「……リン」

べったべたに甘い空気を含んだレンの部屋でそう囁かれて迫られたら、もう黙るしか選択肢がなかった。

他にできることがあったら教えてほしいくらい。

エアコンはフル回転してくれているはずなのに、こんなに熱い。
設定温度を間違えたみたい。

でも、さっきから少しずつ触れてくるレンからのキスはそれ以上に熱い。

「リンソーダ味好きでしょ?」

ベッドに押し倒されたまま話されてもあまり耳に入ってこない。
心臓の音の方が大きくてよく聞こえない。

正面を向いて目を合わせることすら恥ずかしくて逸らそうとすると、だーめ、と言われてキスをされるので、目を合わせる恥ずかしさかキスをされる恥ずかしさを選択しなければならない。

キスされるたびに伝わる、レンのなめている飴が甘く口の中に広がる。

「ごめんね、最後の一個食べて。だから、半分こしよ」

飴をケーキみたいに半分にできるわけないじゃない、とか、いらない、とか軽口を言えるだけの余裕はなかった。
こういう時だけ余裕なレンは、とてもずるくて、

「はい、あーん」

「そ、そんなのできるわけないじゃない!」

「口開けるのもできないの?しょうがないなぁお嬢様は」

そう言って唇を塞いできたレンはとてもかっこいいなんて、絶対に言ってあげないけど。

目をぎゅっと瞑って飴が口に入ってくるのを確認する。
すごく恥ずかしいことをしているのに、こんなことするレンを私しか知らないんだ、と思うと嬉しくなる。

こういうことをちゃんと口にできたらもっと可愛くなれるのかな、と思うのにまるで反対の言葉しか喋れなくなったように思うことが素直に出てこない。

レンは、いつまで私のことを好きでいてくれるんだろう。


だんだん苦しくなってきてレンの肩に手をつけて、合図するとなぜか余計に深くキスされる。

苦しくて、酸素が足りなくて、顔を背けようとすると手を握っていない方の手で顎を固定されてキス以外の選択肢を奪われた。

「、んっ…」

いつもいつも、自分の声が恥ずかしくて嫌で涙が出そうになる。

それすらも可愛い、なんて言ってくれるから頭の中はレンでいっぱいになる。

選択肢は、レンしかいなくて、どのあみだくじを選んでも行きつく場所はレンしかないような、そんな感覚になる。


やっと長い長いキスから解放されるとレンがこぼれそうな涙を指ですくってくれる。

同じ時間キスをしていたはずなのにやっぱり余裕のレンは、どこかで練習でもしているのではないかと思う。
そんなこと絶対してほしくないけど。

「でも妬けるなぁ、」

「なに、が?」

キスした後はなんだか余計に恥ずかしくて目なんて合わせられない。

「ソーダはなんかカイトみたいだから、どうせならレモン味好きになってよ」

オレもリンも金パだし、と言われたらもうレモン味を好きになる選択肢しか残されていないのだ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

レンリン

タイトルつけるのがくそ苦手でして…><

小説用のブログ作ったので後で貼りにきます!

あと、過去の自分の作品を見返したらブクマしてくださってる優しい方が…あわあわ
あんなのにありがとうございます><

嬉しかったので(笑)両立させ、ブログにうpしたのをこっちでもうpします!!

閲覧数:5,663

投稿日:2009/09/03 01:43:27

文字数:1,210文字

カテゴリ:小説

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  • さくら

    さくら

    ご意見・ご感想

    はぅ~!!!
    ものっすごいいいっ!!!
    リン犯罪者でレン悪魔だ。
    なんでこんなに可愛い&カッコいいんだぁっ!!!!!!
    ずるいっ←w

    2010/12/28 21:52:08

  • 翠葉

    翠葉

    ご意見・ご感想

    おぉ!新作・・・!
    という事で遅かれながら読ませていただきました^^

    cam_camさんのリンレン好きだー!!
    もうリンちゃん可愛くて可愛くてきゅんきゅんでした///
    文章のつなげ方とかすごくいいですね!
    小説用のブログ!?時間があったら覗いてみます><

    おいしいリンレンありがとうでしたv

    2009/09/17 23:33:24

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