悪ノ召使
昔々亜麻色の髪色をした可憐な王女様がいました。その横にいつもいるのは顔のよく似た召使い。とても悲しき双子の兄弟。
~14年前(0歳)~
僕たちが生まれたのは14年前。期待の中僕たちは生まれ、祝福の鐘の音。このときはずっと2人でいられると思っていた。
~9年前(5歳)~
「お母様!!どうしてあたし…わたくしたちを2つにさこうといたしますの?」
リンがお母さんつまり王女様に訴えている。しかし王女様はリンに聞く気などまったくないと言うかのように
「あなたはいずれわたくしが亡くなったらこの国の王になるのです。このようなものとばかりすごしていてはこの国をまとめれるような者になれないからです。」
「このような者とおっしゃいますがレンもお母様やわたくしとおなじ血が流れているのです。それにわたくしはレンがいるからとお勉強をさぼっている訳ではないでしょう」
「さぼっていなくともそのような言葉遣いをしろとは一言も教えてはいないはずです。こんなやつがいるからどんどん悪い方向へ向かってしまうのです。」
僕はただ見ていることしかできなかった。王女様…いやお母さんに反発することさえできない。どうして僕たちはもっと普通の生活ができない。どうして普通の姉弟らしく遊ぶことができない。
「今日はもう下がりなさい。この件については後に片付けるとします。」
あの日から5日ほど時が流れ王女様に忠告されたこともすっかり忘れていた。そして僕たちはいつものように遊んでいた。しかし突然王女様(お母様)が部屋に入ってきてリンをひっぱてドコカへ連れて行った。そのとき僕もリンも手を伸ばしていた。2人とももう会えないと感じたのだろう。しかし2人の手はあと少しのところでとどかなかった。
このあと僕は男の人に人とられた。そしてこのあとリンと再開したのは2人が12歳になった誕生日だった。
~2年前(12歳)~
ある日僕は7年前に僕を引き取った男に連れられ王宮へ行った。7年前以来だ。その1週間前に王女様は亡くなられ、その次の日に王女が引き継がれたらしい。ということは現在の王女はリンということになる。僕が王宮へ行っているのは王女の召使いに選ばれたからである。召使いということはこれからはずっとリンの隣に入れる。
~現在(14歳)~
「ねぇレン。どうしてあたしたちは普通の姉弟になれなかったのかな。どうしてあたしは普通の子供のように街へ遊びにいけないの。外の世界へ行ってみたいな。」
いつもこういう言葉を繰り返すリンの声は明るいものの表情はかなり悲しそうだった。でも僕ができることなんて1つも無かった。でもしょうがないことだった。リンは14歳だけどこの国の王女でしかも国民はそのことを認めていない。もし外へ出てその事がばれたらリンは何をされるかわからない。
「ごめんね…リン」
「どうしてレンがあやまるの?レンは何も悪くないじゃない。そういえばレンは一人で外に行けるの?」
と、リンが問いかけた。
「まぁそれくらいならできますね。ただ許可は必要ですが。」
「それならあたしといれかわったらあたしでも外に行けないかな?………だめ?」
確かに僕らは双子だしまったくできないことではない。ただもしリンに何かあったら…でもリンはこうでもしないと外へ出ることは不可能だ。
「明日1日だけでしたら…」
「ほんとう!?やったありがとう。レン」
リンは目をキラキラ輝かせて言った。もしリンになにかあったら僕が守るから。リンはその笑顔を絶やさないでくれますか?
~次の日~
昨日リンと約束したようにいれかわった。別に女装趣味とかないですからね?ただリンのためですからね?本当に王女的立場になってみたかったわけじゃないですからね?
「レン。こんな感じでいいかな?」
自分の前にいるのは確かにリンのはずなのにまるで鏡に映る自分のようだった。きっとリンも同じことを考えているのだろう。やっぱり僕たちは立場は違うけど双子なんだね。
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もっと見るこの物語は、一人の少年と手違い(?)で届いたVOCALOIDの物語である。
*
やっとだ。
息を大きく吸って、吐く。
そして、
「やっと届いたああ!」
と、思いっきり叫んだ。
隣の住民からうるさいぞーと、声が聞こえた気がしたが、気にしない。
やっと、届いた!VOCALO...【到着】二人三脚-1- 【えっと、お前誰?】
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