やぁ諸君。吾輩は猫である。




 実は先日、とてつもなく驚きなことと、吾輩にとって有意義なことがあったのだが、それについてはまた今度話すとしよう。




 今日はやはり、あの双子のことを話さなければなるまい。吾輩自慢の土鍋タワーを木端微塵にしおった、あの忌々しい黄色い双子について…。






    ☆         ☆         ☆        ☆         ☆


 ○月☓日 ☓曜日 天候 曇天

 今日はどんよりと曇った空だ。

 こういった空の日は必ず嫌なことが起こる。吾輩の経験からくる勘は99.99999999999999999%当たる。

 そんな雰囲気を吹き飛ばすかのように、明るく響いた声がある。


 「あ~っ!!猫ちゃ~ん!また会ったね~!!」


 そう言って軽い足取りでかけてきたのは、初音ミクだ。…普通の猫ならこの速度で駆け寄れば、驚いて逃げていくであろうことをこの少女は知らないのであろうか。


 「何やってるの~?ヒマなら私のうちに遊びに来ない~?えっ、ナンパみたい?えへへ~よくいわれちゃうんだ。なんでだろね~?」


 別にそんなことは言っていないが。やはりこの少女、かなり天然だな。…それともまさか、実は吾輩が人間の言葉を理解していることに勘づいていながら、それを隠すために天然なフリをしているだけなのだろうか?

 しかしこの調子ならば、今日は何事もなく終わりそうだな。たまには0.00000000000000001%のほうが当たることもあるのだな。

 そう思った吾輩であったが、次の瞬間にはやはり吾輩の勘はよく当たることを確信したのである。

 遠くのほうから地鳴りが聞こえてくる。重機がやってくる音、それもかなり重量級のくせにかなりの猛スピードだ。

 早くもミクが呆れている。


 「リンったら…またあれを乗り回してるんだ…猫ちゃんっ、かわして!!」


 突然ミクが横っ跳びしたので、吾輩もあわてて軽やかに横っ跳びした。

 と、次の瞬間、吾輩がいた場所を大きな黄色い重機が通過―――いや蹂躙していった。

 吾輩はあいた口がふさがらなかった。何だあれは。

 すると、ミクがまるで吾輩の疑問を見透かしたかのように話し出した。


 「ごめんね猫ちゃん…びっくりしたでしょ?あれは私の妹分・弟分である鏡音リンと、鏡音レンが乗り回してるロードローラーよ。あの子たちはまだ十四歳で、音波技が使えないからって、メイコ姐が買い与えちゃったんだ。『てきと~に乗ってなさいよ』とか言って…。」


 また酒女のメイコか。あの女、相当面倒な性格をしているようだな。

 そんなことを考えつつ見ていると、ロードローラーはUターンし、吾輩たちのいる場所までゆっくり戻ってきた。

 そこから降りてきたのは、金髪碧眼の男女の双子であった。女子のほうは頭の大きなリボンが、童子のほうはぼさぼさの前髪が特徴的だった。

 ミクが女子のほうに話しかけた。


 「も~リン~?危ないでしょ~!?あたしと猫ちゃんまで轢き殺すつもり~!?」

 「えへへへ…ごめんごめんミク姉。ミク姉なら簡単によけてくれると思ってさ~。」


 こちらの女子のほうが「鏡音リン」か。


 「いやいやリン…最初からよけようぜ。」


 ということはこちらの的確な突っ込みをした童子のほうが「鏡音レン」だな。


 「…で、何この子猫。」

 さらりとリンが失礼なことを言った。この吾輩のどこが子猫に見えるというのか。


 「リン、これ子猫じゃないよ。立派なロシアンブルーの大人の猫だよ。そうだろねこ助?」


 リンの間違いを的確な突っ込みで正してくれたレンに一度敬意を示しかけたが、吾輩をこれ呼ばわりするとは、余計に失礼な奴だ。しかもなんだ「ねこ助」って。吾輩に名前など必要ない。


 「おとといあたりメイコ姐が言ってたでしょ?『きれいな毛色のロシアンブルーに出会った』って。私もカイト兄さんもこの猫ちゃんに会ったんだよ。ここ数週間、よく見かけるんだよ。」

 『へ~?』

 「メイコ姐が初めて会った時、酔っ払って撃ったメイコバ―ストを軽々よけたんだって!すごいでしょこの猫ちゃん!」

 『ふ~ん、そう。』


 …ことごとく失礼な双子だ。しかも息がぴったりだから余計にムカつく。さすがの吾輩も少し腹立たしくなってきた。

 次のリンの一言が、吾輩の堪忍袋の緒を千切れさせた。


 「でもさ、所詮猫じゃん?あ、こいつの名前ねこ助で決定ね!」


 ブチィッ!!

 吾輩をなんと心得る!?「世界最強のロシアンブルー」とは吾輩のことぞ!?しかもなんだそのねこ助とは!!この吾輩に釣り合う名前など存在いないから必要ないといっているのだ!!許さぬぞ!!

 完全に怒り心頭になった吾輩は、全身の毛を逆立て、旅を始めてからずっと封印してきた「力」を解放しようとしていた。だがその前に、一太刀浴びせてやる!!


