<母香炉女学園の謎! MEIKO vs GUMI! 最終話 決戦、そして・・・>
<第9話末文より>
MEIKO:待たせたな。ではこれから、私の分析結果を話す。それでも攻撃するのなら、正々堂々と攻撃を受けようぞ。
テト:いいだろう。聞いてやる、オマエの最後の戯言、“分析結果”とやらを。
(2010年4月11日(4日目)・夜・時計塔最上階・造成の間)
空中に浮いているテトとMEIKOは、にらみ合い、対峙していた。
MEIKO:まず、オマエは“借り物の体”を使い続けて、元になった最初のマギカントの肉体が滅んでからも生き続けた。そして、一番最初のマギカントの創造者はとっくに死んでいる。
テト:そうだ。この体は借り物、言ってみれば私本体は“寄生マギカント”ということだな。
MEIKO:しかし、マギカントである以上、最低限の必要構成物質は存在しなければいけない。“ベースマテリアル”、これはどうなったかわからないが、肉体に寄生出来るということから考えると、これは最初のマギカント製造には必要無かったのかもしれない。
テト:ほぉ。なかなか冷静な分析だ。
MEIKO:次に“髪の毛などの遺伝子情報”、これはあったのだろう。そして間違いなく使われた。腐ることがないため、寄生の際にも移動してきたのだろう。だが、寄生先の肉体であるテトの外観が、オマエの元から想像できる“古代人”ではないので、今は外見を変えられる程、遺伝子情報は残っていない。違うか?。
テト:その通りだ。劣化しないが、寄生の際にある程度、損失を伴うため、少しずつだが減っている。
MEIKO:最後に、コア宝石。これが私が言いたい最大の用件であり、そしてオマエが“一番知られたくない”内容だろう。
テト:・・・・・・・言葉に気をつけながら話さなければ行けないことは、わかっているな。
MEIKO:勿論。ではここからは少し丁寧に発言する。私は戦闘中、ネルに“広範囲でのサーチ”を続けさせていました。そして、ダーク・マターの情報だけでなく、あなたのサーチもやっていたのです。その結果、こちらのマギカントの情報とは食い違う結果が出ました。あなたは存在しているのに、“コア宝石”、がその肉体にない。あなた本体はコア宝石が必要ないマギカントなのか、同じ肉体にコア宝石を内在させていなくてもある程度は肉体を保持できるマギカント、つまり特別なマギカントなのか、どれかです。
テト:・・・・・。
MEIKO:遺伝子情報だけで寄生出来るとは考えにくい、よって、あなたは“後者のマギカント”だと判断しました。そして、こんな学園の1女子生徒の肉体を借りて生き続けるという“おかしな行動”の裏を読むことにしたのです。貴方は、最初に言っていた“歴史の証人”を続けるためだけに、テトの肉体を借りていたのではない、ちゃんとした“目的”があったから、テトの肉体を選んでいた。違いますか?。
テト:・・・・・。
MEIKO:学園に来る前から、時々だが自分でいろいろな肉体から意識を出して、“ある物”をずっと探していた。そしてやっと、この学園にあることを突き止めたから、テトの体を借りて学園探索をしていた。しかし、見つからなかった。
テト:・・・・・。
MEIKO:あなただけしか知らないことでしょうが、見つけた“石板”は、各地に存在する一般的な物だったのだろうから詳しくは調べていなかった。結局、情報はガセと判断せざるを得なかった。だから、“つきあう余興がつまらなければここの全てを吹き飛ばして他の場所に行く”発言をしていたということ。どうですか?。
テト:・・・そう、私は“歴史の証人になる“という目的以外に、コア宝石の探索の目的もあった。しかし、それがなんだというのだ?。実際にこの学園では、私のコア宝石“水晶髑髏”は見つからなかった。あげくに私は、テト自身の叫びが鍵になり、無理矢理この体から引っぱり出されたため、不安定になっている。正直、早くここから移動して、別のところで新しい借り物を探し、新規に水晶髑髏の探索を続けたいのだが?。もう余興には十分つきあってやったはずだ。
MEIKO:今の話を聞いて不確かさが確定に変わりました。あなた、ここを吹き飛ばしたり、別の場所に行かなくて良かったと思った方がいいわ。あったのよ、この学園に。その大事なコア宝石が。
テト:な!!!!、何!!!!!。
テトの表情が初めて一変した。その顔は初めてみせる“驚愕”の表情だった。
MEIKO:貴方のサーチ能力はそれほど強力ではなかったらしいですね。その能力に長けていた“ネル”だけが見つけ出せたのよ。先ほどの戦闘中に無線でやりとりしていたのだが、ある場所に埋もれていたのですよ。表面に出てこられない所に。
テト:お、教えろ!、早く!。
MEIKO:貴方にとっては“一般的”だからスルーしていた場所。“石板の中心部分”だ。そこに“古代の水晶”カテゴリーの“コア宝石”の反応がありました。形は“小さい髑髏”に近い物。
テト:どけ!、おまえら!。一刻も早く取り戻し、皮膚に接触させて安定化させねば!。
MEIKO:話にはまだ続きがある。
テト:なんだ!、手早くしろ!。
MEIKO:その水晶髑髏、すでに私たちの手中にある。
MEIKOは階段出口を指さした。息を切らしながらも、小さい髑髏型のクリスタルを持っているルカと、刀を突きつけて横に立っている学歩がいた。
テト:な!!!、い、いつのまに・・・・ま、まさか!。
