■歌詞の「 」は遺書の中身です。
 イメージ時代は源平合戦期だといいなぁ・と個人的に。
 夫を戦で亡くした貴族の女性が主人公です。
 平家物語にも出てくる小宰相のように、夫の後追いをする人の気持ちを妄想しつつ書きました。
 中世の人は、泣きすぎて夜も眠れないと、「泣きすぎて、枕に氷が出来てしまったわ」という表現をする事があります。面白い感性ですよね!

■遺書の中に、「貴方」と過ごした四季の色だけが美しく在るという様子を感じていただければ幸いです。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

形見の詩

形見の詩

作詞:泡の人


「赤く紅く染まるもみぢ葉は
この袖濡らす雫に溶けて 赤く紅く散り急ぐ
どうかどうかこの視界も赤く染めて
見えなくなってしまえばいいと
小さく小さく呟いた」

「如何にして救えたのでしょう
答えの無い永久の問い
心染めし夕の空
今も深く色づいて
忘れようにも忘れられません」

「夜に落ちる虚しき憂き身は
唯の露と変わるだけ
枕の氷も重なるばかりで
止まる所を知りません」

「白く白く染まる雪の庭
実らぬ蕾も積もりに積もり 白く白く凍え行く
いつかいつか其の白の美しささえ
寒風となって消えればいいと
小さく小さく泣いていた」

「何も無かった筈なのに
何故色が有るのでしょうか
何も無かった筈なのに
何故貴方がいないのでしょうか
何故 何故 こんなにも
思い出だけが輝かしいのでしょうか」

「青く蒼く染まる其の水面
何も分からぬ私を映し 青く蒼く冴え渡る
とてもとても身に凍みる青さが
どうか最期の色であるようにと
小さく小さく書き残す」

「さようなら」と黒一点
まるで色の無い 形見の詩

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投稿日:2008/07/18 08:27:18

文字数:226文字

カテゴリ:歌詞

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