惑星、空、浮かぶように、中性。
ホワイトボードの、もう消えない足跡。
鍵を開けるパスワードは、とっくの昔に忘れてしまった。
私を操るコントローラーは、狂って、
ずっと、右斜め前を走る。
消える言葉の端から端まで、不幸から幸せを。
そっちにいくなと、電源を切った。
夜よ明けないでくれ。
床に散らばるパズルのピース。
隅に放られた人形は人間ではない。
このまま排水溝に、水と一緒に溶けて流れて、
顔を歪めるような滑(ぬめ)りと、その悪臭に。
もう、海岸線には誰もいない。
お前がどんなに美しく沈んでも、光に溶けあっても。
どんなに望んでも、世界は一生無音のまま。
君からの便りにコーヒーをぶちまけて、
もう全部嫌になってしまったんだ。
銀河、綺麗に、漂うゴミが、綺麗で。
ストレートの、直線の、描けない、胸糞悪さが。
許しを請う結晶がまだ私の中に残っている。
薬瓶、雷鳴、雪のように、尖って。
ビデオカメラに、映らない鳥。
ただなぞるだけでは、消滅していく。
その線に沿って。
油まみれになって、ライターの先を指でかすめる。
何もいらないのに、なぜ与えたんだ。
目を裏側に回してみても、眩しい嫌悪がある。
流星、鍵盤、零れるように、拾って。
封鎖した部屋から酸素が尽きて、
分裂しそうな身体に。
踏みつけた影が、どろどろになって絡みつく。
カレンダーの数字が、逃げていく。
泣いたふりならもうやめてしまえ。
いっそもう、泣いてしまえよ。
一度失敗したら、最初からやるしかないだろうが。
涙に濡れた手で、私に触るな。
けたたましいサイレンの音に共鳴するように、
私が死ぬ呪文を唱える。
真っ黒な虹の橋を渡った先に、虫の様に動くテールライト達が。
貴方の世界の折り目に落ちて、堕ちていく。
安らかな眠りにはもう飽きたのだから。
だから、どうか夜よ
明けないでくれ。
眼鏡をはずしたほうが、君はきれいだよ。
そのままモザイクの、曇る世界を一緒に生きてくれないか。
私はもういないのに、
世界はまだ動いている。
ボールペンの狂気をカチカチと鳴らす。
突き刺す痛みは、その視線は、
一体誰のものだろうか。
柘榴(ざくろ)の肉を焦がす、その火が燃やす。
消えない火種は、
私の醜い心であってくれ。
皮をはがしたその中は、
嘘にまみれた、腐りかけのガラクタの山。
さあ、一番輝く刃物を持て。
一番苦しめそうな薬を選べ。
一番脳が揺れる鈍器を構えろ。
バリケードを破壊しろ。
そして今すぐ、優しい人を。
お前が大嫌いな、優しい人を。
ほら、夜が明けるよ。
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