愛されたい　愛していたい
夢中の取引は
禁忌の箱の封印を
解いた

刹那の視線で始まる
夢物語
優しい其の声に
心を奪われる

囚われたお姫様は
王子様の助けを
待ちてただ運命に
其の身を削り続ける

嗚呼　あの声を「捜して」
優しいあの声を「早く」
追い求め続ける
終わらない【夢物語】

必ず救い出すよ
囚われの愛しい人
【物語】の【結末】は
美しく改竄される

響く声に惹かれて
向かった先に
待っていた者は
招かれざる客

嗚呼　あの声は「気付いて」
確かに目の前に「お願い」
偽りの君が
紡ぎ出す【偽物語】

あの声だけが頼り
【虚像】の【夢物語】
罠に堕とされた貴方は
美しく血を流す

ねぇお願い　気が付いて
【本当】の私は此処に
ねぇもしも　聴こえるなら
返事をして「ああ聴こえるよ」
貴方の【声】を……「君の【声】が――」

抉られた傷を
舐め合うように
一夜の【夢物語】は
美しくよみがえる

羅針盤が指す先
幸せの【物語】は
【永久の筋書き】を手にして
美しく紡がれてく