私はミク・ツマネ。
歌を奏でられる者のみが住むことを許される国にあるオンプの森に住んでいる。
私は捨て子。誰が本当の母なのか知らない。
拾ってくれたのは、ハク・ツマネ。
優しくて料理が上手でちょっぴり酒癖が悪いのが玉に瑕な私の大好きなママ。
「ミク?どうしたの?そんなにニコニコして」
「ううん。何でもないよ」
私は今の生活がとても楽しい。
これ以上楽しいことを望むと神様に罰が当たるんじゃないかってくらいにね。
森には少ないけど住んでいる人がいる。
その人たちも優しくて…私は幸せ者だな…
「ミク~!!いるかぃ?ミク~!!」
「ん?ネルちゃんが呼んでるんじゃない?ミク」
「あ、ホント。じゃあちょっと行ってくるね」
ネルってゆーのは私の親友。
ネル・アキターヌ。
私より少し年上だけど、すごく仲良くしてくれる。
「どうしたの?ネル」
「いやね、今そこまで郵便屋が来ててさ。アンタに渡しといてって頼まれたんだ」
「手紙?一体誰から…」
その手紙の宛名は『ボーカロー城』と書いてあった。
「お城から?」
「何て書いてあるの?」
「んーと」
内容はこんなことが書かれていた。
『ミク・ハツネーヌ殿。私はボーカロー城の女王、ミキ・ボーカローと申します。今回あなたに手紙を届けたのは、城に来て欲しいからです。この手紙が来てから5時間で城に来て欲しいです。お待ちしております』
「ミク…城ってヤバイよ!今スンゲー噂になってんじゃん!!城から招かれた者は生きて帰ってこれないって!!絶対行かないほうがいいって!」
「んー…でもさぁ…なんでわざわざ手紙で、しかも私なんかを城に招くんだろ?」
「そりゃ、女王の暇解消のため目の前で処刑…とかじゃない??」
「んー…でも…なんかこの字からして急用っぽいし、私行ってみる!!」
「やめなって!!ハクも心配すんだろ!!」
「母さんにはちゃんと説明するからさ!!」
「んもー…しょーがない子だなぁ…」
だって…ひょっとしたら王女様は困っているのかも知れない。
「母さん!!お願い!!」
「お城から…ねぇ…」
「もしかしたら、ホントに困ってるのかも!!」
「…ちゃんと…生きて戻ってくるのよ…」
「え?」
「いつでも待ってるわ!!この家で!!いつになっても構わない。あなたは用が済んだら生きて帰って来なさい!!いいわね?」
「うんっ!!」
こうして私は旅立つ準備に取り掛かり村の皆に挨拶をすることにした。
「皆いままで本当にありがとう!!大丈夫!私は生きて必ずこの場所に帰ってくるわ!!」
「絶対だよ、ミクちゃん」
「そうよ、あんたの歌がもう聴けなくなるのは寂しいけど…ちゃんと帰って来てね」
「ミク…」
ネルは泣きながら私に抱きついてきた。
「約束だよ…絶対に、死んだりしないでよね…じゃないと…怒るだけじゃすまないよ…!!」
「大丈夫。私はまた帰ってくるって」
「ミク」
「あ、母さん」
「5時間で行くなんて大変だと思うけど…きっと生きて帰って来てくれるわよね?」
「もっちろんっ!!じゃあ…いってきます!!」
「「行ってらっしゃい!!」」
私は一度も出たことのない森の外へ足を踏み入れた。
城までかなり時間が掛かるけど、皆の笑顔を思えば楽勝だよね!!
でも…ひとつだけ気がかりなことがあるんだよな…
私はミク・ツマネ。
でも…手紙には『ミク・ハツネーヌ』と書いてあった。
一体…どうゆうことだろう…
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