過ごした季節(とき)は何でせう
紅葉(くれは)舞ひ散る この庭で
伸べたこの手に一葉(ひとは)触れる
ぬくもりもただ朽ち果て逝く

憶へてゐるのでせうか
二人歩んだ芒(すすき)の原を
宵の空に咲ひた花を
髪飾つた桜吹雪を
傍にゐたこの存在を

散り逝く命の輝きが
儚く朧(おぼろ)なこの季節(とき)を
わたしは幾度も過ごす
置き忘れ去られたまま 独りで



貴方は何と呼んだでせう
桜咲き散るあの季節(とき)を
霞む記憶にひとつ残る
貴方の笑みさへ見へなく

憶へてゐるのでせうか
此処でただ待つこの存在を
大事に囁ひた言葉(こえ)を
夢映した美しき日を
"貴方"と云ふその存在を

消え去る記憶が砕かれて
仰ひだ抜けるやうな空へ
わたしは想ひを還す
すべて捨て去つたまま 独りで



嗚呼わたしは誰を
待つてゐるのでせうか 孤独の中
この冷たひ頬を伝ふ雫に
何故胸を痛めるのでせう
何を求めて独り待つてゐるのでせうか


失ひ逝く美しさは
二人寄り添ふ想ひ出で
嗚呼あの懐かしい影は
一体誰のものなのでせう

散り逝く命の輝きが
わたしのこの身を包み逝く
何故か焦がれるあの姿
わたしが求めた方? 貴方が?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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紅葉散る頃に

和風目指しました。

閲覧数:179

投稿日:2009/09/21 20:59:20

文字数:506文字

カテゴリ:歌詞

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