少年は超巨大タコにマグロを差し出そうとしました。しかし超巨大タコは少年の存在に気づいていません。少年は超巨大タコを力一杯マグロでつつきました。やっと超巨大タコは少年の存在に気づきました。しかしどういうわけか、超巨大タコはそれを攻撃してきたものと認識してしまい、少年を足ですくい上げてしまいました。
あまりにも急だったために少年はマグロを手放してしまいました。けれども少年は身動きがとれません。
逃げたはずのマグロが海面からでてきました。そして少女も出てきました。一部始終を見ていた少女は少年の意図を理解し、手助けしようと思ったのです。
少女は声を張り上げて超巨大タコに呼びかけ、その口の中にマグロを放り込むことに成功しました。
すると超巨大タコは満足したのか、海の中に戻っていきました。
海に放り投げられた少年は、一安心しました。しかし次の瞬間少年はとんでもないものを見てしまいました。
海に潜っていく超巨大タコの足の一つに少女が下敷きになっていたのです。少女は何とかして足をどかそうとしますが、あまりにも重いのでびくともしません。次第に少女の息も苦しくなってきました。
そしてついに限界に達し、気を失いかけたとき手を伸ばしてくる少年の姿を見ました。
少年が気を失った少女を巨大タコの足から救い浜辺まで連れていったとき、そこには国中の人々が集まっていました。
人魚である少年の姿を見ておびえたり、たいまつを持ってくる人までいました。
しかしそれをおさめたのは国王でした。国王は少女に教えた歌のように、人魚は純粋で一途な生き物だと信じていたのです。
国王は少年が背負っていた少女を抱き上げ、少年にも手を差し出しました。
しかし少年は手を取りませんでした。目を覚ました少女が人魚だと言うことを黙っていた自分をどう思っているのか、真実を知るのが怖かったのです。
少年は逃げるようにして海に潜っていきました。
少年は姉のもとに帰りました。姉は弟の帰りを喜びましたが、弟がふさぎ込んでいるのを見て心配になりました。その理由を尋ねようとしたとき、少年のところにあの超巨大タコが現れました。と言っても今は巨大どころか手のひらサイズにまでなっていました。どうやらマグロの飢えがひどくなるほどに巨大化していたようです。
手のひらタコは少年が自分のせいで人魚に戻ってしまったことを謝りに来たのです。そしてお詫びとして声を返してあげました。
声を取り戻した少年でしたが、もう少女の元に戻るつもりはありませんでした。けれども少年は少女のことを片時も忘れませんでした。
少年はつらそうに見えました。それを見ていた姉はとても心が痛みました。
何かしてやりたいと思いますが、なにをしていいのか分かりません。そして考えに考えて、少女に会いに行くことを薦めました。
少年は何度も首を横に振りました。そんな弟を見て、姉はついにキレました。
「あんたいい加減にしなさいよ。会わないならその子のことは綺麗さっぱり忘れなさい。いつまでも不幸オーラ出しまくってんじゃないわよ。正直うっとうしいのよ。
あの歌の人魚だってそう。待ってばかりいないで自分から押し掛けていけばよかったのよ。うじうじ泣いて待ってるなんて、ばからしいにもほどがあるわ。
で、あんたはどうすんの?このままあの人魚の道をたどるのか、それとも選択しなかった未来に進むか」
少年ははっとしました。
少年は少女が自分を助けてくれた歌声の持ち主を捜していたことを思い出したのです。雨が降っていても、どんなに寒くても少女は毎日海へ向かい、少年を待ち続けていたのです。
少年は少女が教えてくれた歌を思い出しました。その歌の人間は手遅れになるまで人魚が待ち続けていたことを知りませんでした。しかし少年の場合はどうでしょう。そして今も少女は少年のことを一人で待ち続けているのかもしれません。
少年はいてもたってもいられませんでした。姉に一言告げると、急いで海の上に泳いでいきました。
弟を見送った姉はほっと息をつきました。
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