【リレー】僕と彼女の不思議な日常 6



約束の日。

研究室にいつもより少し早めに僕は着いた。

そしたら既に初音はいた。

「早いね」

「君こそ」

初音はいつもと同じ服装だった。

ただ、今までにないものがひとつだけ。

ルービックキューブのようなものと、金色の鍵。

ルービックキューブには鍵穴がひとつ。そして色が付いていなかった。真っ白だったのだ。

「……これは?」

「これがなくちゃ行けないのよ」

「……ふうん」

「相変わらずあなたは無機質。ぶっきらぼうね」

「君に言われたくないな」

「あ。怒った」

「いいからさっさと『神のスゴロク』とやらに連れてってくれよ」

「いいわ」

そう言って初音はルービックキューブと鍵を持って外に出た。



***



そのころ。

真っ白い空間。

その床にはびっしりと図形が幾何学的に並べられていた。

そして。

楽しそうにサイコロを振る赤い髪の女の姿があった。

図形の上には、赤と青の人形がひとつずつ置かれていた。

「……フフフ。もうすぐね」

女性は笑って人形を動かす。

そして、二つは、

同じところで止まる。



***


学校の中庭。

「それじゃ、始めるわよ?」

「ああ」

初音は僕に確認を得て、なにかを始めた。

最初は僕は悪魔召喚みたいに儀式をしたり、魔方陣を描いたりするのかと思った。

だが、違った。

彼女は、何をしたかと言えば、

ルービックキューブに鍵を差し込んだ。

ただ、それだけだった、

はずなのに。







刹那、ルービックキューブから、空間が広がった。

今までの空間が消されて、新しい空間が上書きされた。






つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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【リレー】僕と彼女の不思議な日常 6

第6話っ!!!!


もうすぐ終わるかもねー。

ユルカラインさんの第5話:http://piapro.jp/t/hncG

閲覧数:162

投稿日:2011/10/20 20:50:04

文字数:730文字

カテゴリ:小説

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