MEIKO:そう、あの連絡で、ルカさんと学歩さんにお願いしていたのよ。こっそり抜け出して、ここのB1Fにある石板に行って反応があったポイントの周りを刀で切断とか掘削して、掘り出し、そしてレーダー障壁で包んでこっそり持ってきて、と。そして・・・
学歩:オマエの行動次第では、この宝石を私の刀で砕く。
MEIKO:これは立派な取引だ。この宝石を渡す前に、テトの体の傷害0%の状態で、無理なく出てきて、テトを返して貰う!。
テト:く・・・どうしてもこの体を奪い返すわけだな。
MEIKO:その通り。“借り物は耳を揃えてきっちり返す”、これは人間の間の約束だ。おまえは擬似マギカントであっても、人間の体を間借りしているのだ。その約束には従って貰う。
テト:・・・・いいだろう。どうせこの体との融和性は、もう0に近い。捨てるつもりだったからな。だが、1つだけ分析不足だったな。
MEIKO:何?
突然、テトは気を失って、その場から落下していった!。
???:私の“寄生”は瞬時に行われる事を!。
シュ!
学歩:ぐ・・・ぉぉぉ。
パリーン!
刀を突きつけていた学歩は、誰かにコア宝石を破砕され、全身が宝石に変わって、ベースマテリアルの茄子1個を残して、砕けて消えてしまった!。
MEIKO:学歩さん!!!!。
???:どけ!。
ルカ:きゃ!。
???:取り戻したぞ!、次は!。
シュッ!
???:ハンドガンをいただく!。
GUMI:うわ!!!。
学歩を破壊し、ルカを手で押しどけ、水晶髑髏を奪い取り、GUMIを突き飛ばして、あらかじめ弾丸を装填し直してあった“GUMIのハンドガン”を拾い上げ、MEIKO達と距離を取って、高々と笑っている人物がいた。それは、最初のマギカントに寄生されたマギカントGUMIだった。
母香炉女学園の謎! MEIKO vs GUMI! 最終話 決戦、そして・・・
☆オリジナル作品第5弾である、「母香炉女学園の謎! MEIKO vs GUMI!」の最終話です。
☆最初のマギカント(テト、マギカント・GUMI)との最終決戦、そして後日談です。
☆ファイナルバトルは、“タイトルに一応偽り無し“という事にしました。
☆無敵に思えた最初のマギカントにも、最初故の欠陥があったということです。
☆かなり長めになり、恐縮です。
☆これまでご閲覧頂きまして、まことにありがとうございました!。
******
hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct
☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5
☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1
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***
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<第9話 末文より>
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ピー、カチャ
今日は生徒会室の鍵はかかっていた。昨日、ルカから貰っていたICカード...母香炉女学園の謎! MEIKO vs GUMI! 第3話 マギカント
enarin
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ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
hata_hata様、こんにちは!
> 完結という事でお疲れ様でした
ありがとうございます!。やっとこの完結となりました。
> 人間に作られた人間ならざる者の末路
ある意味、マギカントという存在は儚い物なのかもしれませんね。
> でもnai☆さんの書かれているように、色々考えさせられますね
今回はちょっと悲しいストーリーが多かったので申し訳なかったです。
> あっという間に最終話まで来た感じです。面白かった~!!!
ありがとうございます!。流れは速かったですね。そしてつばぜり合いで止まって、そして急速に動き出す。そんな展開でした。
> その内、GUMIさん1人メインのお話も読んでみたいものです
そうですね。和製ボカロの女性でまだ単独主役やってないのは、GUMIさんだけですね。
> ルカさんとGUMIさん。そしてMEIKOさん。最後はそれぞれニヨニヨしてしまう終わり方でした
今回は展開的にこうなってしまうようにも思えます。ファンタジー要素がありますが現代を舞台にしている関係でどうしてもこういう”あったことをなしにする”展開で終わる事になりました。
> みんなでワッショイ!なハッピーエンドも良いけど、こういうサラッとしたのも良いですね~
どうもです。今回は犠牲者二人を出してしまったので、ちょっと悲しい最後になりましたね。
> さて、次の劇団ボカロの演目は何になるのか楽しみです♪
とりあえず充填して、今度こそ犠牲者のない、出来るなら研究所とか商店街のようなノリの作品(初心に返る?)、そして、愛されるキャラが出てくるような、そういう作品を目指したいと思います。今回はちょっと大人な映画のノリだったので。
コレまでのご閲覧、コメント、ありがとうございました!。
2009/06/12 09:46:06
hata_hata
ご意見・ご感想
こんばんわ!
