」
「私たちに何かできないかしら?」
「俺たちにか?」
「ええ、ミク姉は、今、きっと不安で仕方無いはずよ。マサ兄が助けられないなら、私たちが助けないといけないと思うの」
「…だけど、俺たちにマサ兄の代わりが務まるかな?」
疑問を呈するレン。確かに、雅彦とミクの繋がりは、ほかの五人と同じ、いや、もしかするとそれ以上に強いかもしれない。雅彦とミクは、互いに控え目な性格のせいか、KAITOとMEIKOの様に人前でスキンシップすることはあまり無い。しかし、目立たないものの、雅彦がミクの部屋に入って行く姿や、その逆を、もう何回も見て来た。きっと雅彦とミクは、二人だけで色々な話をして、リンやレン、他の五人がうかがい知ることのできない、非常に強い絆ができているのだろう。雅彦とミクは、互いが互いの足りない所をしっかりと補完できる関係だと思っていた。互いの言葉の節々には、しっかりと相手を信頼していることがうかがえた。そこまで強い二人の関係は、そう易々と替わりが務まるとは思えない。
「…レン、確かに私たちじゃ、マサ兄とミク姉の二人ほどの絆はないかもしれないけど、今は、誰かがミク姉を支えないといけないのよ。替わりが務まる、務まらないの問題じゃないわ」
力説するリン。確かに、リンのいうことも一理ある。
「…そうだな、誰かがやらないといけないよな」
「でしょ?」
「俺たちは、いつもマサ兄の世話になってるから、今回のことで、そのお返しをしないといけないな」
「そうよね?」
リンとレンは雅彦に時々相談することがある。その時は雅彦はどのような状況でも、いやな顔一つせず、親身になって相談に乗ってくれるのだ。
「だったらさ、俺たちで何ができるか考えねえか?」
「そうね、マサ兄みたいに、しっかりと計画を立てておいたほうが良いわね」
そういうリン。すると、レンのお腹が鳴る。
「…なあ、リン、それを考えるのはおやつを食べてからにしねえか?」
「…もう、レンったら…、これからって時に、気が抜けるじゃない」
呆れたようにリンがいう。
「でもさ、腹が減っては戦はできぬっていうしさ…」
「確かに、それはいえているかもしれないわね。分かったわ、おやつを食べて、一息ついてから、考えましょう」
そんな話をしていると、部屋の扉が開く。
「二人とも、おやつの時間よ」
「お、グッドタイミング」
「レン、どうしたのよ?」
「なんでもない!」
「…一体どうしたのよ?」
「そんなことより、めー姉、今日のおやつ何?」
「今日のおやつはね…」
そういいながらキッチンへと向かう三人だった。
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MVライフ
A
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B
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声を振り切れたのなら
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古蝶ネル
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「僕の家族の歌で君が愛を大事にすればいいのに」
そんなことを言って本心は欲しかったのは共感だけ。
欲にまみれた常人のなりそこないが、僕だった。
苦しいから歌った。
悲しいから歌った。
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そしてまた膨れていくばかりなのは
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嫌な夢だけ現実になって消えたくなる
体調不良を引き起こしては斃れ
それで全てが終わりになればよかったのに
吐き散らかされた豚がらのパニ...知性のある非ホッグ

出来立てオスカル
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ゆらり瞬いた 暗い輝き
大事に包み込む
壊れないように 揺るがないように
(間奏)
Aメロ
独りごちる夜書いた詩(ポエム)
掻き鳴らす私のSOS
ふらり泳ぐ深海で
ふわり滑る深空で...愛哀藍

kuruton
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