投稿作品34作品
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鐘よ、どうか鳴らないで。
時よ、どうか止まって。
刻限が告げられるのは、未だ先のこと―。
せめてその時までは、夢を見させて。永遠に続く夢を、どうか、―。
握った短刀の柄に汗が滑る。初めて見る華やかな舞踏会に、そしてマザーから授かった使命を思って、心臓が大きく波打つのが分かりそれで漸く自分が緊張してい...鐘が鳴る
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冷たい風が頬を撫でる 真夜中過ぎの星空
積もる雪が煌いて 思わず仰ぎ見た
「綺麗だね」という声がして
冷え切った指先に伝わる温もり
振り返ればはにかんだ笑顔がそこにあった
ただ輝く星空はどこまでも澄んだままで
空に描いた夢も希望も未来図さえも
果てしなく広がっていく
けれどそれはもう儚く散った幻
冷...月影
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弾む足音
淡く色づく蕾
そよ風が髪を揺らす
優しく包み込むような
今まで踏み締めてきた幾多の道を
彩る季節が来た
変わらないままで、と願っても
ゆっくりと歩みを進めていく時間(とき)
見慣れた景色の中で
そっと名残を惜しんで…...non title
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華やいだ街の光に眼を刺される
眼を凝らしても夜の闇は見えない
眠らない空に星も月も姿は無かった
嗚咽響く幼子(おさなご)の声に
死んでゆくあたたかな夢たち
暗い路地に独り立ち尽くす
僕の足元の影も闇に喰われて溶けた
今日も仰いだ空に月は昇らない
人の心の奥底を映すような闇は
上辺だけ飾る綺麗な嘘に...Egoistic Psychedelic
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夜明けが来れば逢えなくなるの
独りきりの朝が来る
素足が とても冷たくて
震える手には 何もない
変わらない夢をただ
求めていただけなの もう
帰れないのかな
あたたかな声のその向こう
独り見上げた星は
冷たくて痛いの...夢夜譚
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錆びた月 眠らない空
街の光が瞳刺す
耳から脳を犯していく
猥雑な喧騒が
口移しの吐息の香に
酔いしれる心の奥底
覗くことができるなら、さあ
今宵は仮面舞踏会
焦がれるまま 爪痕残し
乞われるまま 口付与え...精神論
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過ごした季節(とき)は何でせう
紅葉(くれは)舞ひ散る この庭で
伸べたこの手に一葉(ひとは)触れる
ぬくもりもただ朽ち果て逝く
憶へてゐるのでせうか
二人歩んだ芒(すすき)の原を
宵の空に咲ひた花を
髪飾つた桜吹雪を
傍にゐたこの存在を
散り逝く命の輝きが...紅葉散る頃に
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息潜め 時を待ち 幾星霜
幾度も月陽は巡り
夢は覚め 声は消え 幕が上がる
紡がれる劇の始まり
踊り狂う道化師(ピエロ)は嗤う
愚かな傀儡(マリオネット)と
狂気の女王(クイーン)は
仮面の笑みで刃を振りかざす
謳えよ 賛美歌を
甘く香る紅き潮の中...夢裡
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長いようで短い日々を過ごして
たくさんの笑顔を見て
時には泣いたこともあるけど
とても楽しい時間だった
独りで何もかも抱え込んで
すべてが嫌になったけど
変わらず周りには
君がいて 友だちがいた
淡い薄紅に彩られた
出逢いと別れの季節に告げる...桜吹雪の咲く頃に
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傷つけた 心無い言葉で君を
本当に言いたかったことは 違うのに
そんな後悔も 降りしきる
雨に流されて 彼方に消えた
窓辺に佇み ふと思う
君は今 どうしてるだろう
あの日と同じ 空は泣いていて
いつものような笑顔は見られなかった
ごめんねと 今なら
君に 素直に言えるだろうに...雨を連れて
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何故だろう 胸が痛くなるの
とても大切にしていたものを
どこかに置き忘れてきたみたい
あの蒼くて吸い込まれそうな空に
手を大きく振っても
風は太陽へわたしを
乗せてはくれなかったあの日
白い紙に引かれた黒の線
何度も消され書かれて
へこんだ跡だらけ...追憶の彼方へ
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闇に溺れて逝きたい
この虚構の中に生きるなら
甘い理想と云う名の幻想は
虚飾の世界に在りはしない
恋焦がれる焦燥と
満たされぬままの絶望
この肉体(からだ)を焼き尽くす前に
誰か理性を喰い潰してくれ
今もまだ 君が笑ってる
痛い嘘だらけの世界で...sein
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剣=つるぎ
疾風=はやて です。
静かなる空 仰ぎ見る
瞬く光 見えず
涙する声 虚(きょ)に響く
宵の暗闇 迫る
煙たなびく廃墟
錆びた紅い潮の味
純白(しろ)き肌(はだえ)に一筋走る
傷痕がすべてを語る...徒桜
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塗り潰された闇の中
独り佇む私
どうしてすべてが見えないの
静寂に呑まれ消えかける存在
彩(いろ)が分からない無彩色の中
ただひとつ虹色に輝く
あなただけがいた
問う声に答えて 私のソレイユ
世界はどうして色褪せたの
あなたが照らし出す光だけが...Soleil
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ウソを吐くのは良くないって
みんなはそう言うけど
慰めるためのウソは良いって
何だか矛盾してない
たとえばキミが吐いたウソ
大丈夫だよってそう優しく
嘯いたって結局は
キセキは起こらなかったじゃない
矛盾だらけのユダの定義
曖昧なライン引いてたって...ユダの定義
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伝う螺旋の渦
眠れぬ夜の空
混沌と混ざりゆくその中に
ひとかけらの異分子
まどろむ少女は夢を見る
ただまっさらな白の中
彩(いろ)に染められる夢を
虹色に色づく
瞳は何を見つめる
すべてが分からぬ混沌と...新世界