【飴玉】仕返し【後日談】

投稿日:2010/11/13 09:08:16 | 文字数:2,538文字 | 閲覧数:941 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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こちら(http://piapro.jp/t/OXMK)の後日談になります。自重は全くしておりません←
今回はやたら長くなり過ぎたので、前バージョンから続きをお読みくださいm(_ _)m

ピクシブの方ではorizaさん(http://piapro.jp/oriza)のイラストを、表紙として使わせていただいてます(・ω・*)
良ければ、そちらの方でもごらんください♪

ピクシブver.→(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=97874)

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TEXT
 



オレンジ色の光が街並みを照らし、遠くでは烏の鳴き声が響き渡っていた。
伸びる影を背に、テトとマスターは並んで歩を進める。

「結構、遅くなっちゃったね」

「マスターが、物一つ買うのに悩みすぎなんです」


そう言って、テトは呆れた顔をマスターに向けた。
彼女の両手には、大きめのビニール袋が一つずつある。
マスターの手にも同じ大きさの袋が同じ数だけあり、その量だけでも買い物に掛かった時間を物語っていた。


「その分お得な買い物が出来たから、良しとしてよ」

「まあ、別にいいですけどね…」


そうやって話しながら歩いている内に、目的地の我が家へとたどり着いた。
マスターは鍵を解いて扉を開き、家の中へと入る。


「ただいまー」


マスターとテトがそのままリビングに向かうと、レンが「おかえり」と出迎えてくれた。
そしてソファーには、顔を赤くして怒っている様子のリンが座っていた。


「…リン、なんか怒ってる?」

「………」


マスターはリンに尋ねるが、返ってくるのは鋭い視線。
たじろぐマスターをよそに状況をどことなく察したテトは、レンに視線を向ける。
それに気付いたレンは誤魔化すように、目線をあさっての方向に逸らした。


「…マスター、これ冷蔵庫に入れててもらえますか?」

「ん?あぁ、了解。レン、ちょっと手伝って」


マスターがレンを呼び、二人で買ったものを冷蔵庫に入れる作業に取り掛かる。
袋を手渡したテトはソファーに近寄って、リンの隣に座りこんだ。

リンはただ黙って、僅かに赤く染まった顔を下に向けている。
そんな少女を見ながら、テトが口を開いた。


「何を何処までされたのかは、知らないし聞かないけど…嫌じゃなかったんでしょう?」

「っ!?」


見透かしたような言葉に、リンは驚いた顔をテトに向けた。
顔を向けられた彼女は、目の前の少女に微笑みながら言う。


「分かるよ。だってリンちゃん、どこか嬉しそうだもん」

「………テトさんの意地悪」


リンの顔に赤みが増すが、その表情に怒りの色は消え失せていた。
テトはテーブルに置かれた飴玉の袋を手に取り、中を探る。
そうして取り出した小袋には、紫色の飴玉が入っていた。


「リンちゃんも食べる?…オレンジ味はないみたいだけど」

「………ううん、いらない」


苦笑いを浮かべながら、リンは目線を横にずらす。
その目には、かすかに疲労の色が見えた気がした。


(…地雷っぽかったかな?)

リンの反応に疑問を持ちつつも、テトは小袋を開けて飴玉を口に放る。
途端に口内に、グレープの味と香りが広がった。


「…嫌じゃ、なかったの」

ふと、リンが静かに口を開いた。
テトは飴玉を口の中で転がしつつ、その声に耳を傾ける。


「むしろ…う、嬉しかったし、本気で怒ってる訳でもないの。ただ…」

「悔しかった…、とか?良いようにされたのが」


そう言葉を挟むテトに、リンは再び顔を向けた。
飴玉を堪能する目の前の彼女に、疑いの視線を向けながら言う。


「………テトさん、実は見てたとか言わないよね?」

「言わない言わない。でも、大体の事情は見えてきたかもね」


「リンちゃん、分かりやすいから」と付け加え、テトは笑った。
そう言われたリンは、納得のいかない表情をする。
テトが暫く考え何かを思い付いたらしく、リンの耳元に口をやった。


「じゃあさ………」

「うん…?」


テトは後ろで作業をしているマスターとレンには聞こえないように、小さな声でリンに語りかけた。
それを頷きながら聞いてたリンは、突然驚きの声を上げる。


「えぇーーっ、むぐっ…!?」

「リンちゃん、声が大きいよ」


それの叫び声を、即座にリンの口を手で押さえて阻止するテト。
リンの声を耳にしてこちらに目をやるマスター達に、テトは笑顔を向けて誤魔化した。

疑問の色を残しながらも、二人は作業を再開する。
それを確認して、リンの口から手を離した。


「ぷはっ…。テ、テトさん…それ、ホントにしなきゃダメ?」

「しなきゃダメっていうか…この位じゃないと、仕返しにならないと思うよ?」


戸惑うリンに対し、テトは当然のように答えた。
言われた少女は頭を抱え何かを想像してか、赤くなったり青くなったりと表情をころころと変化させる。
そんな様子を見ていた彼女は、また小さく笑い声を漏らした。


「もし何かあれば、私が助けに入るし大丈夫だよ。…もちろん必要なら、だけどね?」

「むぅ~………」


リンは暫く考え、そして意を決したような顔で勢いよく立ち上がった。
そのまま足を進めて、レンの背後まで歩み寄る。

マスターと作業をしていたレンが、そのの気配に気付いて後ろを振り向いた。
目の前の少女は仁王立ちでいて、表情はどこか強張っている様に見えた。


「…リン?」

「………来て」


リンは静かな声で、そう一言だけ言った。
レンはマスターに顔を向けて、何か言いたげな目をする。


「…いいよ。こっちはもう、一人で片付けられるから」

「ありがとう、マスター」

微笑みながらそう言ったマスターに、レンがお礼の言葉を返す。
レンは立ち上がって目の前のリンに言葉を掛けようとしたが、それはリンがレンの腕を掴む事で中断される。


「ちょ、リン!?そ、そんな引っ張ったら転ぶって!!」


無言のリンに力強く腕を引っ張られたながら、レンは強制的に二階へと連れていかれた。
二人の姿が見えなくなったのを確認して、テトは小さく呟く。


「まったく…、仲良すぎて妬けちゃうな」

「ん?テトさん、何か言った?」


マスターの問いにテトは「いいえ」と一言だけ返し、口に含んだ飴玉を噛み砕いてマスターの側まで歩み寄る。
作業の状況を確認しながら、テトは笑顔でマスターに尋ねた。


「それが終わったら、紅茶でも淹れましょうか?」

「…じゃあ、お願いしようかな。もう終わるから、準備してていいよ」


そう言われた彼女は食器棚からティーカップを取り出して、手際よく準備を進めていった。


文をメインに、色々と創作中。
基本テトさんと鏡音が大好きです^^*(もちろんボカロ全般好きです)

よく色々な作品を巡り歩きしてます。一行詩に出没しているので気軽に絡んでくれると嬉しいです♪

最近は絵師さんのイラストから文を書いてみたいと思っていたり…。
また、僕の書いた文からイラストを書いて頂けたら嬉しいなと思ってます←


ツイッター始めて見ましたが、使い方がよく分からないww
よければお立ち寄りください♪
http://twitter.com/Defectiveprodu

pixivでも作品を投稿し始めました、良ければご覧ください^^
http://www.pixiv.net/member.php?id=2245288

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