梅雨でも無い時季にずいぶん雨が降っている

コンビニで買ったビニール傘指しながら

鼻歌歌ってあるいてた

「なんて憂鬱な日なんだろう」
明日の蒸し暑さに嫌気がした

そんななんでもない１日

のはずだったんだが

雨は降りやまない
というか激しくなってきた

雨宿りするような屋根も見当たらないな

深くため息をついてさ
何となく後ろ振りかえったら

いつかの映画で見たような
大洪水絶賛勃発中

あぁなんて最悪な日なんだ
とりあえず逃げるしかないな

あの映画の結末は…

あぁもう最低だ!

押し寄せる波から逃げ回り

人混みの波のままに高層ビルへ

階段をかけ上がるんだ

中学時代の運動部のトレーニングを思い出した

屋上から見えた景色は
不思議と綺麗だったんだ

思わず身を乗り出したら

足を滑らせておっこちた

あぁ最悪だ

ここで全部おしまいか

そう思ったそのときに

誰かの声か聞こえた

「悲しくて寂しくて
苦しくてどうして気付いてくれないんだ

ここにいる
ここにいるのにさ
消さないで僕を消さないで」

てを伸ばして
てを差し伸べて

どこにいる？
どこにいるんだい？

泣かないで
泣かないで

君が生きている限り
君の世界は君だけのものだから

水が引いた世界に
たったひとり

濡れた僕の目の前に

鼻と目を赤くしてたっていた君の

笑顔見て

「なんて素敵な１日だろう」