 「ぎにゃあおぅ!!」


 吾輩はリンとレンに跳びかかり、ひっかこうとした。

 しかしリンとレンは寸分違わぬ動きでこれを交わした。かわしきれなかった前髪の先っぽが、ひらりと散った。

 これを受けて、リンとレンも怒り心頭になったようだ。


 『こんのクソねこ助がああああああああああああああああああああああ!!!!!!?』


 二人はロードローラーに飛び乗り、急発進、急ターンから吾輩に向かって突っ込んできた。

 吾輩は力を全開にし、この二人をふっ飛ばすつもりでいた。

 とっさの出来事に「七色の声」を撃つタイミングを逃してしまったミクは、おろおろしている。だれも止める者がいないまま、吾輩とロードローラーは互いの眼前まで接近した。

 しかし、その時、横から鋭い声が響いた。


 「喰らえメイコ様最強必殺!!メイコバ――――――――――――――ストぅ!!!」


 「キアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 ものすごい音の塊が、リンとレンの乗ったロードローラーを直撃した!!そのままリンとレン、そして切り刻まれたロードローラーの残骸は、十メートルほど吹っ飛んで行った。

 ギリギリで音の塊が当たらなかった吾輩は、あまりの驚愕に「力」を引っ込ませてしまった。同じようにミクも目を丸くして音の塊の来た方向を見ていた。

 その方向には当然、メイコがいた。

 メイコは歩いてきて、おろおろするミクに対してにかっと笑った。


 「だいじょうぶ。パワーは七割がたセーブしたから。」


 あれで七割がたセーブなのか…。カイトが以前言っていた、「ヴォカロ町の迫撃砲」の異名は伊達ではなさそうだな。

 メイコは、起き上がってガタガタしているリンとレンの耳をつまんで、ぎりぎりとつねった。


 『あいたたたたたたたたたたたたたたたたたた!!!!』

 「ん~?何にあいたいの~?死神~?」

 『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいでゲソ!!!!』

 「イ○娘の真似しても許さないわよ~。『てきと~に乗ってなさい』とは言ったけど、猫を轢いていいとは言ってないんだからな―!!!!たっぷり絞ってやんぞコラ!!」

 『めーちゃんまた酔ってr』

 「アア!?なめた真似すっと轢くぞロードローラーで!!」

 「それ僕らの歌の歌詞じゃn」

 「黙らんかボケぇ!!」

 『あいたあ!!』

 「なんであたしまでぶt」

 「口答えすんじゃねぇぞオラ!!!」

 『鬼めーちゃんだ―!!(泣)』 

 「黙れっつてんだぁ!!!もーロードローラー買わねーぞー!!」

 『わ――――――ーん!!!ゆーるーしーてぇぇぇぇぇぇ』

 「おら行くぞコルア!!…じゃあねぇ猫ちゃん。あ、ミク、悪いけど芋焼酎買ってきてくれない?10本。お金は後で返すから。じゃっ。」


 そのままメイコは、リンとレンの耳をつまんで引きずって行った。

 あとに残されたミクと吾輩。

 ミクはしばらくして口を開いた。


 「…ご…ごめんね…いつも騒がしくて…。あ、でも他にも静かな人いるから!また今度私のうちに遊びに来てね!」


 そのままミクは財布の中身を確認しながら去って行った。


 今日はやたらと疲れた…。あの双子には今度から要注意だな…。


     ☆         ☆        ☆         ☆         ☆






 あの後風のうわさで聞いたのだが、リンとレンは一生懸命バイトに励み、更生したかのように見えて、実は新しく最新式のロードローラーを自分たちの手で買うために奔走していたらしい。




 こないだ吾輩の第32548代住居、土鍋タワーを破壊したのはその最新式らしい。




 まったく、迷惑な双子だ。




 むむ!?この地鳴りは…ロードローラー!?吾輩の土管城に向かっているじゃないか!!




 諸君、また会おう!!…ああ、早く行かねば、土管城が破壊される!!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

猫から見たボカロ~黄色い双子~

どうもこんにちは。Turndogです。

イヤーはた迷惑ですねこの双子はwww

まるでしつけのなってない中学生(←いやすごすぎだからwww

そして再びきたメイコバ――――――――――――――ストぅ!!
これで七割セーブですか。
ロードローラーがハンバーグになったよ♪

…それにしても、猫の正体が気になりますね。
次回、すべてが明らかに!!

その次回ですが、今までと違いかなりシリアスになります。
覚悟しておいてくださいな。

乞うご期待!!


◎猫から見たボカロQ&A

Q.猫はどうやって住居を作ったり直したりしてるの?
A.前足と頭としっ…え、これ以上言うな?だそうです。

Q.猫の運動神経はどれぐらい?
A.チーター+ヒョウ+オオカミ+クマ+ティラノサウルス+…つまりめちゃすげぇ!!

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閲覧数:372

投稿日:2011/12/17 16:30:58

文字数:3,827文字

カテゴリ:小説

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  • 青蝶

    青蝶

    ご意見・ご感想

    猫すごすぎだろwwwwww

    そして双子がwwww双子がいろんな意味で暴走しまくってますねwwww
    メイコバーーーーーーーーーーーースト!wwwww

    2012/11/04 16:35:24

    • Turndog~ターンドッグ~

      Turndog~ターンドッグ~

      だって猫m(ryですから!

      だってリンとレンは暴走が似合うし―(棒
      そして自業自得が似合いそうなのもリンちゃんd
      リンちゃん「アア!?」
      ごめんなさいごめんなさいごめんなさいでゲソ!!

      2012/11/04 19:56:15

  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    こっちのめーちゃんはロードローラー買ってくれたんだww

    しかし、迫撃砲でハンバーグにしちゃったら、意味ないのにwww


    次回のシリアスなお話はいったいどんなことがまちうけているのだろうか!!どどーん!!

    2011/12/17 16:39:47

    • Turndog~ターンドッグ~

      Turndog~ターンドッグ~

      すんません買わせましたwww

      せっかく買ってもらったのにリンレンの自業自得で飼ってくれた本人の必殺技で大破、なんてのがあったらおもろいかなー、とwww

      さてそろそろ作り始めるか…桃髪美人のあの人と猫の出会いを…。

      2011/12/18 14:10:30

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