俺がいなくても世界は回る
俺が消えても朝は来る
だからどうした?
俺の中で幻聴が響く
今日もあくせく働き
多くの他人に失態を晒し
差し伸べられた手を振り払い
偏屈な上司の言われるがままに
曖昧な目標ばかり立てる毎日
給料袋の中身が俺の全てだ
過去に執着するばかりで
自分に向けられた後ろ指
欲しいのは説教じゃなく哀れみ
いつも被害者面して人のせい
気づいてもらえない
認めてもらえない
口から出るのは不満ばかり
徹夜で仕上げた自信作も
どこに出しても読んですらもらえない
努力をせずに才能を語り
好きなことすら中途半端に
理想論を盲信した末に
逃げて逃げて逃げた先
ほらね?
気づけば自分を見失ってる
愛されたのに愛し方を知らない
今の俺が誇れるものは
嫌われ者の称号くらいだ
他人にとってはただの背景だ
人生なんて終われば虚無だ
どこで死んでも同じだ
今まで過ごしてきた無意味な時間
生きてる価値なんてないのにな
震えた声で愚痴を零す
こんな筈じゃ無かったと
恨みも恩も投げ捨てて
独りで勝手にくたばれよ
こんなクソみたいな人生
クソみたいな俺には勿体ない
だからさ
本当に死んでくれ
泣いた分だけ強くなれるなら
俺だってここにいないだろ
馬鹿にされて怒られて
狂ったように泣き喚いて
俺はこんな場所で何やってんだよ
明日世界が終わればいいのにな
人類滅亡なんて目出度い話だ
これ以上誰も苦しまずに済むのに
これ以上誰も傷つかなくて済むのに
なんて妄想を反芻してる
無茶苦茶な遺書を二十歳の時に書いた
書いてみたはいいものの
結局死ねずに今もこうして生きてる訳だ
何も成しえないまま過去を引きずっているんだ
俺はそういう奴なんだ
ほら今だって見知らぬ女学生二人に
正気じゃないって文句を言われてやんの
彼女らの言う通り普通じゃないんだ
初めからマトモじゃなかった
やっぱり俺って社会不適合者なのか?
今更何考えたって無駄だよな
自己嫌悪に苛まれる日々が続く中
周りは前へ前へと大人になっていく
一人だけ取り残されたような気持ちになる
夢の中で煙草を吸った
周りには天井まである滑り台等の遊具と
玩具が散乱していた
いかにも幼い子供が喜びそうな空間だった
なのに俺は大人の姿だった
気づけば俺も親父と同じ道を辿っていた
いや親父よりも酷い有様だ
鏡に映る醜い男
好き勝手生きた末路がこれだ
他にも理由はあるけどさ
他人の物差しで善悪を決めて
頑張ってる奴に自己責任論
匿名だから言える罵詈雑言
世間知らずだけが語れる綺麗事
お前らに何がわかるんだよ?
悔し涙はポケットに閉まって
最期くらいは渾身の笑顔を
この世の主に中指立てて
飛べると信じて翼を広げる
俺と世界に“さよなら”だ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

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