僕は帰りの用意をしながらチラッっとグミヤの方を見た。グミと楽しそうに話している。ソレを見て僕は少し安心した。どうやらあの2人は仲直りしたようだ。
「レ~ンッ!!何、見てるの~?」
「ううん、何でもないよ。」
僕は笑って答えた。リンはちょっと不審な目で僕を見たが何も聞かなかった。
「まっいーやー。レン帰ろう~♪」
「うん。」
リンは先にグミヤたちのところへ走って行った。リンは、小さい頃から一緒に居る。世間では、僕とリンの関係を幼馴染と言うのだろう。でも、僕はリンに対して幼馴染といより大切な女の子としての感情の方が強い。
「レン~早く~!!」
「ちょっ、ちょっと待って~!!」
僕は慌てて教科書をカバンに詰め込み走った。
「ごっ、ごめん。」
僕は少し息切れしながら3人に謝った。髪の毛もちょっとボサボサだ。
「レン、大丈夫か?」
「うん。」
グミヤは、見た目より結構、優しい。グミヤは明らかにグミが好きだ。でも、気持ちは当分言うつもりはないらしい。告白するより、好きになってもらって、告白されたいらしい。でも、グミは相当、鈍感だからいつになるのか僕はちょっと楽しみだ。
僕とリンは家が隣同士だ。僕とリンの部屋はもうくっついていると言ってもいいぐらい近い。窓と窓をまたげばお互いの部屋に入れる。
「じゃあね~♪」
「うん。」
僕はドアを開けて、家に入り階段を上って自分の部屋の中に入った。そして僕は、カバンを開けて宿題を取り出した。こういう物は手っ取り早くやっちゃいたい。
ーふ~やるか!!
30分して、僕は宿題をやり終えた。なんかちょっぴり達成感。そんな僕は、チラッっと隣の部屋を見た。その光景は驚愕だった。カーテン越しに、男のシルエットが見えた。
ーこの30分に間に何がっ!!?
僕は、そこから目が離せなくなりジッとリンの部屋を見つめていた。すると、僕の視線に気がついたのかリンがコッチを向いた。
ーげっ、しまった!!
「あっ、レン!!」
僕は窓を開けて、リンに返事をした。風が一気に入ってきてちょっとビックリした。
「リン、何してるの?」
僕は何でもないような声を出して、リンに尋ねた。
「今ね~相談にのってるんだ。」
「そっ、相談!?」
ー何の相談!?まさかリンと付き合うとか、そういう相談!?
僕の頭の中はプチパニックを起こしていた。すると、カーテンを開けた音と男の声がした。
「レン、何してるの?」
「へっ・・・あっ!!ミクオ先輩!!!!」
「レン、ミクオ先輩の相談、一緒にのってくれない?」
「へっ、あっうん・・いいよ。」
僕は安心しすぎて、変な声で返事してしまった。
「お邪魔します。」
僕は窓をまたがってリンの部屋に入った。
「どうぞどうぞ~♪」
「でっ、相談って?」
「それがね~、最近ミク先輩の機嫌が悪いんだって~」
「ミク先輩の?」
ミクオ先輩とミク先輩は、学校でも有名なカップルだ。
「ミクオ先輩!何か記念日とか忘れたんじゃないんですか~!!?」
「記念日・・・・・・・・・・・・あっ!!そういえば、コノ前の金曜日って確か2人が付き合い始めた日だった気が・・・。」
ーあ~、そりゃ怒るわ・・・・
僕が心の中で呟いたと同時にリンが怒鳴った。
「ミクオ先輩のアホーー!!乙女は記念日に敏感なんですよ!!今頃、ミク先輩寂しがってますよ!」
「先輩、行ってあげたらどうですか?」
「・・・そうだな。」
ミクオ先輩は立ち上がり、荷物を持って出ようとした時、リンはミクオ先輩を呼び止めた。
「ミクオ先輩、何かサプライズをしたら多分、ミク先輩喜びますよ♪」
「サプライズ・・・・分かった。」
ミクオ先輩は、ちょっと急ぎ足でリンの部屋を出てった。
「良かったね、解決して。」
「本当~♪」
「じゃっ、僕も帰るよ。」
僕が立ち上がって窓に手を置いた瞬間、リンが僕の手を引っ張った。僕は一瞬ドキッっとしながら振り返った。
「リン・・?」
「レン、お願いがあるの!!」
「お願い・・・・?」
「お願いって・・・コレね・・・・」
僕はガッカリしながら目の前の宿題を見つめた。
「ごめ~ん、分からない問題があって~」
僕は、仕方なく問題の解き方を説明した。
「これで、答えがでるよ。」
「そっか~すご~い!!」
僕とリンは同時に顔を上げ、顔の距離が数センチだった。僕は、瞬時に視線を逸らし回避した。すると横からお母さんの声がした。
「レン~お客様よ~」
「えっ、誰~?」
僕は窓から聞いた。
「グミちゃんよ~」
「グミ?」
「えぇ~」
「リン、ゴメン!!ちょっと行ってくるね~」
「うん。」
僕は、また窓をまたがって自分の部屋に戻った。リンが呟いた言葉なんて気が付かずに。
「レン・・・・好きな子とかいるのかなぁ~」
~続く~
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