僕がずっと前から、思っている事を話そうか。
友達に戻れたら、それ以上僕はもう望まないさ。
君が、それでいいなら…
これは、嘘つきの僕が吐いた――――
【はんたいことばの愛のうた 1】
今日の天気は、突き抜けるような晴天。
なのに、僕の中は土砂降りの雨。
グミヤと、別れた、から。
―――きっかけはグミヤのあの一言。
“もう会わないようにしよう”
一方的で、勝手な言葉。
僕の動きがびっくりして止まっている間に、グミヤは振り返りもせず去っていった。
もう会わない、なんて、付き合う前より酷い。
そんなに、僕の事が嫌いになった?
君の言葉と、君の顔と、君の去っていく背中。
その三つが僕の頭の中でメリーゴーランドの様にグルグルと回り続ける。
たったその三つの情報だけで、僕の脳内はいっぱいいっぱいだ。
ねぇ、君から貰った両手から零れでそうなほどの愛を何処に捨てればいい?
―――限りのある愛なんて、僕は要らないのに。
******
君のお陰で暇な毎日。
登校も、休み時間も、いっつも君と一緒だったから、君が隣に居ないと違和感がある。
「でも、僕はそんな毎日を満喫しているよ?」
なんて。嘘つきの僕はまた嘘をつく。
まだメリーゴーランドの中に、取り残されている癖にさ。
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もっと見る僕がずっと前から思ってる事を話そうか。
ずっと前から思ってたけど、ずっと言えなかった言葉。
「ねぇ、僕はずっと前から、いや、今でもグミヤの事―――…」
【はんたいことばの愛のうた 4】
「好き、だから…」
小さく呟いた言葉。
それは、ゆっくりと屋上の風に乗っかって―――、
「え…と、」
…グミヤの耳...はんたいことばの愛のうた 4
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2月6日。時刻は14時30分。今にも雨が降りそうな曇り空。
こちら、とある公園の西入り口。
「遅いなぁ・・・」
一人の少女がベンチに座って、ぼんやりと青く澄んだ空を見上げて呟いた。
一方、こちらはとある公園の東入り口。
「遅いなー」
一人の少年がベンチに座って側に居る鳩と戯れていた。
ひとつの公園に...【誕プレ小説】公園の罠【Dear 希来】
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私は自分と幼馴染にして、外見までそっくりなグミヤにそう告げた。 俗に言う〝告白〝というやつだ。まぁ、「両想いかもしれない」と、いう恋をしている女の子独特の思いを持って言ったのだが・・・ 例え、両想いだとしても、付き合うのは無理だろう。
なぜなら私は―――
『十面相』
なのだか...【私(君)の中の】十面相【住人は】
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「ねえ、最後に話をしようよ」
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『綺麗だ』そう思った。出会った時も、最期の時も君は綺麗だった。
煤けたカーテンに囲われて君はぽつりと、
「んー、そうだな...ボツネタ集
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ついに三人目のグミと会う日がやってきた。この日を複雑な思いで待っていた。楽しみでもあり、胸が締め付けられるようでもあった。それでも、二番目のグミを見た時、俺は少しだが彼女に惹かれていた。
「ぐううううみいいいいいやああああああああああ!!!!」
【私(君)の中の】十面相Ⅱ【住人は】
...【私(君)の中の】十面相Ⅱ【住人は】
姉音香凛
ぶわぁ。
「―…!」
桃色の花弁が風に舞い、僕の視界を埋め尽くす。それは少しの間続き、ようやく前が見えるようなった時だった。桜の木の下に整然と立ち、空を見上げる少女を見つけたのは。
…花の精、かと思った。
頭の中に浮かぶ、現実ではありえない考えを振り払う。だが、それくらい、彼女からは不思議な...桜吹雪のあとで
結菜
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