例え、世界の全てが。
 君の敵になったとしても僕は君の味方だよ。
 だから…… そばで笑っていてね。



≪悪ノ娘 Ⅱ【自己解釈】≫



「おい。お前剣の腕が鈍ったな?
 どうしたんだ?」
 アレンと剣術の修行しているもうひとりの方の人間が言ってきた。
 姉御肌の女性で、アレンの義姉弟である。
 彼女の名前をジェルメイヌという。
「そうですか?
 ……最近召使の仕事が増えたからかもしれませんね」
「おいおい。
 だからって剣術をやらないというのはダメだぞ?
 この国、いつ戦争を仕掛けられるか解らないんだからな」
「そうですね」
 そう言ってアレンは愛想笑いをして、再びジェルメイヌに攻撃を仕掛けた。
 ただ、それだけのこと。



***



「あぁ、シャルテット。ちょうどいい所にいたわ」
 そのころ、リリアンヌは廊下を歩いていたシャルテットに遭遇し、言った。
「あら、王女様。
 どうかなさいましたか?」
「シャルテット。
 ちょっと、書庫からあれを持ってきてくれないかしら?」
「あれ……ですか?」
「そうそう。
 エルフェゴート国の資料よ」
 エルフェゴート。
 西に面する、通称緑の国。
 ルシフェニアとは建前上仲はいい。しかしその関係はいつ崩れるかも解らない。天秤のような状態だった。
「エルフェゴートですが……。
 どうかなさったのですか?
 エルフェゴートになんか御用でも?」
「ええ。
 今度、アレンや大臣をエルフェゴートに連れていくわ。
 友好の証として、剣と鏡を献上させるつもりよ」
「なるほど。
 それは大掛かりですね」
「でしょう?
 人もいないから、私も大忙しよ。
 あっ、それも一緒にお願い」
「解りました」
 そう言ってシャルテットは本棚の一番下にある本を取り出した。



つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

悪ノ娘 Ⅱ【自己解釈】

謎のストーリーに突入。

【本家】
「悪ノ娘」:http://www.nicovideo.jp/watch/sm2916956
「悪ノ召使」:http://www.nicovideo.jp/watch/sm3133304

続き→明日

閲覧数:1,215

投稿日:2012/02/19 22:55:59

文字数:766文字

カテゴリ:小説

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