最終話、完結という事でお疲れ様でした。
強大な力を持ちし、人間に作られた人間ならざる者の末路・・・哀れではありますよね。
げに恐ろしきは人間の欲望と言う事でしょうか・・・まぁ、中二病ぽい話になってしまいそうですがw
でもnai☆さんの書かれているように、色々考えさせられますね。
しかし今回は、怒濤の展開×?と言うくらいの物凄さで、あっという間に最終話まで来た感じです。
面白かった~!!!MEIKOさんとGUMIさんという組み合わせも新鮮でした。
その内、GUMIさん1人メインのお話も読んでみたいものです。
ルカさんとGUMIさん。そしてMEIKOさん。最後はそれぞれニヨニヨしてしまう終わり方でした。
みんなでワッショイ!なハッピーエンドも良いけど、こういうサラッとしたのも良いですね~。
さて、次の劇団ボカロの演目は何になるのか楽しみです♪
まずは休んで下さいませ!ではでは~ノシ
2009/06/12 03:02:45
enarin
ご意見・ご感想
nai☆様、今晩は!
> 頭脳戦、圧巻でした。
ありがとうございます!。実は、今回の最後は、相手がマギカントGUMIだとしても、タイトルの通り、”MEIKO vs GUMI”になっていたのです~。盛り上げましたよ~♪
> 皆の力の結集
そうですね。MEIKOさんをカバーし、裏の行動をしてくれ、最後にラスボスを滅ぼすために二人が散っていき、そしてMEIKOさんが最後にしめました。みんなの力ですね!。
> 最後の最後に時計塔の崩壊イベントですか!
これはなんか映画とかアニメの受け売りで恐縮ですが、あの場面だとこれが最適だと思いましたので~。言葉は短文ですが、それまでの言葉で情景ベースを作っておいたので、効果があったみたいでうれしいです!。
> “全て一般的な小石”になって超技術を表舞台から消す
どうもありがとうございますです!。これが最後のトリックでした。ルカさんのマギカントとネルさん、ハクさんが結局残りましたが、石板を含め、学園にあったマギカント関係は、全て小石に変わり、生徒会室地下は改造により封鎖、よって全て消える事に繋げました。というか警察がアノ場面にそのまま入ってしまうと、単なる事件どころではなくなるので・・・。
> 最後までワクワクしっぱなしでした
どうもです~!。今回はスピード感がある展開でした。の割に、いろいろなテーマとジャンルを盛り込みました。ファンタジーを入れることが出来たのは良かったです。
> とても重要なメッセージを込められている、言わば社会派的なものを感じましたよ(^^
そうですね、ちょっとシニカルな味がありましたね。規約に出来るだけ抵触しないような表現を見つけながら書いていきました。結果、ジャンルの割に、そうですね、社会派な味が出たのだと思います。結局、学園長も犠牲になった二人も、戻ってきませんでしたので。これまでの5作のなかでは、一番、サスペンスだったかも。
そして学園長があーなる原因だった、人間の肉体を使った禁忌のマギカント造成。これはそのまま現実の”人間をサンプルにした生物実験”を意味しているのかもです。
これまでのご閲覧、コメント、ありがとうございました!。
2009/06/11 22:21:08
nai☆
ご意見・ご感想
最後のつばぜり合いのような頭脳戦、圧巻でした。そして、MEIKOさんの一見無謀に見えた戦ですが、冷静でかつ大胆な行動、そして皆の力の結集で勝利を掴み取ったんですね。
と、思いきや、最後の最後に時計塔の崩壊イベントですか! 崩壊し小石になって襲い来る切迫感にハラハラしてしまいましたw しかも、この“小石になって崩壊する”のが、最後の最後に“全て一般的な小石”になって超技術を表舞台から消すという意味を持たせる伏線となっているあたり、もう『テキストの魔術師』とでもお呼びしたいくらいすごいです♪
いやぁ! ついに完結ですね。お疲れ様でした!
最初ののどかな学園モノから一変してハードボイルドな探偵モノ、そして頭脳にアクションと、最後までワクワクしっぱなしでした。
今回は、幾つか可哀想なシーンもありましたが、これは命をもてあそぶ事の愚かしさへの警告であるような気がしましたし、とても重要なメッセージを込められている、言わば社会派的なものを感じましたよ(^^
2009/06/11 21:52:20