驚いて投げつけられた、というかたたきつけられたというか、なＫＡＩＴＯの種入りタマゴアイス。


「……床にクッションひいててよかった……」


転びやすいからクッションは必要なんだよな。


とぶつぶつ言いつつＫＡＩＴＯの無事を確認する。
無傷だ。


……でも……なんか、うなされてないか？


明かりに透かして見てみると、明らかにうなされている。
ゴムに対して、ＫＡＩＴＯっぽいものが大きくなっているようだ。
多分、せまくなっているため苦しいのだろう。


「……ＫＡＩＴＯの種は翌日くらいに発芽し起きます……」

深夜だが、発芽？はしている。
まぁ、切らないで苦しんで小さいままより、切って出してやったほうがまだましな気がするようなしないような……。


「よし、だすか」


じゃきん、とハサミを左手に持ち、ジャキジャキとゴムを切り刻んでいく。


……なんか色薄い気が……って白い……？


ＫＡＩＴＯは白い生き物だったのだろうか？
いや、動画やパッケージで見た限り、ＫＡＩＴＯは青い。


「え、と。何何。
「ＫＡＩＴＯの種によって発芽するＫＡＩＴＯは、アイスと環境によって色や性格なども様々、千差万別のあなただけのＫＡＩＴＯが生まれてきます」
か……」

つまり、こいつはタマゴアイスカラーのＫＡＩＴＯ、というわけか。

クッキークリームだったら斑だったんだろうか？

と思いつつ、乳白色のＫＡＩＴＯを観察する。


全体的に色が薄い。
白っぽいというか……青白いというか……微妙なラインだな……。
サイズから考えても、腕やらも細く華奢だ。
しかも……軽い……。
丈は、まぁ、ましだろう。
……何か足りない気がするが……まぁ、いいさ。
そのうち足りる……はず。


タマゴアイスの中から取り出されたＫＡＩＴＯは全体的に真っ白だった。
髪の毛も衣服も、爪の先まで。

なぜか、マフラーがない。
ゴムと一緒に間違って切られてしまったようだ。
ゴムの中に断片が混ざっている。

気がつくのはいつになるのだろう？



この白濁にまみれたＫＡＩＴＯ。
汚くないか？
明らかにパソコンのそばには置けない……。


タマゴアイスまみれのＫＡＩＴＯ。
明らかにねとねとしている。

……丸洗いするか……と思ったが大丈夫なんだろうか？
元はアイスなんだから……溶けないか？


「ふむ、
「ＫＡＩＴＯの種から発芽したＫＡＩＴＯは、ＫＡＩＴＯなので溶けたりはしません。普通に可愛がってやってください」
……普通に可愛がる……ね」


溶けないなら、丸洗いおｋ、だな。
風呂に戻るか。

そう考え、弟は放置のまま白いＫＡＩＴＯを手に持ち、風呂場へ向かった。
ＫＡＩＴＯは目を覚まさないまま……。