一番大きな建物…屋敷と言った方がいいのだろうか。そこにむかってみんなで町を歩いていた。
すると、突然ミク姉が言った。

ミ「ねーえ、あのさ、そのー…せっかく町に着たんだから、お店とか見てみたいなー…なんて」

すこし遠慮がちにミク姉がみんなに聞いてきた。

カ「それもいいね！！　じゃあまずは女帝に会う前にいろいろ見てみようか！」

すこしわくわくした様子で兄さんもミク姉に意見に賛成した。

レ「俺も賛成！！」

レンも話しに乗ってきた。
もちろん私もミク姉の意見に賛成だ。

グ「よし、決まりだね！　じゃあまずはそこのお店から！！」

グミ姉もすでにその気でいるみたいだ。グミ姉が指差した先にあったお店は、どうやら服や、武器、綺麗なドレスまで扱ってる感じの店だった。

旅人や騎士がどの世界にもいるから、このような防具などを取り扱ってる店は少なくはない。

ミ「かわいいものとかあったら、買っていいの？」

レ「必要なものならね」

家計とかはレンが担当しているため、出かけるときとかは大体レンがお金を持っている。
レンはこういうのが得意そうだから。とグミ姉に言われてからはレンがまかされている。
少なくとも年上のミク姉や、私なんかよりはずっとしっかりしているし。この兄妹ではグミ姉の次に頼りになると思う。

これまたミク姉がお店に真っ先に入っていったから、みんなミク姉の後に続いてお店に入る。

店の周りにも結構人がいたから、込んでると思ったけど間違いじゃなかったようだ。
中はそこまで広くないけど、込んでるためすぐにはぐれそうだ。

ミ「ねえ！！　みてみて！　この服に合うんじゃない？　レンとかに」

早速ミク姉は服を持ってきた。
レンに似合うとか言っているが、レンはあまり嬉しそうな顔をしてなかった。

レ「なんでいつもミク姉はこんな服もってくるかなぁ」

レンはまたかといった感じでため息をつく。
ミク姉の持っている服はかわいいフリルのついたドレスだった…

グ「もう、ミク！　レンもあきれてるよ…もとのところに戻してきな」

グミ姉に注意されてミク姉はしぶしぶ服を戻す。


ん…？　ミク姉が服を戻しにいったとき、人ごみの中に赤い髪のうさみみをつけた人が見えた…のは気のせいだろうか？
いや、気のせいじゃなかった。だいぶ前に会ったテトさんがお店にいるのだ。
はあー。あの人は人に物事を押し付けて、自分は買い物かよ…
ほんとになんなんだ。考えれば考えるほどあきれてくる。

リ「ね、ねえ！　グミ姉！！　いまお店の中にテトさんがいた！」

グ「え！　テトさんが！？　あの人は一体何がしたいのか…」

レ「話しかけてみるか」

カ「そうだね」

人ごみを掻き分けて、テトさんを探す。


すぐに見つけた。テトさんはカチューシャのコーナーにいた。

リ「テトさん！」

テ「はっ！　はい？」

テトさんはいきなり話しかけられて、びっくりした様子でこちらを見る。

テ「リ、リンさん！？　なぜここに！」

あきらかに、ばれたか。って感じでテトさんが答える。

リ「何でここにいるんですか？」

追い詰める感じでテトさんに聞いた。
まずいことでもしたかのように、テトさんは冷や汗をかいてる。面白い人だ。

テ「暴力はよくないですよ！！　僕がわるかったです！」

リ「いや、暴力は振るわないって…。外で話そう」

そう言ってテトさんの手を引っ張る。テトさんは一人称が僕なんだ、初めて知った。

グ「あ、テトさんいたんだね！」

リ「うん。詳しくは外で話そう」

とりあえずみんな一度、外へでて話すことにした。