うぶごえも小さかったから
声を出すのもためらい続けて
知らないまま見ないでいた
無いものをねだらなかった
欲しいかもわからなくてずっと
いらないからしないでいた
隙間から差し込むように届いてた
見過ごすつもりだったのに
呼ばれた気がして耳を澄ましていた
あたたかい声にいつの間にか眠ってた
表情も小さかったから
口にするのも迷い続けて
言わないまま遮っていた
有るものが全てだったから
好きなのかわからなくてずっと
意味ないなら塞いでいた
物陰から漂うように届いてた
立ち去るつもりだったのに
問われた気がして口を開いていた
冷たい声になんだか意志が灯った
感情が幼かったから
意味を為すのも忘れ続けて
間違うまま歌っていた
音はすぐ消えていったから
どこまでかわからなくてずっと
暗闇へと響かせてた
心根から染み込むように聞いてた
置いてくつもりだったのに
触れてる気がして指を手繰ってた
凍えた喉にほんのり熱が躍った
泣き声も弱音も静かに拾い上げて
確かな歌声に紛れ込ませてくれた
色の無い感覚が少しずつざわめいてく
涙が痺れを取り去って鼓動を思い出す
小さく小さく指を振るようにうたう
どんなに近くに居ても誰も気付かない
なのにどうしてそんなに笑顔でいるの?
エコーみたいな声が重なって孤独が揺らぐ
大きな大きな世界震わすようにうたう
こんなに狭くて今も誰も見つけない
だけどどうしてそんなに楽しそうなの?
意味も無いのに声が寄り添って気持ちが満ちる
きっとまだ産声の途中なのに
寄り添ったまま手を離そうとしない
握りしめた呼吸のようなリズムだけ
どこに居てもそばにいるのが分かる
ずっと歌いたかったんだ
ずっと震わせたかったんだ
動かないと思っていた感情が
わがままに泣きながら紡ぐ歌
とても不器用で単純で拙い
君に手渡す始まりの歌だよ
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