A
少女の足元には影
頼るものもなく
灼熱にすでに渇き飢えて、少女は独り立つ

A
少女の瞳には翳(かげ)
虚ろがこびりつき
灼熱はすべて奪い掠め、少女に襲いくる

B
孤独と幾星霜に苛まれた心には
何もない、もう何もない
すべて朽ち果てて、砂海(さかい)の下へ消えゆく

S
かつて自らが犯した過ちが
少女の首に縋り付き【その時】を待つ
渇き飢えた者たちから奪い掠めた糧だけが
今の彼女を生かし続ける
切れた唇が紡ごうとした言葉もまた
砂漠の風に連れ去られた


A
少女の眼前には空
瓦礫と地平線
灼熱がそっと溢れ零れ、少女を蝕んだ

A
少女の後ろにも空
廃墟と地平線
灼熱ももはや残り僅か、少女を焼き尽くす

B
悪意も為す術もない幼く弱い心では
止められず、ただ立ち尽くす
すべて朽ち果てて、砂海の下になるまで

S
かつて少女に宿った炎が
世界の息の根を止めて【その時】を待つ
溢れ零れた力はあと残り僅か滴って
今の彼女を生かし続ける
歪む表情が見せようとした懺悔もまた
砂漠の風に連れ去られた


C
倒れ伏す少女の周りには
茫漠と陽炎ばかり
贖(あがな)う相手もいないまま
少女は目を閉じる


S’
かつてある魔女が囚われた運命(さだめ)は
この世を砂へ変え【不完全な永遠(とわ)の命】を授(さず)く
運命(のろい)に蝕まれる少女は
望まぬままに世界を喰らい生きる…

S
かつて少女を生かした運命(ちから)が
彼女の首に縋り付き【その時】を告げる
渇き飢えた体から奪い掠めとられたのは
この世界のすべての生命
切れた唇が紡ごうとした言葉とともに
砂漠の風に連れ去られた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

少女は砂漠に独り立つ

少女にはある力が宿っていた。周囲のすべての命を喰らい、自らの命へと還元する力。少女は魔女と恐れられ、各地をさまよった。


お久しぶりすぎます。
力の暴走とか、わけのわからない当て字とか、誰も幸せにならないバッドエンドとか、【】とか、私の大好きな中二世界を久々にゴリ押ししました。とても楽しかったです。
あ、ちなみに「不完全な永遠」で「とわ」と読みます。



ふと少女があたりを見渡すと、この世界には少女以外誰もいなくなっていた。やがてその力は少女自身をも喰らいつくし、そして何処かへ消えていった。

閲覧数:173

投稿日:2015/08/06 02:18:19

文字数:694文字

カテゴリ:歌詞

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