海の上はあいにくの曇り空でしたが、少年は物珍しそうに、きょろきょろとあたりを見渡していました。
そうしている内に、空にどす黒い雨雲が現れました。
姉は経験上その雲が嵐の原因だと言うことを知っていたので、海に戻ろうとしましたが少年の姿が見あたりません。
しばらく探しましたが、次第に風も強くなってきていたので、心配しながらも海に潜っていきました。
その頃、少年は大きな船の前にいました。
けれども少年が見ていたのは船ではなく、その甲板にいる一人の少女でした。白いワンピースで頭にリボンをつけた少女は憂いをおびた表情で海を眺めていました。
少年はその少女から目が離せなくなっていたのです。
そのとき、少女の後ろから無精ひげのごつい男が現れました。
実はこの船はこのあたりでも有名な海賊船で、金品だけではあきたらず、女の人までをも強奪していたのです。少女もまた誘拐された内の一人でした。
男は嫌がる少女の腕をつかんで奥に連れていこうとします。
するとそのとき、突風が吹いてきました。帆を広げたままだった船は大きく揺れ、甲板にいた少女は海に投げ出されてしまいました。
少年が少女を助けたとき、すでに少女は気を失っていました。
少年は急いで浜辺へと急ぎました。
少年は助けを呼ぼうと思い辺りを見回しましたが、誰一人いませんでした。
なので、少年は幼い頃聞かされていたあの人魚の歌を歌って人を呼ぶことにしました。
間もなくして、向こうの方から人がやってくるのが見えました。
そのとき少年は昔から言い聞かされてきた姉の忠告を思い出しました。
それは人間の間で広まる噂で、人魚は持ち前の美貌で人間を海に誘いだし、溺死させてその肉を食らう化け物だと言う内容でした。もし、人間に見つかってしまったら火あぶりの刑にされる、ということで絶対に人間には見つかってはならないと言われていました。
少年はどこかに隠れようとしましたが、気を失っている少女のことも気になりました。
迷ったあげくに少年は少女の手を一度だけ強く握りしめ、その場を後にしました。
少年が岩陰に隠れたとき、浜辺に一人の青年がやってきました。その青年の身なりは立派で、長く美しい紫の髪を持ち、容貌も整っていました。
青年は横たわる少女を見つけると、足早に駆けつけました。そして息があるのを確かめると、少女を抱き上げて元来た方向に帰っていきました。
それを見届けた少年は一安心し、海へ潜っていきました。
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まふまふ
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なぜ?誰に?
それが分からない
ただあの世界(ネバーランド)から無事帰ることができた今、私が感じた「ある違和感」をここに書き記しておく
私に「もしも」のことが起こった時
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-----------...ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと【歌詞】
じょるじん
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